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【ヨミ】フクリコウセイ

福利厚生

福利厚生とは?

福利厚生は大きく「法定福利厚生(法律によって企業に義務付けられているもの)」と「法定外福利厚生(企業が独自に設定できるもの)」の二つに分けられます。法定福利厚生で主なものとしては健康保険や厚生年金保険、法定外福利厚生で有名なものとしては住宅手当や社宅の設置、健康診断などが挙げられます。
近年は、政府の働き方改革が進み、労働者のワーク・ライフ・バランスがこれまで以上に重視されるようになっています。さらに、働き方が柔軟になるにつれて、労働者が企業に求めるものも変化しています。変化が激しい社会の中で従業員の満足度を高めるために、企業の福利厚生は近年、大きな注目を集めている施策の一つです。

更新日:2024/02/06

1. 福利厚生を設ける目的

企業が福利厚生を設ける目的は、下記の三つに整理できます。

企業が福利厚生を設ける三つの目的

  1. 従業員の生活を安定させること
  2. 安心して働ける労働条件・環境を整えること
  3. 従業員とその家族の福祉を向上させること

いずれも従業員のキャリアやプライベートの充実につながるもので、これらの要素が満たされると従業員満足度が向上し、勤労意欲を促進する効果があります。結果として、組織全体の生産性がアップするメリットがあるほか、企業への定着率が上がり労働力を確保できるのも利点です。

さらに、福利厚生の充実は企業のイメージアップにつながるため、採用活動においても大きな強みとなり、優秀な人材を獲得しやすくなります。

こうした好循環を生み出そうと近年、福利厚生を会社の成長につなげるための重要な施策と考える企業が増えています。

2. 法定福利厚生と法定外福利厚生

福利厚生には、法律で義務付けられているものと、そうでないものがあります。

法定福利厚生
~法律によって企業に義務付けられている~

法定福利厚生は、法律で義務付けられているものです。

健康保険

健康保険は、業務外の病気やケガなどで治療が必要になった際に、従業員(被保険者)の実費負担を軽減するための公的な医療制度です。従業員が加入する健康保険は、運営する保険者によって「組合健保」「協会けんぽ」のいずれかに分かれます。従業員の家族(被扶養者)も給付を受けることができます。

厚生年金保険

厚生年金保険は、会社で働く従業員が加入する公的年金制度です。厚生年金保険に加入していると、国民年金に上乗せする形で年金が支給されます。建物の構造に例えると、20歳以上60歳未満の国民が全員加入する国民年金が1階部分にあたり、厚生年金保険は2階部分ということができます。

介護保険

介護保険は、介護が必要となった高齢者やその家族を皆で支えていくための保険です。40歳以上の従業員は、健康保険に加えて介護保険に加入する必要があります。

雇用保険

雇用保険は、従業員が失業した場合に給付するほか、再就職を支援する制度です。失業給付がこれにあたります。雇用保険料は、企業と従業員でそれぞれ負担する割合が決められています。

労災保険

労災保険は正式名称を「労働者災害補償保険」といい、従業員が業務中に病気やケガをした際に一定の費用を給付する制度です。労災保険料は企業が全額を負担します。

雇用保険と労災保険の二つを合わせて「労働保険」と呼びます。また、健康保険・厚生年金保険・介護保険と労働保険を合わせた総称として、社会保険と呼ばれることもあります。

子ども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金は、児童手当や子育て支援事業などのために企業が納めるものです。被保険者の標準月額報酬および標準賞与額をもとに算出し、企業が全額を負担します。

把握していますか?社会保険の基礎知識
社会保険は、新社会人を中心に多くの従業員から質問が寄せられる制度です。ここでは諸制度の基礎知識を解説していますので、質問に答えるための参考としてください。

社会保険とは|日本の人事部

労働保険とは|日本の人事部

厚生年金保険とは|日本の人事部

介護保険とは|日本の人事部

健康保険とは|日本の人事部

法定外福利厚生
~企業が独自に設定できる~

法定外福利厚生は、法律で義務付けられたものではなく、企業が任意に定めているものです。代表的なものとして、賃金にプラスして支給される各種手当や特別休暇、社宅、健康診断などが該当します。

