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【ヨミ】ハラスメント ハラスメント

近年、職場における「ハラスメント」が急増し、人事管理上、深刻な問題となっています。ハラスメントは、広義には「人権侵害」を意味し、性別や年齢、職業、宗教、社会的出自、人種、民族、国籍、身体的特徴、セクシュアリティなどの属性、あるいは広く人格に関する言動などによって、相手に不快感や不利益を与え、その尊厳を傷つけることを言います。ここでは、企業の中で問題視されているハラスメントを中心に、及ぼす影響やリスク、防止するための対策などについて解説します。

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1.ハラスメントとは

相手が不快な感情を抱けばハラスメントとなる(定義)

ハラスメントとは、相手の意に反する行為によって不快な感情を抱かせることであり、「嫌がらせ」を指します。ここで重要なのは「行為者がどう思っているのかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントになる」ということ。概念としてはシンプルで分かりやすい定義ですが、人の感情は表立って現れないこともあり、「そんなつもりではなかった」などと行為者がハラスメントをしていることを理解できていないケースも少なくありません。現在は、セクシャル・ハラスメント(セクハラ)やパワー・ハラスメント(パワハラ)、モラル・ハラスメント(モラハラ)、マタニティ・ハラスメント(マタハラ)、スモーク・ハラスメント(スモハラ)など、さまざまなハラスメントが問題となっています。

近年はハラスメントに関する法律面での対応が進められており、セクハラは「男女雇用機会均等法」、マタハラは「育児・介護休業法」などにおいて具体的なハラスメントの内容が示されています。また、企業に対して「相談窓口の設置」といった防止措置を課しています。しかし、それ以外のハラスメントに関しては厳密な定義が設けられておらず、判例などの積み重ねの中で、ハラスメントとして認定されている状態です。

「プライベートに口を出す」など職務に関係のない対応、「会議に呼ばない」など業務を行う上で必要性のない行為はハラスメントに該当

では、どのような場合にハラスメントとなるのでしょうか。企業で問題となるのは、業務との関連性。特にパワハラの場合、この点が重要視されます。

セクハラは、性的な言動を相手が不快に感じるかどうかによって判断されるため、その言動自体がセクハラに該当するかどうかは大きな問題となりません。一方、パワハラの場合、受け手が不快に感じるかどうかで必ずしも判断できるものではないことが、問題を複雑化しています。業務上の命令や指導に対して受け手が不快に感じても、業務の適正な範囲で行われている場合にはパワハラに該当しないからです。過去の判例などから該当するかどうかの判断となるポイントは、「職務との関連性・業務上の必要性の有無」および「業務上、必要な範囲を逸脱していないか」となります。

例えば、「プライベートについて口を出すこと」は職務と直接関係がないため、パワハラに該当する可能性が非常に高いと言えます。また、「会議に呼ばない」「部下を無視する」「仕事を与えない」などの行為は業務上必要性がないので、明らかにパワハラに該当すると言えます。

このような職務との直接関係があるかどうかの判断は、比較的容易だと思われます。難しいのは、業務上必要と認められるが、「範囲を逸脱しているかどうか」の判断です。この点に関しては、「常識的な判断」という主観的な物差しを用いざるを得ません。そうした際にベースとなるのが、厚生労働省がまとめたパワハラを巡る六つの行為類型です。

1.身体的な攻撃 ・叩く
・殴る
・蹴る
・モノを投げる
2.精神的な攻撃 ・同僚の前で「ばか」「のろま」「辞めてしまえ」など言葉を毎日のように浴びせる
3.人間関係からの切り離し ・一人だけ別室に席を移す
・強制的に自宅待機を命じる
4.過大な要求 ・一晩では処理しきれない量の業務を命じる
・仕事のやり方が分からない新人に、他の人の仕事まで押し付けて先に帰る
5.過小な要求 ・運転手なのに、草むしりだけを命じる
・事務職なのに、倉庫業務だけを命じる
6.個の侵害 ・部下に交際相手について、執拗に問う
・部下の配偶者に対する悪口を言う

