育児休業明けに勤務日数が変わる場合の年休付与日数について
	育児休業中の非正規職員が復職するのですが、その職員の年次有給休暇の付与日数について疑問がありますので、どなたかご教授ください。
 
 ①育児休業からの復帰 7月1日(1年間の育児休業取得)
 ②出産前の勤務は週5日で、前年度の年次有給休暇は12日
 ③今回復職にあたり、本人から週2日の勤務を希望し双方で合意済み
 
  上記以外で、非正規職員の雇用契約は、原則として年度ごとに行いますので、この職員との契約は、書類上は3月31日までになっています。
  育児休業中の職員の場合、実際に勤務するときに書面での契約を行うようにしています。(事前に就労に関する意思確認や勤務条件は話合います。)
  また、契約は継続していますので、実際に復職する時期が年度途中となっても、労働条件通知書は4月1日~としています。
 
 そこで、週5日勤務から週2日勤務になる場合
 ・契約日に週5日の勤務を見込んで契約したが、週2日しか就労できない場合であっても週5日に見合った年次有給休暇の付与となることは承知しています。
 
 ・今回、4月1日より前に本人から勤務日数を減らしたいとの要望があり、双方で合意している場合(4/1~6/30まで勤務の実態も当然ありません。)は、週2日の勤務に見合った年次有給休暇の付与を行ってもよろしいのでしょうか。
  4月1日の時点では契約書の取り交わしはありませんが、週5日の契約が生きているのではないかとの意見も出ていますが、それ以前に双方の合意で週2日にしていますので、私としては問題ないと考えます。
 
 後々のトラブル回避のためにも、対応について教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。    
投稿日:2025/06/26 17:30 ID:QA-0154568
- 南の鷹さん
 - 熊本県/医療・福祉関連(企業規模 101~300人)
 
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
                ご質問いただきまして、ありがとうございます。
 次の通り、ご回答申し上げます。
 1.結論
 4月1日時点で週2日勤務に関する合意が成立している場合、週2日勤務に基づいた年次有給休暇の付与で差し支えありません。
 
 2.詳細な理由と根拠
 (1)年休付与の基準時点と契約内容の確定
 年次有給休暇の付与日数は、
 「継続勤務年数」
 「週所定労働日数」
 により決まります(労基法39条、厚労省通達等)。
 今回のポイントは、「年休付与基準日である4月1日時点で、所定労働日数が何日と見なされるか」です。
 
 (2)4月1日時点の契約の扱い
 契約書面は交わしていないが、3月以前に「4月からは週2日勤務」と当事者間で合意が成立している。
 という点が非常に重要です。
 労働契約の成立には書面が必要というわけではなく、意思の合致があれば成立します(労契法6条等)。
 したがって、4月1日時点で週2日勤務という合意があるなら、その労働条件が適用されると判断できます。
 
 (3)「週5日契約が生きているのでは」との懸念について
 これは形式的な契約書が残っているための誤解によるものと思われますが、次の点で問題ありません。
 契約書の更新(または新契約の発行)時期を復職時(7月1日)とする運用は、休業中で勤務実態がないことを踏まえた妥当な対応。
 4月以降は実際の就労もなく、かつ就労条件変更に合意済みであるため、週5日勤務は実体を持たない契約内容です。
 
 3.具体的な対応案
 (1)対応として望ましいこと:
 本人との合意記録を残す
 メールや面談記録、メモなどでも構いません。
 「4月1日からは週2日勤務とすることに合意済み」といった内容。
 復職時(7月1日)の契約書には、週2日勤務で記載する
 年休は週2日勤務に該当する日数で付与(例:継続勤務1年超・週2日勤務 ⇒ 付与日数は3日)
  →※参考:厚労省「年次有給休暇の付与日数(週所定労働日数別)」
  https://www.mhlw.go.jp/content/000728459.pdf
 
 4.補足:法的トラブル予防の観点から
 書面上の契約が形式的に週5日だったとしても、実際の合意と運用が週2日であれば、それに基づく年休付与で法的な問題は基本的にありません。
 ただし、「書面と運用が異なる」ことが争点になりやすいため、記録を残しておくことが重要です。
 
