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【ヨミ】フクリコウセイ 福利厚生

福利厚生とは、幸福と利益を表す「福利」と、健康で豊かな生活を表す「厚生」の二つからできた言葉です。つまり、幸福で有益かつ健康で豊かな生活を実現することを意味します。言葉の通り、福利厚生の目的は従業員が安心して働くことができ、健康で豊かな生活をおくれるよう、支援していくことです。

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1.福利厚生とは

福利厚生の目的

福利厚生の目的は、次のように整理することができます。

  • 従業員の生活を安定させること
  • 安心して働ける労働条件・環境を整えること
  • 従業員やその家族の福祉を向上させること

これらの要素が満たされれば、従業員満足度が向上し、勤労意欲につながります。企業にとっては、定着率が上がり労働力を確保できるというメリットを享受することができます。また、企業のイメージアップにつながるため、採用活動においても大きな強みとなり、優秀な人材を獲得しやすくなります。こうした好循環を生み出すため、近年は、福利厚生制度を会社の成長につなげるための重要な施策として捉える企業が増えています。

福利厚生を構成する要素

福利厚生制度は、賃金や労働時間といった労働条件とは別に、従業員の生活福祉の向上を目指すものでもあります。大きくは、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の二つの種類に分類されます。

法定福利厚生とは、法律で定められている福利厚生で、以下のものが該当します。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 子ども・子育て拠出金 など

法定外福利厚生は、法律で義務付けられているもの以外に、それぞれの企業で定めているものです。住宅手当や通勤手当、育児支援、財形貯蓄制度などがこれにあたり、従業員の豊かな生活の実現を目指して企業が独自に提供しています。

近年の福利厚生の動向

従来の福利厚生では、持ち家援助、寮・社宅の設置、給食の提供など、生活に直接影響するものへの支援が目立ちました。また、共済会のように、事故や退職、慶弔があった場合の負担を軽減するため、企業や従業員がお金を出し合う保険的な制度なども多く見られました。しかし現在は、企業が導入している福利厚生の中身が少しずつ変化しています。

日本経済団体連合会 が2017年11月に発表した「2016年度福利厚生費調査」から紹介していきます。企業が負担した法定福利費と法定外福利費の合計である福利厚生費は、2年連続で一人当たりの1ヵ月平均が11万円を超え、前年に比べて1.1%増加しています。内訳を見ると、法定福利費が前年比で1.7%増加し、従業員一人1ヵ月あたりの平均法定福利厚生費は86,622円でした。法定福利厚生費は7年連続で増加しており、過去最高額となっています。

一方、法定外福利費は、前年比で0.9%の減少でした。なかでも減少傾向が目立ったのは、法定外福利費の中でもっとも大きな割合を占めている「住宅関連」の分野で、前年比1.3%減少という結果でした。次いで大きな割合を占める「ライフサポート」分野で、前年比2.9%の減少。また、「慶弔関係」は2.5%減少、「共済会」は9.2%の減少となりました。

これとは逆に増加している項目は、健康診断やストレスチェックなどに当てられる「医療・健康」の分野で、前年比7.5%の増加となっています。医療・健康費用は法定外福利厚生の全体に占める割合が12.5%まで上昇しています。懇親・親睦活動などの「文化・体育・レクリエーション」は前年比で2.5%増加していました。これらの結果から、安定的な生活を支援するための福利厚生から、「健康経営」「ワーク・ライフ・バランス」といったキーワードを意識した福利厚生へと移行しつつあることがうかがえます。

また、他社との差別化を図りブランドイメージを構築する目的から、趣向を凝らした制度を取り入れ、福利厚生の魅力化を図る企業も多く見られるようになりました。たとえば、与えられたポイントを使って従業員が自由に福利厚生メニューを利用できる「カフェテリアプラン」はよく知られている例の一つです。このほか、短時間で成果を出すことを目指す「6時間労働制度」、昼寝をして仕事の効率を高める「お昼寝制度」など、ユニークな制度を導入している企業もあります。

このような取り組みが推進されている理由として、福利厚生に求める労働者のニーズが変化していることが挙げられます。また、政府が推進している働き方改革など、社会全体の変化も影響しているといえるでしょう。福利厚生制度は企業と従業員の双方にとって重要な意味を持つものとして、今後ますます多様化が進むと考えられます。