企業によって内容が異なり、近年は働き方が柔軟になっていることから、ユニークな福利厚生も増えています。

3. 法定外福利厚生の種類

企業が任意で設定できる法定外福利厚生は、従業員のニーズや目的に応じて、その種類は幅広くあります。

法定外福利厚生の八つの分類
(1) 慶弔・災害関連 (2) 休暇関連
(3) 医療・健康関連 (4) 住宅関連
(5) 文化・体育・レクリエーション関連 (6) 勤務時間関連
(7) 財産形成関連 (8) 自己啓発・能力開発関連

※分類においては、下記資料を使用しています。
企業における福利厚生施策の実態に関する調査|労働政策研究・研修機構

(1) 慶弔・災害関連

お祝い事やお悔やみ事、災害による被害などに対する福利厚生です。多くの企業が導入している福利厚生の一つであり、主な制度としては下記のものが該当します。

・ 弔慰金 ・ 結婚、出産祝い金
・ 遺族年金 ・ 遺児年金
・ 災害見舞金 ・ 永年勤続表彰

(2) 休暇関連

年次有給休暇や産前産後休暇などの一部の休暇以外は、企業が独自に定めてよい法定外休暇です。従業員が心身をリフレッシュさせ、仕事へのモチベーションを維持するためにも休暇関連は重要な福利厚生です。

・ 病気休職 ・ 病気休暇
・ リフレッシュ休暇 ・ ボランティア休暇
・ 慶弔休暇 ・ 夏季特別休暇
・ 年末年始特別休暇

(3) 医療・健康関連

医療・健康の分野は、従業員の体調管理や健康保持増進に欠かせない福利厚生です。労働安全衛生法が改正され、2015年からは従業員へのストレスチェックが義務化されました。社会全体でメンタルヘルスケアを重視する動きが進んでおり、今後さらに力を入れる企業が増えることが予想される分野です。

・ 健康診断の補助 ・ 人間ドックの補助
・ ストレスチェック ・ メンタルヘルス相談
・ 運動施設、フィットネスクラブの利用補助

(4) 住宅関連

住宅関連は人気が高く、メジャーな福利厚生の一つです。金額や支給条件は法律で定められておらず、企業が自由に決めることができます。しかし、住宅関連は生活に直結するため従業員のニーズが高く、法定外福利厚生費の中でも大きな費用を占める傾向があります。日本経済団体連合会がまとめた2019年度の「福利厚生費調査結果報告」によると、法定外福利厚生の中で住宅関連の占める割合は48.2%。1人1ヵ月当たりの平均は11,639円となっています。

住宅関連の主な福利厚生は下記の通りです。

・ 社宅 ・ 社員寮
・ 住宅手当の支給 ・ 持ち家補助

参照:第64回福利厚生費調査結果報告|経団連

(5) 文化・体育・レクリエーション関連

業務以外に交流の場を設けることで、従業員同士の親睦が深まり、社内全体のコミュニケーションを活発化させる目的があります。また、楽しく健康維持ができるメリットもあります。

文化・体育・レクリエーション関係の福利厚生として代表的なものは、下記の通りです。

・ 保養施設、運動施設などの利用 ・ 社内運動会などレクリエーション活動の実施
・ 交流、親睦会などの補助 ・ 歓送迎会、忘新年会の実施、補助
・ 社員旅行の実施、補助

(6) 勤務時間関連

勤務時間関連の福利厚生は、働く時間を流動的にし、柔軟な働き方を可能にするための制度です。働き方改革や新型コロナウイルスの流行も相まって、特に注目されている福利厚生の一つといえます。

勤務時間関連の主な福利厚生は、下記の通りです。

・ 短時間勤務 ・ フレックスタイム
・ テレワーク ・ ノー残業デー
・ 時差出勤

※労働時間に関する変更は、就業規則の変更など手続きが必要です。

(7) 財産形成関連

財産形成関連では、従業員の資産形成・運用をサポートすることを目的とした制度、取り組みがあり、従業員とその家族の将来的な安心につながります。

・ 財形貯蓄制度 ・ 社内預金制度
・ 従業員持株会 ・ ストックオプション制度
・ 住宅取得のための融資制度 ・ 金融関係の相談やセミナー
・ 教育や結婚などのライフイベントに対する貸付

