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【ヨミ】コウセイネンキン 厚生年金

厚生年金とは、日本にある二つの公的年金のうちの一つです。民間で働く方は、おおむね加入していると考えてよいでしょう。厚生年金の加入手続きは企業が行い、保険料は企業と社員とが折半して支払います。厚生年金において保険料を支払っていれば、一部が国民年金に回されるので、厚生年金と国民年金の保険料を同時に支払うことはありません。保険料は標準報酬月額の18.3%(2017年9月~)と決まっています。
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1. 厚生年金とは?

厚生年金とは~国民年金の違い

厚生年金は、国民年金とならぶ、日本にある二つの公的年金のうちの一つです。国民年金は20歳から60歳未満の方が加入しますが、厚生年金は、企業で働いた時点で加入することになるので、例えば16歳でも厚生年金保険の適用を受けている会社で働いている場合は、加入することになります。ちなみに、厚生年金の場合は、国民年金よりも加入が可能な年齢が高くなり、70歳未満まで加入することができます。

  • 厚生年金:企業に雇用されれば原則加入、70歳未満まで
  • 国民年金:20歳から60歳未満の人

厚生年金の「厚生」とは、人々の幸福や福祉など、生活を豊かにするもののことを意味します。「福利厚生」の「厚生」も同じ言葉です。

厚生年金の基礎知識

年金について知識を深める上で、重要なキーワードがあります。「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」や、「1階建て」「2階建て」などのワードです。これらについて、順を追って解説していきましょう。

(1)「第〇号被保険者」という言葉の意味

年金の話をしていると、よく聞くのが「第〇号被保険者」という言葉です。「第〇号被保険者」の「〇」に入る数字は、年金加入者の職業などによって変わります。

「第1号被保険者」は、自営業者や、農業者、無職の人や学生などが該当します。一言で言うと、「(配偶者も)会社に属していない人」のことです。

「第2号被保険者」は、サラリーマンや公務員など、厚生年金保険の適用を受けている会社や組織に雇われている人が該当します。厚生年金は、会社と従業員で保険料を折半する制度なので、一般に第1号被保険者よりも個人の拠出金が安くなる上、高い年金を受け取れるといわれています。

「第3号被保険者」は、「第2号被保険者」の配偶者で年収が130万円未満の人が該当します。本人が直接年金に加入していなくても、配偶者が加入していれば、年金の恩恵を受け取ることができます。

まとめると、次のようになります。

【国民年金】第1号被保険者:(配偶者も)会社に属していない人
【厚生年金】第2号被保険者:会社に属している人
【国民年金】第3号被保険者:第2号被保険者の年収130万円未満の配偶者

「〇階建て」という言葉の意味

「〇階建て」とは、いくつの年金に加入しているのか、という意味で用いられています。

「1階建て」

国民年金のことを、年金の最も基礎的なものだとして、「基礎年金」と呼ぶことがあります。「1階建て」とは、この基礎年金=国民年金だけに加入している人のことを指します。

以前は第1号被保険者の方の年金は「1階建て」でしたが、現在は多様化する第1号被保険者のニーズに応えて、「国民年金基金」という2階部分ができあがりました。

「2階建て」

「2階建て」とは、「国民年金」に加えて別の年金(基金)に加入している場合のことを言います。「2階」部分には、フリーランスや自営業者のための国民年金基金もありますが、会社員として働いている方の場合は、厚生年金のことを主に意味しています。

厚生年金の保険料には、「1階」部分の国民年金の保険料も含まれており、年金受給時には国民年金と合わせて受給することができます。

「3階建て」

「3階建て」とは、1階部分の国民年金、2階部分の厚生年金に加えて、さらに積み立てている年金のことです。主に「確定拠出年金」や「確定給付企業年金」などがあります。また、最近では自分で選択し、加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」なども注目されています。

「3階建て」の場合は、「1階建て」「2階建て」よりも受給額が多くなる傾向があります(厚生年金は年収によって将来の受給額が変わるため、一概に「3階建て」が受給額が高いとは言えません)。

以上を簡単にまとめると、次のようになります。

【1階建て】国民年金
【2階建て】国民年金基金や厚生年金など
【3階建て】確定拠出年金、確定給付企業年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)など

厚生年金と国民年金、国民年金基金の違いのまとめ

年金にはいくつか種類があり、一度聞いただけで把握するのは難しいかもしれません。簡潔にいうと、次のようになります。

「厚生年金」:企業で働いている方が加入している年金
「国民年金」:職業にかかわらず、20歳から60歳までの日本国民全員が加入している年金
「国民年金基金」:国民年金に加えて任意で加入できる2階部分の年金

「国民年金基金」とは、もともと国民年金のみの加入者(第1号被保険者)と、厚生年金の加入者(第2被保険者)の格差をなくすために設けられた年金のことです。国民年金と言葉が似ていますが、こちらは「基金」という名前がついており、別のものになります。

「基金」とは、特定の目的のために用意されているお金のことを意味するので、「国民年金」のような役割をもつお金、という意味になります。これによって、厚生年金の加入者との格差が、かなり埋められることになりました。