1、2、3は業務に必要だと考えられないので、パワハラに該当すると判断することが容易です。一方、判断が難しいのは、4、5、6。業務の過大な要求や過小な要求にあたるのか、また、私的なことに過度に立ち入っているのかは、状況によって判断が分かれるからです。裁判で認定されたケースを見ると、過大な要求では「先輩が他の従業員の仕事を後輩に押し付け、徹夜で仕事をさせた」という事例があります。過小な要求では「接触事故を起こしたバス運転手に、営業所長が期限を示さず、真夏に除草作業を命じた」などの事例があります。

厳しい対応でも業務上の必要性があり、客観的要素によって正当化できる場合は、ハラスメントにならない

では、ハラスメントに該当しないのはどういうケースなのでしょうか。業務を遂行させるために、合理的な理由に基づいて行われる指導や注意である限りは、基本的にハラスメント(パワハラ)には該当しません。過去の判例を見ると、「有給休暇の申請が業務上の必要性に基づき承認されなかった」「ウェートレスとして勤務するに当たり、メニューテストを複数回受けさせられた」などが、「上司によるいじめや痛がらせに該当しない」とされた事例があります。つまり、企業(上司)の行為が客観的要素によって正当化できる場合には、ハラスメントとはならないのです。

このような現場における判断の難しさなどもあり、今まで法律による規制がなかったパワハラの防止措置を、企業に義務付けるための法整備が進められています。厚生労働省では2018年11月に、「第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」の資料を公表。パワハラ防止は「喫緊の課題であり、対策を抜本的に強化することが社会的に求められている」とした上で、「防止措置を講じることを法律で義務付けるべき」と明記しました。具体的には、相談窓口の設置やパワハラ発生後の再発防止策を企業に求めるほか、罰則規定は設けない方向ですが、悪質な企業は社名を公表し、抑止効果を高めることなどが検討されています。

2.ハラスメントを取り巻く現状

近年「いじめ・嫌がらせ」が増加。ハラスメント対策は喫緊の課題

ここ数年、企業内におけるハラスメントは増加傾向にあります。「平成29年度個別労働紛争制度の施行状況」(厚生労働省)を見ると、民事上の個別労働紛争の相談件数で「いじめ・嫌がらせ」は7万2000件を超え、6年連続でトップ。自己都合退職、解雇など他の相談内容と比べると、抜きん出た結果となっています。このような状況下、ハラスメントが放置され続けられているようでは、健全な職場環境を維持することが難しく、労働生産性は低下し、有能な人材を失うことになりかねません。職場におけるハラスメント対策は、組織管理や人材流出を防ぐという観点からも、喫緊の課題となっています。

