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となりの人事部
第79回 武田薬品工業株式会社

人事はビジネスに貢献する戦略的パートナー
タケダのHR改革に学ぶグローバルマインドセットとは(前編)

武田薬品工業株式会社 グローバルHR グローバルHRBP コーポレートヘッド 藤間 美樹さん
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武田薬品工業株式会社 グローバルHR グローバルHRBP コーポレートヘッド 藤間 美樹さん
武田薬品工業は創業1781年、235年以上の長い歴史を持つ日本最大手の製薬企業ですが、約3万人いる従業員のうち、日本人が占める割合は何と2割しかありません。国内の企業では類を見ないドラスティックな事業のグローバル化を進め、海外拠点を一気に70ヵ国以上にまで増やした結果です。ビジネスだけなく、人財と組織もグローバル化を図らなければ、激化する製薬業界の国際競争を勝ち抜いていくことはできません。そこで同社では2013年に外国人をヘッドに迎えて、グローバルHRをスタート。「HRビジネスパートナー」や「タレントレビュー」など、欧米では当たり前のノウハウを次々と導入し、従来の管理中心の人事からグローバル基準の戦略人事へと、改革を加速させてきました。そのキーパーソンが、グローバルHRBPコーポレートヘッドの藤間美樹さん。数々の改革をどのように行ってきたのか、人事がビジネスに貢献するにはどうすればいいのか、藤間さんにお話をうかがいました。
プロフィール
武田薬品工業株式会社 グローバルHR グローバルHRBP コーポレートヘッド 藤間 美樹さん プロフィール写真
藤間 美樹さん
武田薬品工業株式会社
グローバルHR グローバルHRBP コーポレートヘッド
ふじま・みき●1961年大阪生まれ。神戸大学農学部卒業。1985年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)に入社、営業、労働組合、人事、事業企画を経験。人事部では米国駐在を含め主に海外人事を担当。2005年にバイエルメディカルに人事総務部長として入社、2007年に武田薬品工業に入社。海外人事を中心にCMC HRビジネスパートナー部長などを歴任し、現在は本社部門の戦略的人事ビジネスパートナーをグローバルに統括するグローバルHRBPコーポレートヘッドの任務に従事。M&Aは米国と欧州の海外案件を中心に10件以上経験し、米国駐在は3回、計6年となる。武田薬品工業のグローバル化の流れを日米欧の3大拠点で経験し、グローバルに通用する人材像とその育成を探求。人と組織の活性化研究会「APO研」メンバー。

多数派は外国人、人も組織もドラスティックにグローバル化

―― 藤間さんは海外人事のエキスパートとして、国内外の複数の製薬・ヘルスケア企業で活躍してこられました。キャリアのスタートも人事部門からですか。

いいえ。大学を卒業して1985年に藤沢薬品工業(現アステラス製薬)に入社しましたが、人事部に移ったのは2000年からです。最初の15年はずっと営業でした。ただ、その15年のうちの後半8年は、営業のかたわら、労働組合としての活動も行っていたんです。

当時はちょうど、日本の会社に成果主義が入ってきて、退職金や企業年金などのしくみも変わっていく頃。組合の支部長や中央執行役員になると、制度変更の話を含め、人事について、すべて自分で組合員に説明しなければなりませんでした。しかも、組合組織には会社のような上下関係がないので、権威をタテに押し通すわけにはいかなかったんです。とことん理詰めで説得して、支部の合意を図らなければいけない。私にとっては、大きな経験でした。人事の専門知識以前に、リーダーシップや責任感、いかに人を説得してまとめるかということを、若いうちに学ぶことができましたから。

―― 藤沢薬品から外資を経て、07年に武田薬品工業(以下タケダ)に入社されました。その頃、貴社のグローバル人事の取り組みはどういう状況にあったのでしょうか。

それまでの人事部は国内しか見ていなくて、海外の人事案件は別の部署が担当していました。これをグローバルに統合しようという過程で、私が呼ばれたようです。当社の海外進出は1980年代の半ばから始まり、かつては日、米、欧などの各拠点がそれぞれ独立運営型で経営するスタイルを採っていた時期もありましたが、前社長の時代からM&Aを積極的に推進し、いまでは世界70ヵ国以上に拠点が広がっています。

それだけビジネスのグローバル化が進むと、経営のグローバル化はもちろん、それを担う人も組織もグローバル化していかなければ、世界のライバルに太刀打ちできません。当時のタケダの国内スタッフにはそのノウハウがなかったので、2013年にHR部門のヘッドとして、イギリス人のデビッド・オズボーン(以下デイブ)が就任。グローバル化が一気に加速しました。典型的な日本企業の人事部から、グローバル企業のHRへと変わっていったのです。

―― 3年前にはフランス人のクリストフ・ウェバー氏が新社長として招聘されました。1781年の創業以来初の外国人トップということで、貴社のドラスティックな改革の象徴として受けとめられています。

いまや当社のマジョリティーは外国人です。組織全体で見ても、約3万人の従業員の8割近くが外国人で、日本人は2割しかいません(2016年度末時点)。社内取締役の外国人比率は4割で、われわれがTET(タケダ・エグゼクティブ・チーム)と呼んでいる経営会議のメンバーも14名中10名が外国人ですから、改革の推進役という意味では、やはり彼らのリーダーシップが大きいと思いますね。さらには経営会議だけでなく、その次の層である上位300人のシニアリーダーを見ても、外国人が多い。そのため、日本人というだけで特別扱いすることはありません。ただ、グローバルで通用する将来のリーダー候補として考えると、厳しい言い方になりますが、いまの日本人の層は薄い。社長はそこにすごく危機感を持っています。日本人をもっと育成しなければいけない、と。


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