2.福利厚生の種類

法定福利厚生

法定福利厚生は、先述のように法律によって企業に義務付けられているものですが、その詳細は下記のとおりです。

【健康保険】

健康保険は、業務外の病気やケガなどで治療が必要になった際に、従業員(被保険者)の実費負担を軽減するための公的な医療制度です。従業員が加入する健康保険は、運営する保険者によって「組合健保」「協会けんぽ」のいずれかに分かれます。従業員の家族(被扶養者)も給付を受けることができます。企業は費用の一部を負担します。

【厚生年金保険】

厚生年金保険は、会社で働く従業員が加入する公的年金制度です。厚生年金保険に加入していると、国民年金に上乗せするかたちで年金が支給されます。建物の構造に例えると、20歳以上60歳未満の国民が全員加入する国民年金が1階部分にあたり、厚生年金保険は2階部分ということができます。企業は費用の一部を負担します。

【介護保険】

介護保険は、介護が必要となった高齢者やその家族を皆で支えていくための保険です。40歳以上の従業員は、健康保険に加えて介護保険に加入する必要があります。企業は費用の一部を負担します。

【雇用保険】

雇用保険は、従業員が失業した場合や雇用目的の職業訓練を受けるための保険を給付する制度です。失業給付がこれにあたります。雇用保険料率は、企業と従業員でそれぞれ負担する割合が決められています。

【労災保険】

労災保険は正式名法を「労働者災害補償保険」といい、従業員が業務中に病気やケガをした際に一定の費用を給付する制度です。労災保険料は企業が全額を負担します。

雇用保険と労災保険の二つを合わせて「労働保険」と呼びます。また、健康保険・厚生年金保険・介護保険と労働保険を合わせた総称として、社会保険と呼ばれることもあります。

【子ども・子育て拠出金】

子ども・子育て拠出金は、児童手当や子育て支援事業などのために企業が納める拠出金です。被保険者の標準月額報酬および標準賞与額をもとに算出し、企業が全額を負担します。

法定外福利厚生

法定外福利厚生は、企業が任意で定めているものです。それぞれの企業が独自に実施しているため、さまざまな内容のものが提供されています。厚生労働省では、大きく以下の七つに分類しています。

【住宅関連】

住宅関連は、導入している企業が多い法定外福利外厚生の一つです。以下のものが住宅関連の福利厚生に含まれます。

  • 住宅手当
  • 持ち家補助
  • 独身寮・社有社宅
  • 借り上げ社宅

金額や支給条件は法律で定められているわけではないため、企業が自由に決めることができます。しかし、住宅関連は生活に直結するため従業員のニーズが高く、法定外福利厚生費の中でも大きな費用を占める傾向があります。日本経済団体連合会による「2016年度福利厚生費調査結果」を見ると、法定外福利厚生の中で住宅関連の占める割合は49.0%。一人1ヵ月当たりの平均は12,351円となっています。

【医療・健康関連】

法定外福利厚生費の中で、上昇傾向にあるのが医療・健康の分野です。医療・健康に含まれる福利厚生には、以下のものがあります。

  • 健康診断
  • 人間ドック
  • ストレスチェック
  • 医務室・保健衛生施設の設置
  • フィットネスクラブ・スポーツジムなどの費用補助
  • その他ヘルスケア・メンタルケアにおけるサポート

医療・健康は、政府の施策や法律の整備が進んでいる影響もあり、企業の意識が高まっている分野です。2015年には従業員のストレスチェックが義務付けられ、メンタルヘルスケアを重視する傾向が顕著に現れています。健康経営というキーワードが浸透しつつある中で、今後さらに力を入れる企業が多くなると考えられます。

【育児・介護支援関連】

少子高齢化が進み、近年、重要視されているのが育児・介護に関する法定外福利厚生で、以下のものがあります。

  • 託児・保育施設の設置
  • ベビーシッター補助
  • 時短勤務制度
  • 法定外の育児・介護休業
  • 男性社員への育児支援
  • 家族手当

仕事と家庭の両立は、企業の支援がなくては困難な局面が多々あります。産休・育休、介護休業は法律でも規定されていますが、これを補うかたちで法定外福利厚生制度を設け、体制を整える企業が見られるようになりました。2016年に「女性活躍推進法」が施行されたことを受け、働きやすい職場づくりへの取り組みはさらに進んでいくと見られています。

