残業を強制する上司
どうぞよろしくお願いいたします。
弊社のある部署では、定時を過ぎて残業している社員が、上司に対し
「残業申請します」と伝えたところ、「申請する必要あるのか?」
「なぜ申請するんだ」「若い人たちは、すぐ残業申請するとか休憩行ってきますと言うが、自分が若いときは休憩も取らなかったし、残業も申請してなかった」などと返答し、適格に勤怠管理ができない状態になっております。
本人には、残業はもちろん休憩も全員取得し、正確な勤務管理をするよう注意しましたが、まったく聞き入れません。
この場合、この上司はパワハラを繰り返していると判断してよいでしょうか。
今のところ、残業申請できなかった社員からは会社に対して
未払賃金を支払ってほしい、などのクレームはありません。しかし、
将来的には未払残業として訴えられることも考えられると思っております。
社員との間に問題が発生する前に、この上司が改めないのであれば解雇も
管理監督者として不適切であるという理由で解雇も検討することに問題はないでしょうか。
ご教示の程よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/08 16:40 ID:QA-0151957
- はらっぺさん
- 埼玉県/その他業種(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問いただきました件について、返信させていただきます。
まず、ご記載いただいたい内容だけではパワハラに該当するか否かは、
明確に判断はできませんが、部下に対し、高圧的な態度が継続的に続けば、
いづれパワハラ問題に発展する可能性は高いかと思案いたします。
ご記載の上司が改めないのであれば解雇が可能かという点につきましては、
最終的には貴社の懲戒規定に沿って、解雇も可能なケースもございますが、
いきなりの解雇は、不当な解雇問題に発展する可能性が高いものです。
まず、ご記載の上司に対する指導を再三行っていただき、
指導履歴は記録化をしておいてください。
その上で、改めがないのであれば、貴社の懲戒規定に従って、
1. 戒告、2. 譴責(けん責)、3. 減給、4. 出勤停止、5. 降格、
6. 論旨解雇(論旨退職)、7. 懲戒解雇
の段階を経て(全ての段階を経ることは必須ではありません)、
懲戒処分としては、最後が解雇となります。
もっとも、懲戒処分という言うことではなく、正当な人事評価として、
管理監督者として不適切と会社が判断し、役職を解くというのが、
本件においては、一番しっくりするようにも思えます。
ご記載の上司の更に上の上司の方がいらっしゃれば、その方も交えて、
ご対応いただくことを推奨いたします。
投稿日:2025/05/08 17:26 ID:QA-0151963
相談者より
ありがとうございます。
指導記録、それでも継続する場合も段階を踏んで
、ということですね。
大変参考になりました。
投稿日:2025/05/08 18:28 ID:QA-0151966大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
大変困った上司です。
大問題となりますし、こんなことでは、
部下は離職してしまいますので、
注意しても改善しない場合には、懲戒処分を検討するとともに、
人事権の裁量として、
役職から外すべきでしょう。
投稿日:2025/05/08 18:11 ID:QA-0151965
相談者より
ありがとうございます。
今後のリスクも考え、社内で相当に検討いたします。
投稿日:2025/05/08 18:47 ID:QA-0151970大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
現状のままではパワハラ・未払残業・勤怠管理義務違反のリスクが高く、会社としての対応が求められます。解雇を含む処分は可能ですが、法的リスクを回避するために、段階的かつ記録に基づく対応が不可欠です。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. この上司の対応はパワハラに該当するか
ご記載の内容から判断するに、当該上司の言動は以下のような点でパワハラの可能性が高いと考えられます。
(1)精神的な圧力:正当な手続きである残業申請や休憩取得の意思表示に対し、「申請の必要があるのか」「自分の若い頃は~」といった発言で抑圧し、申請しづらい雰囲気を作っている。
(2)勤務管理の妨害:勤怠申請を軽視または否定する態度により、社員が正しい手続きを取れない、あるいは取りにくくなる状況を生んでいる。
これらは、厚生労働省の「職場におけるパワーハラスメントの定義」における、
