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【ヨミ】テレワーク

テレワーク

テレワークは、通信技術を使って離れた場所で働く形態のことです。働き方改革の推進や新型コロナウイルスの流行に伴い、時間と場所にとらわれない多様な働き方を実現するために、導入する企業が増えました。テレワークの導入は、人材確保にもつながるため、活用方法にも注目が集まっています。一方でテレワークによる新たな企業課題も浮き彫りになり、企業には改善策が求められています。

更新日:2024/01/11

1. テレワークとは

場所・時間にとらわれない働き方を指す造語

テレワークは、「テレ(tele)」と「ワーク(work)」を組み合わせた造語です。「tele」には「遠い」「遠距離」、「work」には「仕事」の意味があることから、テレワークは、場所や時間にとらわれない働き方を意味します。テレワークでの業務遂行に当たってはデジタル技術が活用され、従業員同士が離れた場所にいても効率的に仕事に取り組めるよう、各企業で工夫がなされています。

テレワークと似た意味で使われる言葉の一つに「リモートワーク」があります。リモートワークはオフィス以外の場所で仕事をすることで、テレワークとはほぼ同義語です。サテライトオフィスなど、自宅以外で勤務する場合もリモートワークに含みます。

テレワークの分類

一般社団法人日本テレワーク協会によれば、テレワークは、働く場所や働き方によって「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライト/コワーキング(施設利用型)」「ワーケーション」の四つに分類できます。

在宅勤務

在宅勤務とは、自宅で仕事をする働き方です。コロナ禍で在宅勤務が急速に拡大して以来、「テレワーク=在宅勤務」と捉えられることが多くなっています。通勤にかかる時間と労力が削減されますが、自宅を就業環境として整えるコストも発生します。

モバイルワーク

モバイルワークは、電車や新幹線、または移動中に立ち寄ったカフェなど、場所を柔軟に選びながら働く方法です。四つの分類の中では自由度が高く、施設に依存することなく仕事を進められますが、企業によるルール設定や従業員自身の自己管理能力が求められます。

サテライト/コワーキング(施設利用型)

サテライトオフィスやコワーキングスペースなど、本社や拠点から離れた特定の施設を利用して働く形態です。働く場所を企業が指定するケース、従業員が選ぶケースがあり、それぞれに対応するサービスが展開されています。

ワーケーション

ワーケーションは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、旅行先やリゾート施設で仕事をする働き方を指します。プライベートの充実につながる面でも注目を集めています。一方、「ワーク」と「バケーション」の境界線の面から、労務管理上の問題点が指摘されます。

テレワークが推進される背景

アメリカでの環境問題対策

テレワークは1970年代にアメリカで生まれた働き方で、元々は交通量増加による道路混雑や、大気汚染の対策として推奨されたといわれています。日本では1980年代から導入され始め、パソコンの普及やネットワーク環境の発展に伴って徐々に浸透してきました。

日本での働き方改革推進

テレワークの導入が加速するきっかけになったのが、政府による働き方改革の推進です。働く場所・時間を問わないテレワークにはワーク・ライフ・バランスを充実させる効果も期待されており、働きやすい環境づくりにつながると考えられています。

2017年には、東京2020オリンピックに向けて、総務省や厚生労働省、経済産業省などが協力し、「テレワーク・デイズ」を開始。首都圏における交通機関の混雑緩和を目的としたこの取り組みには多くの団体が参加し、テレワークが広がるきっかけの一つとなりました。

新型コロナウイルス感染拡大による導入加速

さらに、2020年から世界で流行した新型コロナウイルス感染症は、企業のテレワーク導入を加速させる引き金となりました。非対面・非接触を実現させられるテレワークは、感染防止策として効果的であり、政府による働きかけの下、導入が次々と進みました。

2. テレワークの実施率

自由な働き方が可能となるテレワークは、すでに多くの企業で導入済みです。

テレワーク導入企業は約8割に

『日本の人事部 人事白書2021』では、2021年3月の段階でテレワークを導入している企業が79.8%に上ることがわかっています。導入している時期の内訳を見ると、「新型コロナウイルス感染症の流行(2020年3月)以前から導入している」が28.2%、「新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに導入した」が51.6%です。多くの企業にとって、新型コロナウイルスの流行がテレワーク導入のきっかけとなったことがわかります。