ハラスメントの種類

今日、ハラスメントと呼ばれるものには、多種多様な種類が存在します。以下、企業の活動に関係する各種ハラスメントについて、代表的なものを紹介します。

ハラスメントの種類(代表的なもの)
アルコール・ハラスメント (略称:アルハラ) 酒席などでの酔った状態における迷惑行為、本人の意に反した飲酒の強要、意図的な酔いつぶしなど、飲酒(アルコール)に関わる迷惑な発言や行動
エイジ・ハラスメント (略称:エイハラ) 年齢による差別や偏見、嫌がらせなどの行為・言動。特に、女性に対して行われるケースが多く見られる
終われ・ハラスメント (略称:オワハラ) 企業が早期内定を決める条件として、今後の就職活動の終了や選考中の企業に対しての辞退を要求するなど、就職活動中の学生に対して企業が行う強要や不利益をもたらす行為
カラオケ・ハラスメント (略称:カラハラ) カラオケが苦手な社員に対して、本人の意に反して歌うことを無理強いすること。上司が優位性のある立場を利用して行わせた場合は、パワハラと判断されることもある
ジェンダー・ハラスメント (略称:ジェンハラ) 女性、男性という理由のみで、性格や能力の評価を決め付けるなど、性に関する固定観念や差別意識に基づいた嫌がらせ行為
スモーク・ハラスメント (略称:スモハラ) 共有する空間で、本人の意志に反して煙草などの煙を吸わなければならない状況に追い込むなど、喫煙者が非喫煙者に与える害や煙草にまつわる不適当な行為
セクシャル・ハラスメント (略称:セクハラ) 性的な嫌がらせ。身体的な接触によるもの、言葉によるものがある。男性が行為者で女性が被害者であるケースに限らず、逆の場合や同性に対するケースもある
ソーシャルメディア・ハラスメント(略称:ソーハラ) フェイスブックなどソーシャルメディアに職場の人間関係が持ち込み、「いいね」や「コメント」などを無理強いし、ストレスや負荷を与える行為
テクノロジー・ハラスメント(略称:テクハラ) ITなど技術的な専門分野に秀でた人が、知識のない人に対して終始専門用語で話したり、回りくどい言い方をしたりするなど、相手を見下した言動を取ること
パワー・ハラスメント (略称:パワハラ) 職務上の地位や人間関係など、職場内における上下関係や優位性を利用し、業務の適正な範囲を超え、本人の意に反することを強要する行為・言動
マタニティ・ハラスメント (略称:マタハラ) 妊娠や出産をした女性社員に職場で嫌がらせをしたり、異動、降格・減給や自主退職の強要・雇止めを行ったりするなど、不当な扱いを行うこと
モラル・ハラスメント (略称:モラハラ) 言葉・態度・文書などにより陰湿に繰り返される、精神的な暴力や嫌がらせ
リストラ・ハラスメント (略称:リスハラ) リストラ目的の社内的ないじめ。リストラの候補者に対して嫌がらせを行うなどして、自主退職に追い詰めようとする行為

3.ハラスメントが及ぼす企業リスク

「法的責任」を問われ、立証されれば損害賠償が求められる

ハラスメントが及ぼす企業リスクとして、ハラスメントによって企業が負うことになる「法的責任」があります。例えば、ハラスメントが業務に関連して行われた結果、被害者が精神疾患に陥って退職を余儀なくされた場合、あるいは自殺に至るような事態となった場合、企業は法的責任を負うことになります。民法715条の「使用者責任」が問われ、「不法行為責任」が課されます。

なお「使用者責任」は、使用者が「不法行為」の防止のために必要な「監督責任」を尽くしている場合には免責されますが、このようなケースでは「監督責任を尽くした」との立証が非常に困難です。そのため、使用者である企業は「使用者責任」を免れることはできないと考えられます。

また、民法415条により、企業は従業員に対して労働契約上の「債務不履行責任」を負っています。つまり、労働契約を締結する際、付随的義務として従業員に対して「健康的で安全で、かつ働きやすい職場環境を提供し、維持する義務を負う」ことが求められているのです(職場環境配慮義務)。ハラスメントが多発するような職場は、とても「働きやすい職場環境」とは言えません。

このような「不法行為責任」や「債務不履行責任」などの「法的責任」が企業に求められているので、ハラスメントがあったと証明されれば、被害者が被った精神的なダメージによる損害を、企業は賠償しなければなりません。ハラスメントをきっかけに、民事紛争が生じることは会社にとっては大きなリスクであり、企業イメージや風評などの側面からも、会社の信用と信頼を揺るがす事態を引き起こす問題となります。

職場風土・人間関係が悪化し、従業員の「メンタルヘルス」にダメージを与える

ハラスメントが発生した職場では職場風土や人間関係が悪化し、従業員のメンタルヘルス(心の健康)に、大きなダメージを与えることがあります。判例を見ても、「パワハラが精神疾患(特にうつ病)を発症させた要因(の一つ)であり、これが自殺の原因となった」として、労災認定されるケースが出ています。

「静岡労基署長(日研化学)事件」(東京地裁 平成19年10月15日判決)は、パワハラによる自殺に対して初の労災認定判決を出しましたが、この裁判では上司の発言が部下にとって過大な心理的負荷となり、精神障害を発症させたと結論付けた点に大きな注目が集まりました。持続的な成長や利益を追求する会社組織において、上司と部下との間に「意見の違い」が生じることはありますが、本判例の場合、「上司とのトラブルの内容が通常予定される範囲を超える場合は、従業員に精神障害を発症させる程度に過重であると評価される」とした点がポイントと言えます。