また、国民年金基金と厚生年金は同時に加入することができないため、国民年金基金に加入者が企業で働くことになった場合は、国民年金基金の加入資格がなくなります。

厚生年金の種類

厚生年金は細かく見ると、「老齢厚生年金」「障害厚生年金」「遺族厚生年金」の三つがあります。一般に「厚生年金」と言われるのは、老後にもらえる「老齢厚生年金」のことです。

「老齢厚生年金」

老後にもらえる厚生年金のことを「老齢厚生年金」と言います。現在では65歳以上で厚生年金保険に加入していた人が受給することができます。受給の年齢に関しては、今後さらに伸びる可能性もあります。

「障害厚生年金」

「障害厚生年金」は、厚生年金に加入している間に、何らかの障がいを持ってしまった場合に受給できる年金です。ただ、受給条件が設けられており、基本的には、その障がいを引き起こした病気やケガについて、事前に医師の診療を受けている必要があります。その他の条件としては、次のようなものがあります。

  1. 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  2. 初診日から1年6ヵ月を経過した日に障がいの状態にあるか、または65歳に達する日の前日までの間に障がいの状態があること
「遺族厚生年金」

「遺族厚生年金」とは、厚生年金の被保険者が死亡したときに、遺族(妻、夫、子、孫、父母、祖父母)が受け取ることができる年金のことを指します。ただし、「30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となる」などの一定の決まりがあります。受給の条件には、次のようなものがあります。

  1. 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき
  2. 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき

2. 厚生年金の加入条件と保険料の計算方法

続いて、厚生年金の加入条件や具体的な計算方法について見ていきましょう。

厚生年金の加入条件

厚生年金の加入条件は、厚生年金保険の適用を受けている会社(厳密には適用事業所)で働いていることです。上でも触れましたが、20歳から60歳未満が対象の国民年金とは異なり、16歳でも18歳でも70歳未満の場合であれば加入できます。

さらに、これまでは「厚生年金保険の適用を受けることができる会社」になるためには一定の条件がありましたが、2017年4月からは条件が緩和され、従業員500人以下の会社で働いている場合でも、労使で合意すれば社会保険に加入できるようになりました。

加入条件をまとめると次のようになります。

社会保険の加入対象
  1. 適用事業所に使用されている者(正社員・一般従業員)(健康保険は75歳未満、厚生年金保険は70歳未満)
  2. 1週間当たりの所定労働時間と1ヵ月当たりの所定労働日数が、一般従業員の4分の3以上の者
  3. 上記の要件を満たしていなくても、以下の全ての条件に該当する者
    • 週の所定労働時間が20時間以上
    • 継続して1年以上勤務している(もしくは勤務する見込みがある)
    • 月給が8万8000円(年収106万円)以上(*)
    • 学生ではない
    • 社会保険の対象となる従業員が501人以上の事業所に勤務している(500人以下の事業所でも、労使で合意があれば加入できる)

この106万円が「106万円の壁」に相当するものです

厚生年金保険料の計算方法~手軽に計算するためには「ねんきんネット」を利用!~

厚生年金の保険料の計算は、年金事務所で計算してもらえますが、基本的には「標準報酬月額」と「標準賞与額」に、それぞれ保険料率(18.3%)をかけて計算します。保険料率はこれまで段階的に引き上げられてきましたが、厚生労働省のWebサイトでも告知されているように、これからは18.3%で固定されることになります(※)。ここでいう「標準報酬月額」や「標準賞与額」とは、計算するために簡略化した給与の値と考えてよいでしょう。

実際の金額を確認する場合は、日本年金機構のWebサイト「ねんきんネット」などで見込額を計算することが可能です。

厚生年金の受給額の具体例

厚生労働省が紹介している事例によれば、厚生年金に40年間加入して、その期間の平均月収が42.8万円になる場合、受給額は月額約9.1万円の老齢厚生年金と、月額約6.5万円の老齢基礎年金を合計した約15.6万円になるようです。

これらの計算は年収によって変化するため、代表的な事例しか紹介することができませんが、例えば月収88,000円である場合でも、月額8,000円(+会社負担8,000円)の保険金を40年間納めていた場合は、おおよそ月額19,300円の厚生年金を亡くなるまで受け取ることができます。

同条件で1年間しか加入していなかったとしても、月額500円が亡くなるまで支給されます。国民年金プラスこの金額となるので、国民年金だけの場合よりも、確実に多く支給されるでしょう。

厚生年金の受給額の計算方法を単純化すると、

標準報酬月額×加入月数×乗数(×スライド率)

となります。月収や加入年月によって、もらえる金額が大きく変わってきます。

3. 厚生年金について従業員に聞かれたら?

特に高校や大学を卒業したての従業員の場合、「年金」は自分と関係のない遠い未来の話だと思いがちです。しかし、「障害厚生年金」や「遺族厚生年金」などは、万一の事態が起きた際には若いうちから受給することが可能です。基本的には企業に勤める全ての従業員が加入するので、従業員から厚生年金について聞かれた際に、しっかりとそのメリットやルールを伝えられるようにしておく必要があります。

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