 5.まとめ
 観点→回答
 年休付与基準日→(4/1)時点の所定労働日数週2日でOK(合意済みなら)
 年休付与日数→週2日勤務に基づく日数
 必要な対応→合意の証拠を残す、復職時契約書に明記
 トラブル防止策→書面化(簡易メモ等も可)、人事での記録保管
 
 以上です。よろしくお願いいたします。                
投稿日:2025/06/26 18:51 ID:QA-0154573
相談者より
                井上 久 様
とても分かりやすく、明快な回答をいただきありがとうございます。
今後も、このようなケースが増えるのではないかと思いますので、記録などしっかり残し、後々のトラブルがないように努めていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。                
投稿日:2025/06/27 08:38 ID:QA-0154596大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
                ご利用頂き有難うございます。
 
 ご相談の件ですが、本来であれば週2日に勤務を減らされた時点で直ちに労働条件通知書の作成が必要といえます。
 
 確かに雇用契約内容の変更は口頭でも有効にはなりえますが、文書作成が無ければ証拠が無い事から後になって当人が週5日での年休日数付与を求められた場合対応に苦慮される事になります。
 
 特に労働者に取りまして不利な変更内容となる場合には、同意を確たるものとされる上でも文書の作成及び通知は不可欠といえます。
 
 どうしても週2日での付与日数で済まされたいという事でしたら、当初の合意日に遡って労働条件通知書を作成され当人へ交付されるべきといえるでしょう。                
投稿日:2025/06/26 23:00 ID:QA-0154586
相談者より
                服部 様
ご回答いただきありがとうございます。
育児休業中で勤務の実態がないことや社会保険から外れることでの不利益などを考慮して、復職後の契約をすることにしたケースでしたが、おっしゃるように早目に対応することで、トラブル回避にもなりますね。
今後の対応について、参考にさせていただきます。
いつも、質問に答えていただき感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。                
投稿日:2025/06/27 14:15 ID:QA-0154636大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
合意の対象期間
                 以下、回答させていただきます。
 
  (1)民法522条第2項では、「契約の成立には、法令に特別の定めがある場合
    を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。」ことが
    定められており、口頭であっても契約は成立することになります。
 
  (2)そして、労働基準法第15条第1項では、「使用者は、労働契約の締結に際 
    し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければな
    らない。」ことが定められています。このうち、「労働契約の締結」につ
    いては、「有期労働契約の契約期間満了後の契約更新や定年後の再雇用も
    含まれる」「採用内定により労働契約が成立していると認められる場合
    は、採用内定に際して労働条件を明示しなければならない」(令和3年版 
    労働基準法(上) 厚生労働省労働基準局編)とされています。
 
  (3)一方、育児介護休業法第10条では、「事業主は、労働者が育児休業をし
    たことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをし
    てはならない。」ことが定められています。そして、当該「不利益な取扱
    い」には、「期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこ
    と」が含まれています。
 
  (4)また、民法629条第1項では、「雇用の期間が満了した後労働者が引き続
    きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述
    べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定す
    る。」ことが定められています。
 
  (5)本件については、「週2日の合意」が、1)「4月1日~3月31日」を対象
    としたものなのか、それとも、2)「7月1日~3月31日」を対象としたもの
    なのかによって、年次有給休暇の付与日数が異なるように思われます。
 
  (6)これに関しては、上記(1)、従来の慣行(「非正規職員の雇用契約
    は、原則として年度ごとに行います」、「育児休業中の職員の場合、実際
    に勤務するときに書面での契約を行うようにしています」、「事前に就労
    に関する意思確認や勤務条件は話合います」、「契約は継続していますの
    で、実際に復職する時期が年度途中となっても、労働条件通知書は4月1
    日~としています。」)を踏まえ、上記1)に該当すると主張することも
    考えられます。
     しかし、本来的には、「4月1日~3月31日」の旨が明示された労働条件通
    知書を予め交付する必要があったのではないかと思われます。(上記
    (2))
 
  (7)一方、「育児休業からの復帰 7月1日」、「今回復職にあたり、本人 
    から週2日の勤務を希望し双方で合意済み」とのことですので、上記2)
    に該当するようにも思われます。
 
  (8)この場合、「4月1日~6月30日」については、上記(3)、(4)を踏ま
    え(準じ)つつ、「従前と同一の条件で契約の更新がなされた」と考えて
    もあながち間違いではないようにも思われます。
 