(8) 自己啓発・能力開発関連

従業員の自己啓発や能力開発につなげようと、新たな知識・スキル獲得を後押しする福利厚生を用意する企業もあります。人材の成長は、組織としての生産性アップにもつながります。また、従業員にとっては、スキルや知識を身に付けることでキャリアの幅が広がり、将来設計にも役立つでしょう。

・ 資格取得の支援 ・ 自己啓発プログラムの提供
・ 社外の自己啓発サービスの提供、費用補助 ・ 図書購入費用の補助
・ 自己啓発のための休暇の付与 ・ 海外研修制度

(9) その他

ここまで紹介してきた福利厚生以外にも、以下のような法定外福利厚生があります。

・ 食堂 ・ 食事手当
・ 外食で利用できる食事券の配布 ・ 法定を超える育児休業
・ 企業内保育施設や保育サービス、情報提供 ・ 法定を超える介護休業制度
・ 介護施設やサービス、情報提供 ・ 治療と仕事の両立支援策
・ セミナーなどの退職前準備教育 ・ 定年退職後の医療保障
・ 定年退職後の保養施設、レクリエーション施設の利用 ・ OB会など定年退職後の親睦活動

食事に関する福利厚生を実施している企業があります。栄養バランスの良い食事をとることによる健康増進、食事にかける費用負担の軽減による従業員の満足度アップなどが期待できます。

また、育児や介護と仕事の両立を支援するための福利厚生も増えています。仕事と家庭の両立は、企業の支援がなければ難しく、サポートがあれば従業員とその家族の心の安定にもつながるでしょう。このほかにも、ユニークな法定外福利厚生を設けている企業が増えています。

4. 福利厚生を導入するメリット・デメリット

福利厚生は、企業と従業員に大きなメリットをもたらす一方で、デメリットもあります。福利厚生を効率的に導入・運用するためには、メリット・デメリットを整理しておくことが重要です。

福利厚生を導入するメリット

福利厚生を導入するメリットは、下記の通りです。

【メリット(1)】人材の定着

福利厚生を充実させることは、人材の定着に効果があります。

厚生労働省の「令和3年雇用動向調査」によると、退職理由として男女ともに上位に挙がっているものが「労働条件が悪い」「給与などの収入が少ない」といった、待遇面に関するものです。

このことから、福利厚生の導入によって待遇面の改善を図ることは、離職率の低下につながるといえるでしょう。例えば、フレックスタイムの導入による柔軟な働き方の実現、手当の支給による収入の補填などが挙げられます。実際に、高い離職率に悩んでいた企業が、休暇や在宅勤務、手当の導入などにより、人材の定着に成功した事例もあります。

次々と従業員が辞めていく状況は、組織内の雰囲気を悪化させ、従業員のモチベーション低下につながる可能性を高めます。福利厚生を活用して人材を確保することは、組織全体の生産性アップにもつながるといえるでしょう。

なお、従業員のニーズを満たす福利厚生でなければ、人材定着にはつながりません。自社の従業員がどのような福利厚生を求めているのかを、正確に把握することが重要です。

参照:令和3年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

【メリット(2)】企業のブランディング

福利厚生を充実させることは企業のイメージアップにつながるため、求職者へのブランディング効果も期待できます。

近年は、ワーク・ライフ・バランスが重視されていることもあり、福利厚生は求職者が企業を選ぶ際の重要なポイントとなっています。福利厚生の充実は、人材募集において企業の大きな強みとなるでしょう。人材確保の面で福利厚生を戦略的に活用できれば、優秀な人材を獲得しやすくなるメリットがあるのです。

【メリット(3)】健康経営の推進

休暇やレクリエーション、健康診断や運動施設利用などの福利厚生は、従業員の健康増進にも効果があります。

近年は、ストレス社会ともいわれており、従業員の心身への負担を軽減することは、企業の大きな役割の一つです。実際に、仕事で労働者がメンタルに支障をきたす場合も多くなっています。心身の不調は、従業員とその家族への負担となるだけでなく、組織全体の生産性低下にもつながりかねません。仮に従業員の不調に伴って新しい人材を確保する必要が生じれば、その分のコストや労力もかかります。