【慶弔・災害関連】

慶弔・災害関連は、導入している企業が多い法定外福利厚生の一つで、下記のものが該当します。

  • 弔慰金
  • 結婚・出産祝い金
  • 災害見舞金
  • 遺族年金
  • 遺児年金
  • 遺児育英年金
【文化・体育・レクリエーション関連】

業務以外に交流の場を設けることで、従業員同士の親睦やコミュニケーションを深めたり、健康維持に役立てたりといった目的があります。以下のものが当てはまります。

  • 余暇施設(運動施設・保養所など)の利用
  • スポーツや文化に関わる活動の補助
  • 交流・親睦会などの補助
  • 歓送迎会・忘新年会の補助
  • 社員旅行

近年では、社員旅行や施設を自社で運営するといった大規模なものは減少し、個々のニーズに合わせてレクリエーション活動を補助する内容の福利厚生が増加傾向にあります。

【自己啓発・能力開発関連】

従業員の成長やスキルアップを支援する福利厚生で、以下のものがあります。

  • 資格取得の支援
  • 通信教育の提供・補助
  • 図書購入費用の補助
  • セミナー参加費用の補助
  • 海外研修制度

実際の業務に役立つものだけでなく、多方面から自分自身を磨いてステップアップしたいという従業員の声に応える内容も多く見られます。これまで生活の安定を目的とした福利厚生が中心となっていたのに対し、自分自身の成長による自己実現への欲求が現れている項目といえるでしょう。人材の成長につながるため、ユニークな施策を導入する企業も見られ、今後さらに独自性が強まっていく分野といえます。

【財産形成関連】

従業員の資産形成・運用をサポートする福利厚生で、以下のものがあります。

【その他の法定外福利厚生】

これまで紹介してきたもの以外にも、さまざまなものが法定外福利厚生に含まれます。

  • 社員食堂・食事手当
  • 送迎バス・駐車場
  • 制服・ユニフォームの提供
  • 法定外の休暇 など

従業員の食事に関するものとして、社員食堂・食事手当があります。栄養バランスに配慮した社員食堂を運営するなど、従業員の健康管理に努める企業も見られます。また、ワーク・ライフ・バランスを重視し、法定外の休暇制度を充実させているケースもあります。最近では、リフレッシュ休暇・バースデー休暇・アニバーサリー休暇・失恋休暇など、ユニークな制度を取り入れることで注目を集める企業も増えています。

3.福利厚生に関する法律

福利厚生を導入する際は、法律をしっかり認識しておくことが重要です。法律で規定されている「法定福利厚生」と、企業が任意に定めている「法定外福利厚生」に分けて見ていきます。

健康保険

健康保険は、ケガや病気、出産、死亡といった事態に備えるためのもので、健康保険法により定められています。法人の事業所は、規模にかかわらず健康保険に加入する必要があります。保険料は事業主と従業員(被保険者)で1/2ずつ負担します。

健康保険の給付があるのは、以下の場合です。

【療養の給付】

業務災害以外の事由で病気にかかった場合や、ケガをしたときに支給されます。家族(被扶養者)も同様で、家族療養費として給付を受けることができます。

【傷病手当金】

病気やケガのため療養が必要となり休業する場合、その間の生活を保障するために給付されます。傷病手当金の給付にあたっては、休業期間中の給与が支払われていないこと、連続して4日間以上休業していること、医師の診断書が必要になることなど、いくつかの条件があります。

【高額療養費】

医療費の自己負担額が一定以上となった場合に、後から払い戻しを受けることができます。所得によって自己負担の限度額が定められています。

【療養費】

やむを得ない事情で医療費を全額負担した場合などに、後から払い戻しを受けることができます。また、海外旅行で現地の医療機関にかかった場合は、海外療養費として一部払い戻しを受けることができます。

