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【ヨミ】マトリクスソシキ

マトリクス組織

「マトリクス組織」とは、職能別組織と製品別組織、事業別組織と地域別組織など複数の異なる組織構造をタテ・ヨコの関係にかけ合わせ、多元的な指揮命令系統のもとで双方の機能や利点を同時に実現しようとする組織形態のことです。マトリクス型組織とも呼ばれます。マトリクス(matrix)とは、行と列で成る格子状の配列を意味します。
(2012/7/13掲載)

ケーススタディ

一人の従業員に二人のマネジャー
複数の目標を同時に追求する組織形態

今日、多くのグローバル企業では、資材の調達や製品管理などをグローバルに展開しながら、各国・各地域においてはエリアの特性を踏まえた市場アプローチを徹底するという複眼的なオペレーションを実行しています。こうしたビジネスの高度化・多様化に対応し、複数の目標を同時に達成するための組織形態として広く採用されているのが、マトリクス組織です。

グローバル企業の例でいえば、エリアにはエリアの市場動向に適応するローカルなマネジメントが求められるため、支社や現地法人といったエリア単位のマネジメント機構が設定されます。一方、展開する事業や製品に関しては、それぞれに精通する管理機構がグローバルに統括するメリットもあるので、事業や製品ごとにエリア横断で責任者が配置されます。したがってマトリクス組織における各エリアの各製品・事業担当部門は、製品の企画や製造に重きをおく製品事業責任者と、エリア内の流通や顧客戦略に権限を有するエリアマネジャーという二人のリーダーの指揮を受けて、クロスファンクショナルに事業を進めることになります。

また営業部や製造部といった職能別組織と製品別組織をかけ合わせるマトリクス組織の場合は、職能別のライン部門を維持しながら、製品担当としてのプロダクトマネジャーを設置して部門間をコーディネートするシステムや、各部門から適宜人材を集めてプロジェクトタームを編成し、これにプロジェクトリーダーを配する形態などがよく採られます。

マトリクス組織の原点は、1960年代のアメリカの「アポロ計画」にあるといわれています。NASA(米国航空宇宙局)が同計画に参画した航空宇宙関連の企業に対して、プロジェクトマネジャー制の導入を推奨。元々はプロジェクトかぎりの臨時的な組織編成だったものが恒常化し、マトリクス組織として定着、普及していったのです。

マトリクス組織では先述のとおり、一人の従業員が、タテ方向とヨコ方向の複数の指揮命令系統に属することになるため、双方のマネジャーの指示に矛盾が生じると、当然、組織は混乱し、機能不全に陥りかねません。また優秀な社員を同じライン内で別のエリアに異動させるか、同じエリア内で別の製品担当に異動させるかなど、人材をはじめとするリソースの配分をめぐってタテとヨコのコンフリクトも複雑化しがちです。

こうした運用上の難しさはあるものの、マネジャー同士の連携を促すしくみを作ったり、お互いの役割や序列を明確化したりして利害調整の最適化に努めれば、企業全体としてはマトリクス組織による複眼的なコントロールが働き、緻密な経営管理が可能になります。

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