一方で加害者である上司も、職場における信用の失墜に留まらず、懲戒処分の対象となったり、裁判に訴えられたりすることがあります。被害者に取り返しのつかない傷を負わせるばかりでなく、加害者側も大きな不利益を被ることになるわけですが、人的資源という観点で見た場合、企業にとって多大な損失です。

さまざまな人が集まる職場の中で、「被害者VS加害者」という対立構造を作り出すことは、絶対に避けなければなりません。ハラスメントが及ぼす企業リスクの観点からも、上司・部下の関係を当事者のみの問題で放置しておくことは、もはや許されない状況となっています。

4.企業におけるハラスメント対策

企業が行うハラスメント対策を考えた場合、ハラスメントを起こさないようにするための事前の「予防策」と、ハラスメントが起きてしまった時に行う「対応策」があります。以下、そのポイントを解説します。

予防策

(1)社内体制の整備

職場でハラスメントがあった場合、「内部通報制度」を通じて知るケースが一般的です。内部通報制度がある企業では、その手順に従って適正に対処していけば問題はありませんが、内部通報制度のない企業では、どう対応すればいいのか分からないこともあるでしょう。そのような場合、セクハラに関して事業主が講じるべき措置を定めた厚生労働省の「指針」が参考になります。

同指針では、セクハラがあった場合、「まず、事実関係を迅速かつ正確に確認し」→「ハラスメントの事実が確認できた場合には、行為者と被害者に対する措置をそれぞれ適正に行うとともに」→「再発防止に向けた措置を講じることが必要」と、ガイドラインを示しています。このような対処の仕方は、パワハラ・モラハラなど他のハラスメントでも同様です。ハラスメントが大きな社会問題となっている昨今、ハラスメント対策は対岸の火事ではありません。企業には、ハラスメントが起きたとき、ガイドラインをベースに迅速な対応のできる社内体制を整えていくことが求められます。

(2)「相談窓口」を設置し、ハラスメント防止につなげる

ハラスメントを生まない職場を作ることが、何よりも一番のハラスメント対策となります。そのためにはまず、経営トップが「わが社では、ハラスメントを許さない・起こさない」と宣言すること。その上で、ハラスメント防止に関する社内体制の構築とルールの作成、それらの周知徹底と啓発活動が必要となります。

ハラスメントの芽のうちに状況を的確に把握し、摘み取っていくことが重要ですが、ポイントは、「相談窓口」の設置および整備です。相談窓口の担当者が、相談者に対して適切に対応できるようにすること。また、ハラスメントに該当するかどうかが微妙な場合でも、広く対応するようにすることを心掛けます。「相談に来てよかった」と思ってもらえることが何よりも大事であり、それが他の社員にも伝われば、ハラスメントの防止にもつながります。ただし、「社内の窓口では相談しにくい」というケースもあるので、外部の機関に対応を委託することも検討するといいでしょう。

また、就業規則や服務規律を定めた文書、社内報、パンフレット、社内HPなどのツールを通じて、「職場においてハラスメントはあってはならない旨の方針と対策」を規定し、ハラスメント防止に向けた研修を、全従業員に対して行うことを忘れてはなりません。ハラスメントに関する方針の周知・啓発だけでは、ハラスメントの防止につながるとは限らないからです。自社内の人材で研修を行うことが難しければ、外部の専門家や研修機関の活用も検討します。