新型コロナウイルス感染症の終息後も、過半数が実施予定

同白書の新型コロナウイルス感染症終息後のテレワーク制度に関する調査では、56.5%が「テレワーク制度を継続し利用を推奨する」と回答しています。「テレワーク制度は継続するが利用条件を厳しくする」の28.3%を合わせると、テレワークの利用を継続する企業は、すでに実施している企業の84.8%に達しています。

「テレワーク制度を廃止する」とした企業は全体の6.7%にとどまり、テレワークを導入した多くの企業が、継続に前向きであることがわかります。企業と従業員にとって複数のメリットがあることから、テレワークは、アフターコロナの時代になっても多くの企業で継続されると見込まれます。

3. テレワーク導入におけるメリット・課題

テレワーク導入のメリット・課題を、企業・従業員それぞれの視点から挙げます。

テレワーク導入のメリット

【企業側のメリット】
離職防止と人材確保 テレワークの導入により柔軟な働き方が可能になれば、育児や介護など家庭の事情による離職を防止できます。働く意思があるのに離職せざるを得ない状況は、従業員だけでなく企業にとっても痛手です。柔軟な働き方を実現できれば、企業イメージの向上につながり、人材確保においてもメリットがあります。
オフィス運営におけるコスト削減 テレワークを導入すれば、既存のオフィススペースや拠点を減らし、運営費や通勤交通費を削減できます。オフィスで利用していた備品の使用頻度も減り、消耗品費などのコストも削減可能です。ただし、在宅勤務の場合は光熱費などで従業員の負担が増える可能性があり、手当で補助をする企業も多くなっています。
緊急時の事業継続 近年、災害や感染症の流行で事業継続が困難になるケースが増えており、BCP(事業継続計画)の重要性が高まっています。緊急事態が発生した場合は、従業員が出社できなくなるケースも考えられるため、企業には対策が求められます。テレワークが可能な体制を導入しておくことで、緊急時においても事業を継続しやすくなります。
【従業員側のメリット】
ワーク・ライフ・バランスの実現 通勤時間がなくなれば、家族とコミュニケーションを取る時間が増え、育児・介護などにもゆとりを持って対応できます。自分の時間も増えるため、資格取得、自己啓発や趣味に充てる時間も確保でき、ワーク・ライフ・バランスの実現につながります。
通勤にかかる負担の軽減 往復の通勤時間が軽減されれば、その分の時間を有効活用できるようになり、仕事への余裕も生まれます。交通渋滞や満員電車など、毎日の通勤は従業員にとって身体的・精神的負担です。通勤による疲労がなくなれば、モチベーション維持や業務の生産性向上にもつながります。
スキル・経験を生かした多様な働き方 時間と場所を選ばないテレワークを導入することで、結婚や出産、介護などでキャリアを中断せずに自分のスキルや経験を最大限に生かし、多様なキャリア形成が可能です。

テレワーク導入の課題

【企業側の課題】
労務管理が難しい テレワーク下では、働いている様子をお互いが実際に確認できないことから、労務管理が難しくなります。例えば、PCの使用時間から始業・終業時刻を記録するなど、客観的に労働時間を把握できる方法を検討しながら、適切に管理しなければなりません。
情報セキュリティーの課題 テレワーク下では、社外から社内のシステムを利用するため、情報漏えいやサイバー攻撃などのリスクを抱えることになります。

テレワーク導入前に企業内のセキュリティーに万全を期すとともに、万一の事態を想定した対応策の整備・訓練が必要です。また、テレワークを行う従業員に対してセキュリティー面での教育・啓蒙活動を継続し、自主的に対策するよう促進する必要があります。
不公平感が生まれることがある テレワークの導入により、立場の違う従業員の間で不公平感が生まれる可能性があります。出社している従業員から「テレワークは通勤がないから楽」と反感を買うことが一例です。出社している人から仲間外れにされるなどの行為につながる場合もあります。