フィットネスクラブや健康指導などは、費用がかからなければ利用するという人が多いでしょう。福利厚生として企業が補助することで、従業員が積極的に健康関連の制度を利用し、自分自身の健康管理に興味を持つきっかけとなることも期待できます。

福利厚生を導入するデメリット

福利厚生の導入によって得られるものはメリットだけではありません。福利厚生を導入することで、以下のようなデメリットが発生する可能性があります。

【デメリット(1)】費用対効果が見えにくい

福利厚生による効果は数値ではっきりと出るわけではないため、費用対効果が見えにくい点がデメリットとして挙げられます。費用対効果が見えにくいからこそ、福利厚生導入後の従業員や組織の様子に目を配り、変化を捉えることが重要です。

【デメリット(2)】定期的な見直しが必要

導入後も定期的に内容を見直しながら、従業員のニーズに応じた福利厚生を運用し続ける必要があります。福利厚生は、一度導入したら終わりではないのです。

会社の成長や従業員の入退社、ライフスタイルの変化などによって従業員が求める福利厚生は変わります。福利厚生を用意しても従業員が使わないものであれば、コストと手間がかかるだけの無意味なものになりかねません。その時々で従業員の満足度を高められるよう、継続的に福利厚生の内容を見直すことが必要です。

【デメリット(3)】従業員によって利用率に差が出る

福利厚生は、従業員の好みや家族状況、ライフスタイルなどに応じて利用率に差が出てしまいます。

福利厚生を利用しない従業員が、利用している従業員との格差や不満を感じる可能性があります。また、自分が利用していない福利厚生にばかり会社の予算が使われていると、その分を給与に充ててほしいと不満が出る場合もあります。福利厚生の導入によって従業員が不満をためないよう、対策をとることが必要です。

5. 福利厚生に関する法律

福利厚生を適切に導入・運用するためには、関連する法律を理解しておくことが重要です。法定福利厚生と法定外福利厚生に分けて見ていきます。

法定福利厚生に関する法律

法定福利厚生は法律によって義務付けられているため、直接的に法律の影響を受けます。各項目において関連する法律は、下記の通りです。

健康保険

関連する法律:健康保険法

健康保険は、法人の事業所であれば規模にかかわらず加入する必要があります。保険料は事業主と従業員(被保険者)で1/2ずつ負担します。

健康保険の給付があるのは、以下の場合です。

【療養の給付】
業務災害以外の事由で病気にかかった場合や、ケガをしたときに支給されます。家族(被扶養者)も同様で、家族療養費として給付を受けることができます。

【傷病手当金】
病気やケガのため療養が必要となり休業する場合、その間の生活を保障するために給付されます。傷病手当金の給付にあたっては休業期間中に給与が支払われていないこと、連続する3日間を含み4日間以上休業していること、医師の診断書を提出することなど、いくつかの条件があります。

参照:「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)| 全国健康保険協会」

【高額療養費】
医療費の自己負担額が一定以上となった場合に、後から払い戻しを受けることができます。所得によって自己負担の限度額が定められています。

【療養費】
やむを得ない事情で医療費を全額負担した場合などに、後から払い戻しを受けることができます。また、海外旅行で現地の医療機関にかかった場合は、海外療養費として一部払い戻しを受けることができます。

【出産育児一時金・出産手当金】
子どもが生まれると出産育児一時金として、1児につき42万円が支給されます。出産により休業し、その間の給与が支払われない場合は出産手当金が支給されます。出産日前42日から出産翌日後56日目までの範囲が対象です。

【埋葬料】
被保険者が死亡した場合、埋葬を行う家族に5万円が支給されます。被扶養者が死亡した場合は、被保険者に5万円の家族埋葬料が支給されます。

厚生年金保険

関連する法律:厚生年金保険法

厚生年金保険は、健康保険と同様に法人の事業所であれば加入する必要がある制度です。保険料は、事業主と従業員(被保険者)で折半します。

厚生年金に加入している場合、基礎年金である国民年金にも加入していることとなります。受給条件を満たした場合は、国民年金と厚生年金両方の給付を受けることができます。

給付される厚生年金は、大きく分けて下記の3種類です。

【老齢年金】
老齢年金は、老後の生活を支えるために支給されるもの。一定の条件を満たした場合、65歳から老齢基礎年金が支給されます。厚生年金保険に加入していて、老齢基礎年金の受給資格がある場合は、老齢厚生年金が支給されます。