【出産育児一時金・出産手当金】

子どもが生まれると出産育児一時金として、1児につき42万円が支給されます。出産により休業し、その間の給与が支払われない場合は出産手当金が支給されます。出産日前42日から出産翌日後56日目までの範囲が対象です。

【埋葬料】

被保険者が死亡した場合、埋葬を行う家族に5万円が支給されます。被扶養者が死亡した場合は、被保険者に5万円の家族埋葬料が支給されます。

【厚生年金保険】

厚生年金保険は、収入を得られなくなったときに生活を支えることを目的とした年金制度です。厚生年金保険法によって定められており、法人の事業所はすべて厚生年金保険に加入する必要があります。保険料は事業主と従業員(被保険者)で折半します。厚生年金に加入している場合、基礎年金である国民年金にも加入していることになります。受給条件を満たした場合は、国民年金と厚生年金両方の給付を受けることができます。

厚生年金の給付は、大きく以下の三つです。

【老齢年金】

老齢年金は、老後の生活を支えるために支給されます。対象期間が25年以上ある場合、65歳から老齢基礎年金が支給されます。厚生年金保険に加入していて、老齢基礎年金の受給資格がある場合は、老齢厚生年金が支給されます。

【障害年金】

障害年金は、病気やケガによって障害が残り、収入を得られなくなった場合に支給されます。給付については、支給要件や障害認定が定められています。

【遺族年金】

被保険者が死亡した場合、配偶者または子どもに対して支払われます。

健康保険・厚生年金保険のどちらも、出産・育児休業期間中は事業主・従業員ともに保険料が免除される制度があります。

介護保険

介護保険は、高齢者など介護が必要な人やその家族を支えるための保険で、市区町村が運営しています。40歳以上は加入が必須で、保険料は事業主と従業員で折半します。市区町村が定める要介護要件に該当する場合に、介護サービスを一部の費用負担で利用することができます。

雇用保険

雇用保険は、労働者の安定雇用を目指すもので、失業や育児、介護により収入が減った場合に生活を守る目的もあります。パート・アルバイトなどの非正規雇用を含め、一人以上雇用している場合は適用事業所となります。保険料は、従業員と事業主でそれぞれ負担率が決められています。

雇用保険の給付は、求職者、就業者、事業主の三つに対して行われます。

【求職者への給付】

いわゆる失業手当と呼ばれるもので、求職活動を行っている失業者に一定期間支給される基本手当があります。このほか、技能習得手当など再就職を支援する給付金がいろいろとあります。

【就業者への給付】

高齢者や、育児や介護で休業している労働者の生活を守るための給付金です。高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付があり、それぞれに受給要件が定められています。

【事業主への給付】

雇用保険では、雇用の継続が困難となっている事業主に対しても助成金・給付金を支給して安定雇用を図っています。高齢者や障がい者、シングルマザーなどを雇用した場合には特定就職困難者雇用開発助成金が支給されます。非正規雇用労働者のキャリアアップに取り組んでいる企業にはキャリアアップ支援金、技能・知識が不足しているため就職が難しい求職者を試行で雇用した際にはトライアル雇用奨励金が支給されます。

労災保険

労災保険は、業務中の事故や災害によるケガや病気に対して保障する制度で、従業員の社会復帰を助けることが目的です。万が一、亡くなった場合は遺族に対する援助も行います。事業規模にかかわらず、すべての事業主の加入が義務付けられており、保険料は事業主が全額負担します。労災の認定は非正規雇用を含め、すべての従業員に適用されます。

労災保険の給付金には以下のものがあります。

  • 療養補償給付
  • 休業補償給付
  • 障害補償給付
  • 傷病補償年金
  • 遺族補償給付
  • 介護補償給付
  • 葬祭給付

子ども・子育て拠出金

子ども・子育て拠出金は、以前は児童手当拠出金と呼ばれていたもので、子育てを支援することを目的とした制度です。事業主の全額負担となっており、子どもの有無にかかわらず、厚生年金保険に加入している従業員を対象に算出します。拠出金率は2018年4月分より、これまでの0.23%から0.29%に引き上げられました。