不公平感を解消するには、テレワークの導入目的やメリットを伝えた上で、働き方をオープンにする必要があります。コミュニケーションを頻繁に取れるツールの活用や、仕組みの整備が必要です。
導入しにくい業界・職種がある 接客・販売業や製造業、医療・福祉業のように、現場作業が中心の業界はテレワークの導入が難しいといえます。また、弁護士や行政書士、公務員など個人情報や機密性が高い書類を取り扱う職種も、テレワークへの切り替えは困難です。

ただし、業務内容によってはテレワークで対応できる場合もあり、テレワークできる業務とできない業務を切り分けて考える必要があります。
【従業員側の課題】
コミュニケーションが難しくなる 各従業員が離れた場所で業務に取り組むため、オフィス内で仕事をする場合よりもコミュニケーションが難しくなります。「早急な確認が必要な場合に、相手と連絡が取れない」など、トラブルが大きくなる要因にもなり得ます。

メールなど文面だけのコミュニケーションになる場合、相手との心理的な距離が遠くなる、または認識のズレが生じることなども懸念点です。
モチベーションの自己管理が大変 オフィスから離れて仕事をすることで、オンオフの切り替えができず、モチベーションが低下する可能性があります。自分の努力を近くで評価してくれる人がいないことも、モチベーション低下につながる要因の一つです。

企業はテレワークでもモチベーションを自己管理できるようフォローし、生産性の低下を防ぐ必要があります。
「サボっている」と誤解されやすい テレワーク下では、成果を出すまでのプロセスがほかのメンバーや上司には見えづらい場合があり、状況によっては「仕事をしていないのでは?」と疑われます。チーム内の信頼関係を築くために、作業スケジュールや業務量を可視化する取り組みが求められます。

4. テレワーク導入のポイント

テレワークを適切に導入するには、下記のプロセスを丁寧に進める必要があります。

【テレワーク導入の流れ】
  1. 導入目的や方針の決定・共有
  2. 導入体制の確立
  3. テレワーク運用のルール設定
  4. テレワーク環境の整備
  5. 試験的導入
  6. 評価・改善
  7. 本格導入

1 導入目的や方針の決定・共有
導入目的・方針が不明瞭になって方向性が定まらず、失敗につながることのないよう、入念な協議が重要です。また、組織全体で協力しながら導入を進めるために、この段階で社内に共有して承認を得ます。

2 導入体制の確立
より自社に合ったテレワークを導入するには、人事部門だけでなく、経営企画や情報システムなど、各分野の担当者を集めたチームを構築すると効果的です。テレワークを導入する部署の部長や課長にもメンバーになってもらい、現場の情報を参考にしながら導入を円滑に進めていきます。

3 テレワーク運用のルール設定
4種類あるテレワーク形態を参考にしつつ、どのような形態にするかを決め、ルールを設定します。出勤の管理、テレワークにかかる通信費や光熱水費の取り扱いなど、具体的なルールを決めた上で、就業規則への明記が必要です。就業規則の不利益変更が発生する場合は、所定の手続きを経る必要があります。

4 テレワーク環境の整備
パソコンやWi-Fiなど、テレワークを実施するに当たって必要なシステムを整備します。Web会議システムやチャットツールなど、コミュニケーションを円滑にするために必要なツールの導入や、セキュリティー対策、文書の電子化などの方法も併せて検討します。テレワークへの共通理解を深めるために、教育・研修の実施も効果的です。

5 試験的導入
いきなり本格的に導入すると、次々と課題が発生して、対応が追い付かなくなる可能性があります。組織内に混乱を招くことも考えられるため、いったん試験的に導入します。

一般的に施策の評価方法として、数値化できる項目を見る「定量評価」と、数値化が難しく言語化が重要な「定性評価」があります。定量評価の例としては労働時間や各種費用、定性評価の例としては家族との過ごしやすさやメンタルの自己評価が挙げられます。定量評価、定性評価はいずれも重要であり、どちらに重点を置くかは企業によります。

6 評価・改善
試験的導入の評価内容を基に、本格導入に当たっての課題を整理し、改善策を講じます。仮に大きな課題が発覚した場合は、ルール設定や環境整備をやり直しながら、より適切なテレワークの運用に努めます。

7 本格導入
「導入したら終わり」ではなく、目的に沿って運用されているか、従業員に不都合が生じていないか、適宜確認が必要です。問題が発生した場合、都度改善策を検討・実施します。

