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【ヨミ】ロウドウサイガイ 労働災害

労働者が業務中や通勤途中に、事故や災害などによって、負傷したり、疾病にかかったり、障害が残ったり、死亡したりした場合、これを労働災害(労災)といいます。労災を被ったすべての労働者には、労働者災害補償保険(労災保険)が適用され、労働者本人およびその家族の生活の安定を保障するために必要な保険給付が行われます。正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態にかかわらず、一人でも労働者を使用する事業主は、原則として労災保険への加入を義務づけられています。
(2010/5/24掲載)

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労働災害のケーススタディ

「業務災害」「通勤災害」が労災保険の対象
訴訟リスクに備えて補償の上積みも図る企業も

労災保険の対象となる労働災害は、大きく「業務災害」と「通勤災害」の二つに分けられます。「業務災害」とは、本来の業務や業務に通常付随する行為が原因で生じた負傷、疾病、障害、死亡を指します。使用者の支配下になく、業務として強制されないケース、たとえば社外での懇親(忘年会や歓迎会、花見など)で事故に遭っても、通常、「業務災害」とは見なされません。また業務に起因すると考えられる場合でも、直接の因果関係を証明するのが難しい過労死や自殺については、従来、「業務災害」と認定されることがまれでした。しかし近年は、認定の門戸がかなり開かれてきています。

もう一方の「通勤災害」は通勤時に起きた災害です。この場合の“通勤”とは、職場と住居との間を合理的な経路および方法で行き来している状態を指します。「業務災害」と異なり、元来、使用者側に直接的な補償責任はありませんが、勤務との関連性が強いという判断のもと、1973年の労働者災害補償保険法の改正によって、「通勤災害」にも労災保険の適用が認められるようになりました。

厚生労働省が、2010年3月に発表した「平成21年における死亡災害発生状況(速報値)」によると、労災による死亡者数(全産業計)は1,024人で、前年に比べて240人(19%)の減少。長期的に見ても、被災者数、死者数はほぼ一貫して減少傾向にあります。その一方で最近の労災の実情を見ると、過重労働や職場のストレスが引き金となる、うつ病などの精神障害や過労死、過労自殺の増加が目立ちます。さらには一度に多くの被災者が出るような重大事故も頻発しています。

事故で一家の大黒柱が死亡したり、長期休職を余儀なくされたりした場合、労災保険の法定給付は、被災者家族が生活水準を維持していくのに十分とはいえないのが現状です。現に、権利意識の高まりに伴って、労災保険や公的年金だけでは納得しない被災者やその遺族が、使用者側に高額な損害賠償を求めるケースが増えてきました。こうした労災保険だけではカバーしきれないリスクに備えるため、補償額に企業独自の上積みを行う法定外補償(付加給付)制度を設けたり、傷害保険や使用者賠償責任保険を活用したりする企業も少なくありません。

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