  (9)以上を踏まえれば、御相談内容に限って考えてみれば、週5日の勤務に
    見合った年次有給休暇の付与を行うことが望ましいのではないかと思われ
    ます。                
投稿日:2025/06/26 23:36 ID:QA-0154588
相談者より
                服部様
回答いただき、ありがとうございます。
出張のため回答の確認ができておらず、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
今後ともよろしくお願いします。                
投稿日:2025/07/04 12:16 ID:QA-0154924大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
                ご質問について、回答させていただきます。
 
 まず、年次有給給付付与日数については、付与日時点において有効な労働契約
 内容を基準に算出されるものとなります。
 
 また、本来3月31日で契約が終期を迎えるのであれば、例え休業中であった
 としても4月1日以降の労働契約の締結は4月1日を迎える前に必須で行う必要
 があります。
 
 今回のケースでは、以下の対応が最も妥当と思案いたします。
 (ご質問には記載がなかったですが、4月1日に年次有給休暇が一斉付与される
 前提で回答いたします。)
 
 事前合意があったとのこですので、改めて4/1~週2日勤務で雇用契約を結び、
 労働条件通知書を発行することについて、本人合意を得る。
 双方の合意があれば、週2日に基づいた年次有給休暇付与日数でOKです。
 
 合意に至らなかった(言った言わない問題に発展した場合は)
 4/1~6/30迄の期間を週5日で労働契約を結ぶ
 7/1~翌3/31迄の期間を週2日で労働契約を結ぶ
 上記の場合、4/1時点では週5日勤務ですので、週5勤務に基づいた
 年次有給休暇日数を付与する。
 
 遡っての雇用契約締・結労働条件通知書の発行は、言った言わない問題に
 発展する可能性がある為、今後の運用は検討いただいた方がよろしいでしょう。                
投稿日:2025/06/27 08:09 ID:QA-0154592
相談者より
                米倉様
回答いただき、ありがとうございます。
出張のため回答の確認ができておらず、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
大変参考になりました。                
投稿日:2025/07/04 12:18 ID:QA-0154925大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
 - 大阪府/その他業種
 
                ご相談者さまのお考えどおりで問題はありません
 
 年度の途中で「所定労働日数を変更」するなど、勤務形態に変更があった場合は、年休が新たに発生する日、すなわち直後の基準日時点の勤務形態によって付与日数を決めることになります。
 
 週5日勤務から週2日勤務に変わることにつき、労使双方で合意しているのであれば、週2日勤務に見合った日数を付与することで差支えはございません。
 
 契約は、必ずしも書面行為を必要とするものではなく、当事者双方で意思の合致があれば、口頭でも成立するものです。
 
 ただし、「言った」、「言わない」といった類のトラブルを避けるためには、口頭より書面によることが望ましいのはいうまでもないことです。
 
 所定労働日数が変わるわけですから、労働条件変更通知書(または労働条件変更契約書)という形で変更内容を明らかにし、速やかに交付しておけばよろしいでしょう。                
投稿日:2025/06/27 08:24 ID:QA-0154594
相談者より
                回答いただき、ありがとうございます。
出張のため回答の確認ができておらず、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
今後ともよろしくお願いします。                
投稿日:2025/07/04 12:18 ID:QA-0154926大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
                有休付与日時点での
 所定労働日数を付与して下さい。
 
 付与日時点で週2日の契約であれば
 週2日で比例付与となります。                
投稿日:2025/06/27 10:26 ID:QA-0154606
相談者より
                小高様
回答いただき、ありがとうございます。
出張のため回答の確認ができておらず、返信が遅くなり申し訳ありませんでした。                
投稿日:2025/07/04 12:19 ID:QA-0154927大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
                有期雇用社員で、契約更新日が単位であれば、次の4/1に新たな契約を締結となるはずですので、その際に週2日勤務案分で有給付与とすべきでしょう。
 当然ですが、事前に本人にも契約内容について説明の上、合意を得ておくことになります。
 一方的に手続きするのではなく、本人への説明と本人確認の証拠を記録しておけばトラブル回避になるでしょう。                
投稿日:2025/06/27 10:39 ID:QA-0154610
相談者より
                増沢 様
回答いただき、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。                
投稿日:2025/07/04 12:20 ID:QA-0154928大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
    ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
    
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