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【ヨミ】ウチキリホショウ 打切補償

業務上の事由で従業員が負傷したり病気になったりした場合、使用者は従業員に対して全治するまで必要な補償(療養補償)を行う責任を有します。「打切補償」とはこれに対し、労働基準法81条が、使用者負担を軽減する趣旨で規定している免責措置。療養開始後3年を経過しても、負傷または疾病が治らない場合に限り、使用者が平均賃金の1200日分の打切補償を支払うことを条件に、以後の労基法に基づくすべての補償責任を免れる制度をいいます。
(2012/4/23掲載)
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打切補償のケーススタディ

平均賃金1200日分で解雇も可能に
現実的な対応は傷病補償年金への移行

労働基準法(以下、労基法)は、第8章で災害補償について定め、労働者が労働災害で負傷したり、疾病にかかったりした場合の使用者の補償責任を規定しています。そしてこの補償責任の履行を迅速かつ安定的に実施するため、企業には労働者災害補償保険法(労災保険法)によって労災保険への加入が義務付けられています。企業が労災保険の保険料を支払う代わりに、国が補償の負担をまかなう。つまり労基法に基づく災害補償を社会保険として行うことで、従業員への療養補償などの支給を、保険者である政府が肩代わりするしくみが確立されているわけです。

労災保険では、労働災害による従業員の傷病が療養開始後1年6ヵ月を経過しても治癒しない場合は、所轄労働基準監督署により傷病等級(1~3級)に応じて傷病補償年金の支給決定がなされます。支給が決定すると、それまで受けていた休業補償は受給できず、以後は年金受給に切り替わるのです。労災保険法19条によると、この傷病補償年金を、療養開始後3年が経過した時点で従業員がすでに受給している場合はその日に、また同日以降の受給が決まっている場合はその受け取り開始日において、使用者は「打切補償」を支払ったものとみなされます。

打切補償」を行うと、企業はそれ以降の補償責任を免れるだけでなく、労基法19条の定める解雇制限(労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、療養のために休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない)も解除され、当該従業員の解雇が可能になります。ここが、打切補償制度の重要なポイントです。

ただし打切補償の本来の条件である「平均賃金1200日分の支払い」は、1日1万円としても1200万円とかなり高額になりますから、企業にとって決して小さな負担ではありません。実際、復帰が見込めない従業員を解雇するために、この手段をとるケースはそれほど多くないようです。そこで着目されるのが、打切補償が支払われたものとみなされる先述の「傷病補償年金への移行」という条件。大半の企業は、平均賃金1200日分を支払う代わりにこのしくみを活用しています。

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