【障害年金】
障害年金は、病気やケガによって障がいが残り、収入を得られなくなった場合に支給されます。給付については、支給要件や障害認定が定められています。

【遺族年金】
被保険者が死亡した場合、配偶者または子どもに対して支払われます。

なお、健康保険・厚生年金保険はどちらも、出産・育児休業期間中、事業主・従業員ともに保険料が免除される制度があります。

介護保険

関連する法律:介護保険法

介護保険は、介護保険法によって義務付けられており、市区町村が運営しています。40歳以上は加入が必須であり、保険料は事業主と従業員での折半です。被保険者は、市区町村が定める要介護要件に該当する場合に、介護サービスを一部の費用負担で利用することができます。

雇用保険

関連する法律:雇用保険法

雇用保険は、パート・アルバイトなどの非正規雇用を含め、1人以上雇用している場合は適用事業所となります。保険料は、従業員と事業主でそれぞれ負担率が決められています。

雇用保険の給付は、求職者、就業者、事業主の三つに対して行われ、詳細は下記の通りです。

【求職者への給付】
いわゆる失業手当と呼ばれるもので、求職活動を行っている失業者に一定期間支給される基本手当があります。このほか、技能習得手当などの再就職を支援する給付金があります。

【就業者への給付】
高齢者や、育児や介護で休業している労働者の生活を守るための給付金です。高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付があり、それぞれに受給要件が定められています。

【事業主への給付】
雇用保険では、雇用の継続が困難となっている事業主に対しても助成金・給付金を支給して安定雇用を図っています。高齢者や障がい者、シングルマザーなどを雇用した場合には特定就職困難者雇用開発助成金が支給されます。非正規雇用労働者のキャリアアップに取り組んでいる企業にはキャリアアップ助成金、技能・知識が不足しているため就職が難しい求職者を試行で雇用した際にはトライアル雇用助成金が支給されます。

労災保険

関連する法律:労働者災害補償保険法

労災保険は、業務中・通勤途上の事故や災害によるケガや病気のほか、万が一亡くなった場合は遺族に対する給付も行います。事業規模にかかわらず、全ての事業主に加入が義務付けられており、保険料は事業主の全額負担です。労災の認定は非正規雇用を含め、全ての従業員に適用されます。

労災保険の給付金には以下のものがあります。

療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、傷病補償年金、遺族補償給付、介護補償給付、葬祭給付

子ども・子育て拠出金

関連する法律:子ども・子育て支援法

子ども・子育て拠出金は、事業主の全額負担となっています。また、子どもの有無にかかわらず、厚生年金保険に加入している従業員を対象に納付する額を算出します。なお、以前は児童手当拠出金という名称でした。

拠出金は、以下のものに充てられます。

児童手当事業、 地域子ども・子育て支援事業、 仕事・子育て両立支援事業

法定外福利厚生に関する法律

法定外福利厚生は企業が独自に設定できるものです。法律とは関係ないように思われますが、正しく運用するためにはいくつかの法律を理解しておくことが重要です。

下記は、法定外福利厚生に影響する法律の一例です。

男女雇用機会均等法

男女雇用機会均等法は、労働者雇用における男女差別の禁止を定めた法律です。これは福利厚生においても例外ではなく、性別を理由として差別的な取り扱いをしてはいけません。例えば、フィットネスクラブの利用を男性のみに限定する、メンタルヘルス相談を女性のみとするなど、性別を理由として従業員に不利益が生じることは避ける必要があります。

労働基準法

労働基準法は、労働者を保護するために、労働条件の最低基準などを定めた法律です。例えば、「社内預金」に関する事項に関わります。社内預金とは、従業員の給料の一部を金融機関などよりも良い条件のもと、社内で貯蓄することです。労働基準法では、社内預金をしなければ雇用しないなど、労働契約に付随させて強制的に貯蓄することを禁止しています。また、厚生労働省令で決められている下限利率を下回る利率を設定することはできません。

