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【ヨミ】エルジービーティー LGBT

「LGBT」とは、同性愛のLesbian(レズビアン)とGay(ゲイ)、両性愛のBisexual(バイセクシュアル)、出生時に法律的/社会的に定められた自らの性別に違和感を持つTransgender(トランスジェンダー)の総称で、それぞれの頭文字をつなげた略語です。日本語ではしばしば、LGBTを含めた性的マイノリティー(性的少数者)全体を指す用語としても使われます。近年は一部の先進企業を中心に、性的指向による差別を禁じる社内規定を設けたり、性的少数者向けの就職説明会を開いたりするなど、LGBT人材が働きやすい職場づくりに取り組む動きも徐々に広がり始めています。
(2013/10/11掲載)

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LGBTのケーススタディ

身近にいても不思議ではないマイノリティー
職場環境の改善は意識より先に制度から

電通総研が7万人を対象に実施した2012年の調査によると、「LGBT」の割合は成人男女の約5.2%、20人に一人にのぼるといいます。一定数以上の従業員を抱える職場であれば、統計上、LGBTの当事者が一人はいてもおかしくありません。にもかかわらず日本の企業社会では、性的マイノリティーがカミングアウト(公表)しにくい環境におかれることが多く、自ら声を上げられないために、LGBTはその存在を公には認められていませんでした。

現在、日本では同性愛は違法ではなく、性同一性障害に伴う性別変更も条件付きで認められていますが、職場や学校などでの差別を禁止する法律はいまだになく、同性のパートナーの法的保障もありません。そのため職場でも、LGBTの従業員はさまざまな無理解や不利益にさらされ、孤立しがちです。誰にも相談できず、自らを偽らざるを得ないストレスによって、仕事の生産性や企業に対する信頼感、ロイヤリティーが損なわれるケースも少なくありません。ダイバーシティの重要性が叫ばれていながら、LGBTに関しては、日本の企業社会は他国に比べ大きく立ち遅れているのが現状です。

しかし最近、こうした状況に改善の兆しが現れてきました。LGBTへの理解を示し、当事者が活躍しやすい環境づくりや施策の導入に取り組む企業が、少しずつ増えてきたのです。先行するのは、性的指向に関わりなく優秀な人材を確保したい外資系企業。米系金融機関ゴールドマン・サックスでは、09年から毎年LGBTの学生を対象にした会社説明会を開催し、同じLGBTの社員が学生との質疑応答にあたっています。昨年の説明会では、同性のパートナーをもつ米国人の女性役員がスピーチを行いました。また日本IBMでは、04年からLGBTの社員らが職場環境の改善に向けたグループを立ち上げ、メールでの相談受け付けや社員を対象にした勉強会などを実施しています。11年からは、同性愛のカップルにも結婚祝い金を支給。すでに10組近くが申請したといいます。

追随する日本企業の動きも目立ってきました。富士通は02年に社員の行動規範を制定する際、人種や民族などに加え、性的指向についても差別やハラスメントを「許容してはならない」と明記しました。野村證券などの野村グループや資生堂も、同様の社内規定を設けています。ただ日本ではまだ、職場の無理解の壁は厚いといわざるを得ません。企業のLGBT施策を支援する「NPO法人虹色ダイバーシティ」代表の村木真紀さんは、「日本企業では人の意識より先に、制度からがつんと変えていくほうが効果的。その際、LGBT当事者が自ら推進するのではなく、企業が主導すべき。彼らからカミングアウトするメリットは現状ではゼロに近く、『なぜ特別扱いしなくてはならないのか』と、周囲の反発を招く恐れもある」(「WORK SIGHT」2012年10月15日より)と述べています。

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