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【ヨミ】センリャクジンジ 戦略人事

「戦略人事」とは、企業経営において、経営戦略と人材マネジメントを連携・連動させることで競争優位を目指そうとする考え方、およびそれを実現するための人事部門の機能や役割などを包括的に示す用語です。今までも人事部門には、事務処理や労務管理などの定型的なオペレーション業務だけでなく、人的リソースの適正配置やプロジェクト管理、人材開発などを通して経営戦略の実現を支援する“ビジネスパートナー”としての機能が求められてきました。2000年代以降、人事のそうした側面があらためて重要視されており、「戦略人事」がキーワードとして注目を集めています。
(2016/7/25掲載)

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戦略人事のケーススタディ

戦略を実現し競争優位を生み出す人事の仕事
9割超が重要と認識しながら実行は3割以下

近年、企業の経営戦略の実現に資する人事の役割――「戦略人事」の重要性が叫ばれていますが、慶慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授の高橋俊介氏は、人事の仕事には三つの領域があり、より広い範囲を占める「人事全般」と、そこに含まれる「経営人事」、そしてその経営人事の一部が「戦略人事」だといいます。

人事全般の基本は、いわゆるルーチンのオペレーション業務です。経営人事とは、賃金構造を見直す、年金倒産を防ぐために確定拠出型に切り替えるなど、それを行わなければ経営に支障をきたすインフラ人事のこと。会社の収益に資するという意味で、重要な経営案件には違いないものの、市場において優位性を発揮するような“攻めの人事”ではありません。競合他社に対し、自社はどのようにして差別化を図り、競争優位を獲得するのか、その戦略にもとづいて進める人事が「戦略人事」というわけです。

たとえば、話題の女性活躍推進の場合、CSR的な発想から女性管理職の増加を目指すのであれば、それは「経営人事」。つまり“守りの人事”の範ちゅうに入ります。一方、多様な視点や感性を取り入れることで組織を活性化し、他社との差別化を図ろうと考えて、女性を積極的に採用、育成するのであれば、「戦略人事」だといえるでしょう。要は、競争優位を獲得するための戦略ありき――その実現を支援するために、各人事機能(採用、教育、評価、報償など)を再構築し統合するのが、戦略人事の要諦なのです。

とはいえ、現実はそう簡単にはいかないようです。『日本の人事部 人事白書2016』が全国の企業を対象に戦略人事の実態について調査したところ、「戦略人事は重要である」と感じている割合は、「強く感じる」(63.7%)「感じる」(31.5%)をあわせて95.2%でしたが、「人事部門が『戦略人事』として活動できている」と感じている割合は、「強く感じる」(5.2%)「感じる」(20.6%)をあわせて25.8%にとどまり、戦略人事の重要性の認識と現実との間に乖離が見られました。また、「経営戦略と人事戦略のリンクの阻害要因」(自由記述で回答)としては、「経営者が打ち出している戦略が不明確」「人事部門長に戦略の意識がない」「経営陣と人事部門との対話不足」「人事部が戦略パートナーとしてみなされていない」「人事部スタッフの能力不足」などの声が挙がり、現場で戦略人事を推進する難しさを具体的に示す結果となっています。

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