パープル企業
パープル企業とは?
「パープル企業」とは、違法な長時間労働やハラスメントが横行するブラック企業ではないものの、仕事のやりがいや成長機会に乏しい企業を指す言葉。「ゆるブラック企業」とも呼ばれ、ホワイト企業とブラック企業の中間的な存在として位置づけられます。働き方改革の推進などを背景に、残業が少なく休みは取りやすい一方で、ルーティンワークが多く、スキルアップや昇給が期待しにくいという特徴があります。
「パープル企業」の長所と短所
キャリア形成における注意点は?
パープル企業(ゆるブラック企業)とは、法律違反レベルの過酷な労働環境ではないものの、従業員の成長やキャリアアップにつながる機会が極端に少ない企業のこと。ブラック企業とホワイト企業のどちらとも断定しがたい、いわば中間に位置する存在であることから「パープル企業」と呼ばれています。
パープル企業が注目される背景には、働き方改革の進展があります。労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得義務化などが進んだ結果、多くの企業で労働時間は短縮されました。しかし、一部の企業では、単に労働時間を減らすことだけが目的化し、業務の付加価値向上や人材育成への投資が伴わないケースが見られます。その結果、従業員にとっては「働きやすいが、成長できない」という、ぬるま湯のような環境が生まれることもあります。パープル企業で働くことには、メリットとデメリットがあります。
メリットは、残業や休日出勤がほとんどなく、厳しいノルマも課されないため、心身ともに余裕を持って働けること。プライベートの時間を重視したい人にとっては、魅力的な環境です。社内の競争意識が低く、穏やかな雰囲気であることが多いため、人間関係のストレスを感じにくい傾向にあります。
デメリットは、ルーティンワークに偏りがちで、挑戦的な仕事や裁量権の大きい仕事を任される機会が少ないこと。そのため、専門スキルやポータブルスキルが身につきづらく、転職市場における自身の市場価値を高めるのは難しくなります。業績が伸び悩んでいたり、年功序列の風土が根強かったりする企業が多いため、成果を出しても給与に反映されにくく、昇進の機会も限られます。
労働者にとってパープル企業は、ワークライフバランスを重視したい時期には適した選択肢かもしれません。一方、長期的なキャリア形成を考えると、成長の機会がない環境に身を置き続けることは、将来の選択肢を狭める可能性があります。現在の職場がパープル企業の特徴に当てはまる場合、漫然と働き続けるのではなく、主体的なキャリア開発が不可欠です。例えば、勤務時間外に資格取得や副業に挑戦し、社外で通用する専門性を高めることも一つの方法です。また、上司にキャリアパスに関する相談を持ちかけ、新たな業務に挑戦できる可能性を探ることも重要でしょう。
企業側にとっても、「パープル企業」であることには注意が必要です。従業員のエンゲージメント低下や、イノベーションの停滞を招きかねないからです。中長期的には組織の競争力低下につながる深刻な課題であると認識する必要があります。
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