対応策

次に、実際にハラスメントが発生した時に企業が取るべき対応について、その手順とポイントを紹介します。

1.事実関係の確認 ・ハラスメント発生の報告があった場合、まず事実関係の確認から始めます。その際、相談者と行為者(加害者)だけでなく、事実関係に不一致が見られた場合には第三者からの聴取も行うなど、正確に事実関係の確定を行うことが求められます。
2.事情聴取 ・事情聴取は、人事部や専門委員会など、中立な立場から事情を聴くことのできる人物が行います。また、必要に応じて録音したり、聴取を複数人で行ったりするなど、聴取内容を正確に記録することが大事です。
・相談者と行為者の言い分が異なるなど、社内で適正な判断を下すことが難しい場合、弁護士など外部の専門家に改めて事情聴取を依頼することを考慮します。
3.関係者の処分・フォロー ・ハラスメントの事実が確認された場合、行為者と被害者に対して、次のような措置を講じます。
【行為者】必要な懲戒、その他の措置を講じる
【被害者】ハラスメントの内容や状況に応じて、「行為者と被害者である両者の関係改善に向けてのサポート」「両者を引き離すための配置転換・異動」「行為者による謝罪」「被害者の労働条件上の不利益の回復」などの措置を講じる
4.情報管理の徹底 ・プライバシー保護の観点から、次のような体制を整えておきます。
【相談窓口】相談がなされた場合の対処方法やプライバシー保護のために必要な事項を定め、相談窓口の担当者が対応できる体制を敷く
【研修】相談窓口の担当者に対して、必要な研修を実施する
【広報・啓発】プライバシー保護について必要な措置を講じていることを、社内に広報し、啓発を行う
5.損害賠償を受けた場合 ・ハラスメントの事実があった場合には、企業は一定の責任を負わなくてはなりません。そのことを前提として、被害者と話を進めていきます。
・一方、ハラスメントの事実がなかった場合、その旨を相談者に伝えた上で、要求に応じることはできないと返答します。納得が得られないようであれば、調停を申し立てるなど、各都道府県労働局、紛争調整委員会などの第三者機関を通じて、解決の道を探ることを考えます。

5.課題と今後の展開

「何でもハラスメント」で片付けるのはマネジメントの放棄。従業員間のコミュニケーション不全を引き起こす

「行為者がどう思っているのかではなく、相手が不快な感情を抱けば、ハラスメントとなる」という定義をしっかりと理解することが、今後のハラスメント対策の重要なポイントです。人の感情は、当人でしか本当のことは分からないため、至る所でハラスメントをしたことに気づかないケースが多発しています。近年、「〇〇ハラ」という言葉が多過ぎると言われるのも、このような背景があるからに他なりません。その結果、ハラスメントに対する当事者意識が低くなり、適切な対応が行われてこなかったと言えます。だからこそ今、ハラスメントに対するきめ細かな対応が求められているのです。

上司と部下、男女間で何か問題があるたびに「ハラスメント」の一言で片付けてしまうのは、組織管理のあり方として問題があります。なぜなら、「何でもハラスメント」はマネジメントの放棄につながり、上司の一番大事な役割を失わせてしまうことになるからです。業務を遂行する上で不可欠な従業員間のコミュニケーションがうまく機能しなくなれば、「不機嫌な職場」が形成されることになります。また、そのような状態が続くと職場の活力が失われ、生産性が低下、ひいては優秀な人材の流出につながりかねません。

そのような事態を引き起こさないためにも、何がハラスメントで、何が不可欠な指導なのか、またどのように対応していくことが良好なコミュニケーション形成につながっていくのかといったことを、全従業員が「共通認識」として持つ必要があります。「何でもハラスメント」で片付けるのではなく、「ハラスメント啓発」を適切に行うことが、これからの「ハラスメント対策」においては不可欠と言えます。

ハラスメント対策は人事部のトップマターの一つ

ハラスメントから端を発して、ブラック企業といったイメージを持たれることは、企業の存続にも関わる問題となります。採用や働く人のモチベーションにも大きく影響してくることは間違いありません。ダイバーシティや働き方改革が推進されていく中、ハラスメントへの適切な対応がこれからの企業人事にとって、非常に重要な課題の一つとなっています。

万一ハラスメントが発生した場合も、再発させないことが重要です。ハラスメントが繰り返し発生するようでは、企業としての「職場環境配慮義務」を尽くしているとは言えないからです。そのためにも、自社として取り組むべき「ハラスメント対策」を少しでも早く実践していくことが、何よりも重要です。

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