導入・実施しない理由の代表例

導入を妨げる課題を事前に予測するには、調査を活用します。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の「テレワークの労務管理等に関する実態調査」によると、テレワークを導入・実施していない理由として下記の五つが上位に挙がっています。

1位:できる業務が限られているから(68.1%)
2位:情報セキュリティーの確保が難しいから(20.5%)
3位:紙の書類・資料が電子化されていないから(16.6%)
4位:テレワークできない従業員との不公平感が懸念されるから(15.7%)
5位:従業員の勤怠管理や在席・勤務状況の確認が難しいから(14.6%)

1位の「できる業務が限られているから」は解決に時間を要する可能性がありますが、「情報セキュリティーの確保が難しいから」「紙の書類・資料が電子化されていないから」など、そのほかの問題の多くは、体制の整備やテレワークを支援するツールの導入などで解決が可能です。

例えば、情報セキュリティー面での不安がある場合、「アクセスを制限する」「ハードディスクを暗号化する」「セキュアコンテナを導入する」などの方法があります。勤怠管理ツールを活用すれば、多様な打刻方法で労働時間を管理できるだけでなく、給与計算とも連携すれば業務全体の効率化を図ることができます。課題発生を受けてテレワークの導入を諦めるのではなく、課題の改善方法を探ってテレワークを有効活用することが重要です。

5. テレワークによる新たな企業課題・問題点と解決策

コミュニケーション不足

テレワークは、オフィスで働くのとは異なり、気軽にコミュニケーションが取りづらくなります。コミュニケーションが不足すると、業務の方向性が曖昧になり生産性が低下する上に、孤独感を抱えて精神面での不調を起こす場合もあります。

テレワークでのコミュニケーション不足を解消するには、各種コミュニケーションツールの運用が重要ですが、非対面のコミュニケーションに移行することを意識し、微調整を行っていくことが大切です。相手の表情が見えにくくなることを意識し、さまざまな方法で伝え方を補います。

マネジメントや評価のあり方

テレワーク下では上司が部下の働く様子を直接確認できないため、マネジメントや人事評価が難しくなっています。部下にとっても評価に納得できない状況が生まれやすくなり、モチベーションの低下につながりかねません。

テレワークにおけるマネジメント、評価面での問題点を解決するには、評価基準を明確にした上で、従業員に納得感を得てもらうための工夫が必要です。さらに、評価方法が恣意的なものにならないよう、評価者側の能力向上や、評価基準の周知徹底を図る必要があります。Web会議ツールなどを使って定期的に上司と部下が面談を繰り返し、目標や業務の進捗状況を確認することも重要です。

労務管理

テレワークでも、オフィス勤務と変わらずに労働基準法は適用されるため、所定労働時間外に就業した場合は残業代を支払わなければなりません。法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた場合は、割増賃金の支給も必要です。勤怠管理ツールの導入などを検討しながら、適切に労働時間を管理し、テレワーク導入が従業員に不利益をもたらすことのないようにしなければなりません。

テレワークで中抜けを認める場合は「休憩時間として扱う」または「時間単位の年次有給休暇として扱う」のうち、自社に合った方法を検討・導入します。中抜けの導入で始業・終業時刻が変わる場合や、有休の時間単位取得を認める場合は、就業規則への明記と労働者への周知が必須です(労働基準法第89条)。

時間単位で年休取得を導入する際には、「対象とする労働者の範囲」「1日分の有給休暇に該当する時間数」などについて定めた労使協定の締結も必要になります。

テレワークでも労災保険は適用される

テレワーク中であっても、負傷や病気などが発生する可能性はあります。テレワークにおいても、業務上の災害と認められれば、オフィスでの勤務と同様に労災保険が適用される場合があります。

業務上の災害として認められるためには、下記の二つの要件を満たさなければなりません。

  • 業務遂行性:労働契約に基づいて、対象従業員が事業主との労働関係にあること
  • 業務起因性:業務と災害に因果関係があること

テレワークでは事実確認が難しいことから、パソコンの使用状況を確認するなど、客観的な記録を基にした判断が必要です。また、事業主や医療機関が災害の状況を正確に把握するために、従業員が負傷した際はできるだけ詳細な記録を残しておくよう、事前に周知する必要があります。