(1)優越的な関係を背景に
(2)業務の適正な範囲を超えて
(3)労働者の就業環境を害する行為
という三要件を満たす可能性があり、パワハラに該当しうると考えられます。
2. 未払残業代のリスクについて
現時点で社員からの請求がないとしても、将来的に労働基準監督署への申告や、個別労働紛争に発展するリスクは十分にあります。特に、残業を事実上強制されているのに申請を阻まれていた場合、未払残業代の請求は認められる可能性が高いです。
勤怠管理の不備は、企業側の労働時間管理義務違反とされるおそれがあります。
3. 当該上司の処遇(解雇を含む)について
もし、指導や注意をしても態度が改まらず、以下のような事実が継続して確認される場合は、管理職として不適格と認定できる余地があります。
(1)労務管理を意図的に妨害
(2)パワハラ行為を継続
(3)組織としてのコンプライアンス体制を損なう行為
ただし、即時の懲戒解雇には相応の慎重さが必要です。以下のような手順が望まれます:
4,推奨対応フロー
(1)事実関係の記録と証拠の収集
(2)発言の記録、社員からの聞き取り、関係書類などを保全。
(3)本人への聞き取りと注意喚起(書面による)
(4)内容証明や人事面談での文書化された指導。
(5)改善の機会の付与
(6)一定期間内の行動改善を促す。
(7)改善が見られない場合の処分検討
(8)就業規則に基づき、懲戒処分(けん責、降格、出勤停止等)から段階的に実施。
(9)最終的に、普通解雇(能力不足・不適格)あるいは懲戒解雇を検討。
5.まとめ
現状のままではパワハラ・未払残業・勤怠管理義務違反のリスクが高く、会社としての対応が求められます。解雇を含む処分は可能ですが、法的リスクを回避するために、段階的かつ記録に基づく対応が不可欠です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/08 18:47 ID:QA-0151969
相談者より
ありがとうございます。
ご指摘の一点一点確認し、今後の対応を検討してまいります。
投稿日:2025/05/08 19:58 ID:QA-0151972大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
安全配慮義務の履行
以下、回答させていただきます。
本件が内包する「会社のリスク」という観点から考えてみました。
労働契約法第5条では、労働者の安全への配慮として、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とされています。
この安全配慮義務を履行していくうえで、労働時間の把握・管理は言わば前提となるべきものであると考えられます。現在「適格に勤怠管理ができない状態になっている」のであれば、安全配慮義務違反の状況にはないとは必ずしも言い切れないように思われます。例えば、今後労働者が長時間労働によって疾病を発症した場合には同違反として問題になりかねないという「危険」を抱えているように窺われます。
当該上司が「(正確な勤務管理をするよう注意しましたが)まったく聞き入れません」ということであれば、業務命令違反として就業規則に基づきしかるべき処分を行うとともに、人事権を行使し配置転換を行うなど、早急に「安全配慮義務違反の状況にはない」と言い切れるよう措置することが必要になっていると認識されます。
投稿日:2025/05/08 21:05 ID:QA-0151973
相談者より
ありがとうございます。
安全配慮義務違反、社員の体調管理義務にも違反の状況にならないよう早急に対応します。
投稿日:2025/05/09 09:51 ID:QA-0151990大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
具体的な言動などに基づき、貴社の判断として認定が必要なので、掲示板での判断はできません。書かれている内容はどれも理不尽でハラスメントの可能性は高いといえるでしょう。
管理部門としては管理職としての能力評価も含め、会社の責任が問われる事態になり得ますので、直ちに事情聴取を行い、実態の解明と改善が必要であれば懲戒も踏まえて厳しい指導をすべきと思われます。
投稿日:2025/05/08 22:03 ID:QA-0151974
相談者より
ありがとうございます。
ハラスメントの可能性含め、本人へも早々に確認いたします。
投稿日:2025/05/09 09:52 ID:QA-0151991大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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