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【ヨミ】ブラックキギョウ ブラック企業

「ブラック企業」とは、従業員に対して、心身の過重負担や極端な長時間勤務など劣悪な環境での労働を強いて改善しない体質をもち、それゆえに入社を勧められない、あるいは早期の退職が勧奨されるような企業を総称する言葉です。若者の雇用悪化を背景に、ここ数年、インターネットなどを通じて広まり浸透しました。具体的には、労働法や関係諸法に抵触する可能性があるグレーゾーンな条件での労働や違法性の濃い営業行為を意図的・恣意的に従業員に強いたり、いわゆるパワーハラスメントを常套手段として本来業務とは無関係な部分での非合理的負担を従業員に強制したりする企業や法人を指します。
(2013/1/28掲載)

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ブラック企業のケーススタディ

若者を育てず“使いつぶす”企業が急増
疑心暗鬼を招き、採用市場全体の損失に

サービス残業や過重労働といった現象自体は、「ブラック企業」が取り沙汰される以前から、いわゆる日本型の雇用や労務管理の問題として指摘されていました。しかしたとえ仕事が厳しくても、現場の環境が過酷でも、これまで日本企業の多くには人材をじっくり育てようという倫理意識が働いていました。若者の労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」(ポッセ)代表で、『ブラック企業』(文春新書)の著書がある今野晴貴氏によると、若者が「ブラック」と位置づける企業と従来の会社との決定的な違いは、当初から長期雇用するつもりがないにもかかわらず、新卒者を「正社員」として採用し、劣悪な条件で働かせて身体や人格が壊れるまで“使いつぶす”点にあります。

ブラック企業は、使える従業員だけを残してあとはパワハラやいじめで自己都合退職に追い込む「選別型」と、不当な待遇でとことん働かせる「使い捨て型」の大きく2種類に分かれるといわれ、いずれも人材がつぶれたら補充すればいいとしか考えないという特徴があります。そこに、人を「育てる」意識や倫理観はありません。

こうしたブラック企業の横行は2000年代半ばに始まり、10年頃から顕著になってきた(今野氏)といわれます。これだけ厳しい就職難が続けば、若者が内定を焦ったり、長い就職活動の末に得た正社員の身分を失いたくないばかりに過酷な現実に目を瞑ったりするのは無理もありません。そこにつけこむ形で、ブラック企業の被害が増えているのです。こうした企業の存在は、たとえ一部でも労働市場全体のあり方をゆがめ、若者をめぐる雇用環境や多くの健全な企業の採用活動をさらに厳しくするおそれがあります。

何よりも懸念されるのは、若者が疑心暗鬼にかられることです。最近はブラック企業か否かを見抜くための情報もネットなどで提供されていますが、それが曲解・誇張されているため、不正確な企業イメージや業界イメージが独り歩きし、若者の進路選択は保守的になっています。彼らが安定した業種や大手企業に殺到すれば、人手不足の中堅・中小企業や新興分野の企業は優秀な人材の確保にますます不利を強いられることになるでしょう。

現に、昨年12月に解禁された14年春新卒予定者の採用活動では、飲食・サービス業の苦戦が目立っています。厚生労働省が昨年発表した業種別離職率によると、正社員として就職しながら3年以内に離職した大卒者の割合は「教育や学習支援業」「宿泊・飲食サービス業」が約48%、次いで「生活関連サービス業・娯楽業」が45%と、サービス業で高い傾向にありました。ブラック企業を見抜くポイントとしてよく言われるのが、この離職率の高さ。“離職率の高い業界にブラック企業が多い”と、短絡的に決めつけている若者が案外少なくないのかもしれません。

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