拠出金は、以下のものに当てられます。

  • 児童手当事業
  • 地域子ども・子育て支援事業
  • 仕事・子育て両立支援事業

法定外福利厚生に関する法律

法定外福利厚生は、法律で加入が義務付けられているものではありません。そのため、一見、法律とは関係ないように思われますが、いくつかの法律の影響を受けます。法定福利外厚生が影響を受ける主な法律は、「男女雇用機会均等法」(雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保等に関する法律)と「労働基準法」の二つです。

男女雇用機会均等法は、労働者における男女差別を禁止している法律です。もちろん、法定外福利厚生についても男女差別をすると、この法律に抵触することになります。労働基準法は、労働者を保護するため、労働条件の最低基準などを定めた法律です。この法律の内容は多岐に渡るため、法定外福利厚生を検討する際には注意が必要です。

たとえば、「社内預金」に関する事項です。社内預金とは、従業員の給料の一部を金融機関などよりも良い条件のもと、社内で貯蓄する制度のことです。労働基準法では、社内預金をしなければ雇用しないなど、労働契約に付随して強制的に行うことを禁止しています。また、厚生労働省令で決められている下限利率を下回る利率を設定することはできません。

その他にも、退職給付についての「中小企業退職金共済法」や、「育児・介護休業法」(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)など、さまざまな法律が法定外福利厚生に影響を与えます。企業が任意に行う法定外福利厚生であっても、導入時には関連する法令について、しっかりと調べることが重要です。

4.福利厚生の見通し・課題

今日における福利厚生の持つ意味

これまでの福利厚生は、従業員の豊かな生活を経済的な側面から補助するものが中心でした。しかし、社会の変化やライフスタイルの多様化が進むとともに、福利厚生に求められるニーズは変化しつつあります。

働き方改革が唱えられ、ワーク・ライフ・バランスや健康経営、女性活躍推進といったキーワードに注目が集まると同時に、企業がどのような福利厚生を提供しているかを注視する傾向も強まっています。これは、福利厚生がたんに生活支援のためのものではなく、従業員一人ひとりの自己実現を支援していくものとして、その位置付けが変わりつつあることを示しているといえるでしょう。

企業においても、定着率を維持するための施策という捉え方から、企業イメージの向上、従業員のロイヤルティ形成、生産性の向上といった戦略性を帯びたものへと変わりつつあります。これまでは横並びの印象があった福利厚生ですが、企業の個性や独自性を打ち出す差別化施策としての意味合いを強く持ち始めているといえます。

アウトソーシングの活用

制度を整え、従業員の多様化するニーズに応えていくのは容易なことではありません。そこで検討したいのが、福利厚生を外部に委託するアウトソーシングです。福利厚生のアウトソーシングには、大きく2タイプあります。さまざまな種類のサービスを定額で利用できるパッケージ化されたプランと、ポイント制で従業員が自分に合った福利厚生を選べるカフェテリアプランです。

外部のサービスを利用するため、社内の調整や管理にかかるパワーを削減できることが、アウトソーシングの大きなメリットです。また、すでにサービス体制が整っているために短期間で実施できることや、サービス内容が豊富なために中小企業でも充実した福利厚生を提供できることなども魅力です。サービスを提供している企業は多くの会員を保有して運営しているため、自社のみで運用するよりも外部の施設やサービスを割安で利用できることが多くなっています。

福利厚生の充実を図りたいものの、さまざまな要因がネックとなって進まないという企業は、一度検討してみてもよいでしょう。

戦略的な福利厚生に向けて

福利厚生は会社の成長のために必要不可欠な要素ですが、社会保険などの法定福利厚生費が増加傾向にある中、限られた予算内で従業員のニーズに対応していかなくてはなりません。そのため、時代や環境の変化に合わせ、戦略的に福利厚生を導入していく必要があります。

自社の独自性やユニークな施策を打ち出して、従業員のニーズに応えている企業に共通するのは、企業イメージに対する明確なコンセプトを持っていることです。また、導入後は従業員の利用率や満足度といった結果を検証し、常に見直しを図っていくことも好循環をつくる上でのポイントになります。多様化するニーズに応え、企業の成長につながる福利厚生を目指すには、従業員一人ひとりの声にしっかり耳を傾けるところから始める必要があるといえるでしょう。

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