労働契約法

労働契約法は、労働契約についての基本的事項が明記された法律です。この中でも、特に就業規則の不利益変更に注意する必要があります。福利厚生については、全労働者に適用する場合、就業規則に明記することが望ましいとされています。そのため、福利厚生を定めた就業規則を改正する場合は、従業員の同意を得るなど、不利益変更とならないような所定の手続きが必要です。

パートタイム・有期雇用労働法

パートタイム・有期雇用労働法は、同一企業内における正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇格差を是正するための法律です。この法律は、賃金だけでなく福利厚生や教育訓練についても適用されます。そのため、「パートタイム労働者だから」などと雇用上の身分を理由に福利厚生の適用に格差を設けてはいけません。

格差を設ける場合は、業務内容や責任の度合い、配置変更の範囲などから合理性・妥当性を判断する必要があります。

その他の法律

そのほかにも、退職給付についての「中小企業退職金共済法」や、「育児・介護休業法」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)など、さまざまな法律が法定外福利厚生に影響を与えます。

企業にとって任意の法定外福利厚生であっても、導入時には関連する法令について、しっかりと調べることが重要です。

6. 福利厚生のアウトソーシングサービス

福利厚生を自社で独自に設定せず、外部の企業などに委託することもできます。最近は、多くの企業が福利厚生のアウトソーシングサービスを利用しています。主要なアウトソーシングサービスとして有名なものが、パッケージプランとカフェテリアプランです。それぞれの概要や利用するメリットは次の通りです。

パッケージプラン

パッケージプランとは、あらかじめ福利厚生の内容がパッケージ化されており、企業が従業員1人当たりの利用金額を支払うことで利用できるプランです。

メニューを決める必要がなく導入・運営にかかる手間が省け、手軽に福利厚生を始められるメリットがあります。

一方で、企業が自由に福利厚生をカスタマイズできず、従業員によっては利用したい福利厚生がない場合があることがデメリットといえるでしょう。

カフェテリアプラン

カフェテリアプランは、企業から従業員に付与されるポイントを使って、提携先の福利厚生メニューを自由に利用できるサービスです。メニューは企業ごとにカスタマイズすることも可能です。

カフェテリアプランは、従業員一人ひとりの好みやライフスタイルに応じた福利厚生メニューを選択できるため、あらゆるニーズに対応できる点がメリットだといえます。

一方で、使っていないポイントを翌年度に繰り越すことができない場合が多く、自分のペースで利用したい人にはデメリットに感じてしまうかもしれません。

従業員満足度を高める、カスタマイズ可能な福利厚生
『日本の人事部』では、カフェテリアプランのサービス概要を整理。導入するメリット・デメリットや、サービスの比較、選び方のポイントについて紹介します。

社員の多様なニーズに対応できる! カフェテリアプランの傾向と選び方|日本の人事部

福利厚生を戦略的に活用する時代
専門特化し、内容の濃いサービスを提供している福利厚生アウトソーシング企業。サービス内容の傾向を解説します。

福利厚生アウトソーシングサービスの現状と傾向|日本の人事部

従業員のニーズを把握した上で福利厚生を導入しよう

従業員の満足度向上につながるような、必要性の高い福利厚生を導入するためには、従業員の傾向や風潮、社会の動きなどから、組織のニーズを把握することが大事です。

また、一度捉えたニーズも人材や社会の移り変わりとともに、次々と変化します。福利厚生を長期的に活用するためには、変化に合わせて柔軟に対応することが大きなポイントです。限られた予算の中で、従業員の満足度を可能な限り高めるためにも、組織や社会に幅広く目を向けながら多様化するニーズに応えることが重要です。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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カフェテリアプラン

cafeteria plan。カフェテリアで好きな飲み物や料理を選ぶように、社員が会社から事前に与えられた一定のポイント(予算)の範囲内で、住宅、医療、介護、育児、自己啓発、リフレッシュなどの中から、自分の好みにあった福利厚生メニューを自由に選んで利用する「選択型福利厚生制度」のことです。1980年代に米国で広まりましたが、日本でも従業員の多様なニーズへの対応などを目的に、導入する企業が増えています。