テレワークにおいて、労働災害が認められる可能性が高い例は、下記の通りです。

【テレワークで労働災害が認められる可能性が高い例】
例1:デスクワーク中に落ちたペンを拾うために腰をかがみ、立つときに頭を机にぶつけて負傷した

例2:離れた所にある資料を取るために離席し、資料を持って椅子に座る際にバランスを崩して転倒した

例3:トイレに行った後に仕事用の椅子に座る際、転倒してけがをした

以上の例は、すべて私的な行為ではなく業務に起因して発生したものと見なされ、労働災害と認められる可能性は高いといえます。たとえ就業時間中であっても、「雨が降ってきたから洗濯物を取り込もうとしたら、ベランダで転倒した」など、私的行為による負傷は労働災害の対象外です。

なお、メンタル不調については厚生労働省が定める「心理的負荷による精神障害の認定基準」を満たした場合に、労働災害として認定されることになります。

【精神障害の労災認定要件】
  • 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  • 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヵ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  • 業務以外の心理的負荷および個体側要因により発病したとは認められないこと

テレワークとメンタル不調の因果関係の判断は難しく、必ずしも労災と認められるわけではありません。メンタル不調は、モチベーションや生産性を低下させる上に、離職につながる場合もあります。企業としては、労災が認められるか否かにかかわらず、従業員がいきいきとテレワークに取り組めるよう、万全の対策を講じることが重要です。

在宅勤務時のコスト

テレワークの中でも在宅勤務を行う場合、オフィスにおけるコストが従業員に転嫁されることも考えなければなりません。在宅勤務時に発生する通信費や光熱水費などを補助する目的で、「在宅勤務手当」を支給する場合があります。在宅勤務手当は仕事でWi-Fiを利用する場合の通信費や、水道代の補助などを想定したものです。

在宅勤務手当は法的に定められた制度ではありません。支給の有無や金額などは企業の裁量で決めるもので、支給しないことを理由に罰則は受けません。ただし、従業員の満足度向上やモチベーションアップを狙う意味では、支給するのが望ましいといえます。

なお、在宅勤務手当の支給方法は「一律支給」「実費支給」「実費精算+一律支給」の3パターンです。支給する場合は就業規則に明記し、従業員に周知する必要があります。

テレワークうつなど、ストレスによるメンタル不調

テレワーク下では、うつやストレスによるメンタル面での不調に悩む人が増加傾向にあります。株式会社NTTデータ経営研究所が2021年6~7月、従業員のストレスとサポート利用の実態を調べた「働く人のメンタルヘルスとサービス・ギャップの実態調査」では、有効回答1,022のうち、45.3%に当たる463人が、「精神的健康度」が低い状態であることがわかりました。そのうち277人は、新型コロナウイルス感染症の流行以降に、ストレスや悩みが増加しています。

テレワークでメンタル不調を起こしやすい大きな要因の一つは、コミュニケーションの減少による不安感や孤独感です。株式会社パーソル総合研究所が2020年3月にテレワーク時の孤独感について調べた「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」では、「私は、孤立しているように思う」(28.8%)、「私には仲間がいない」(25.4%)と答える人がそれぞれ3割弱に上り、テレワーク下で孤独感を抱える人が少なくないことがわかります。

テレワークに切り替えても、従来と同じように企業による労働者の健康を守る取り組みは重要です。プライベート空間にむやみに踏み入ってはいけませんが、安全な作業環境の整備に向けて何もしなければ、安全配慮義務違反になる可能性もあります。

働く様子が見えないからこそ、定期的な健康診断やストレスチェック(従業員50人以上の場合)、長時間労働者への面接指導などの施策を講じる必要があります。従業員自身がメンタル不調を感じたときに気軽に相談できるよう、社内に相談窓口を設置したり、外部の相談機関を社内に周知したりすることも重要です。

上場企業に義務付けられた人的資本の情報開示について、開示までのステップや、有価証券報告書に記載すべき内容を、具体例を交えて解説します。

人的資本情報開示~有価証券報告書への記載方法を解説~│無料ダウンロード - 『日本の人事部』

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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