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【ヨミ】クレームストーカー クレームストーカー

「クレームストーカー」とは、企業の窓口として接客や電話応対などを担当する従業員に、異性の顧客が業務への苦情を装って執拗につきまとうこと、あるいはそうした迷惑行為に及ぶ人物を指す言葉です。自社のイメージや好感度を損なわないように、従業員ができるだけ愛想よく、ていねいに接した結果、相手から好意があると勘違いされて、つきまとい行為にエスカレートしてしまうのがクレームストーカーの特徴です。このところ、被害が急増し、企業や自治体が対応に苦慮しています。 (2015/2/24掲載)

クレームストーカーのケーススタディ

“苦情”を装って窓口女性につきまとい
ストーカー規制法では取り締まれない!?

店舗やコールセンターなどで、スタッフの応対に執拗に文句をつける人をクレーマーと呼びますが、とくにその接客担当者が女性の場合、“苦情”を名目にして、男性の客からしつこくつきまとわれるケースが少なくありません。近年、問題視されている「クレームストーカー」です。

最近の新聞報道によると、育毛サロンの女性店長が顧客男性からクレームを盾に面会をしつこく求められ、店を異動せざるを得なくなったあげく、相手から慰謝料を求める裁判まで起こされた例や、自治体の就労支援窓口の女性職員に対し、求職中の男が連日電話をかけたり、窓口に何時間も居座ったりしたうえ、「態度が悪い」「謝罪させろ」と半年もつきまとった例などの実態が取り上げられ、被害の悪質さに反響が広がっています。

やっかいなのは、接客業やサービス業の基本中の基本であるていねいで親切な応対を、相手が勝手に“好意”と受け取り、勘違いして何度も店や窓口に通うようになってしまうという点です。気づいた担当者がその客を避けようとすると、相手のゆがんだ恋愛感情が執着心や恨みに転化。因縁をつけることで担当者との接点を保とうとして、つきまといをエスカレートさせてしまうのがクレームストーカーの心理的特徴と考えられます。

本来、つきまといやストーカー行為などは「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー規制法)で取り締まれるはずですが、クレームストーカーの場合は、同法の適用対象になりにくいといわれます。ストーカー規制法で規制している行為は、単なるつきまとい等ではなく、そこに「恋愛感情その他の好意の感情」や「そうした感情が満たされないことに対する怨恨の感情」を満たす動機が認められる場合に限られているからです。ところが、クレームストーカーの場合、表向きはあくまで“顧客によるクレーム”なので、恋愛感情がらみだと客観的に認識できるような言質が本人からとれないかぎり、ストーカー規制法で対処するのは現実的に難しい。警察にも相談できず、対応に苦慮するケースが多いのはそのためです。

とはいえ、悪質なクレームストーカーへの対応を社員個人に任せるのは、会社としても非常に危険。万一、社員が業務中に事件に巻き込まれ、何らかの被害に遭うようなことがあれば、社員に対する安全配慮義務を怠ったとして、損害賠償責任まで生じかねません。大切なのは、個人の安全を最優先し、組織全体で対応するのだという会社としての姿勢を、クレームストーカーにも、被害に遭っている社員にも毅然と示すことです。ストーカーを被害者に接触させない配慮は最低限必要ですし、とくに接客業、サービス業では日頃からクレームストーカーに対応するマニュアルを整備し、職場に徹底しておくべきでしょう。

また弁護士に依頼して、対応を委託するのも有効な方法のひとつ。ストーカーに対して近づかないように指示できるのは、法定代理人になれる弁護士だけです。実際、先述した自治体のケースでは、自治体側が弁護士に相談し、つきまとい行為の中止を求める文書を内容証明郵便で送ると、クレームストーカーは姿を見せなくなったといいます。

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