【管理監督者の遅刻・早退・欠勤に対する賃金控除について】
現在とある会社にて人事マネージャーとして勤務しております。
法的見解を聞きたく相談させて頂きました。
【背景】
①現状は、管理監督者および裁量労働制が適用されている方については、
理由の如何を問わず遅刻・早退・欠勤について賃金控除されている。
②そもそも管理監督者および裁量労働制が適用されている方の賃金控除については、
グレーな部分が存在している。
③それに伴い、係争案件になった場合に会社としてのリスクが大きいと考えている。
(最大過去2年間の残業代の支払いが発生する可能性)
④よって、管理監督者および裁量労働制が適用されている方の遅刻・早退・欠勤について
法律を遵守しながらも会社としてのルール(就業規則で明記)を定める必要がある。
と私は考えており一律に賃金控除をすべきではないとの見解ですが、経営層の理解が得られておりません。
また、世間でいういわゆるプロジェクトマネージャー業務に従事している方も裁量労働制になっております。私の認識では専門業務型・企画業務型裁量労働制のどちらにも該当しない認識です。
そもそも、専門業務に該当していないこと、部下もいない、具体的な指示を受けいているからです。
【相談本題】
①上記を踏まえて、管理監督者の遅刻・早退・欠勤の一律に賃金控除は可能なのでしょうか。
また、どのような場合であれば賃金控除をして良いのでしょうか。
②プロジェクトマネージャー業務に従事している方は、門業務に該当していないこと、
部下もいない、具体的な指示を受けいていることから一般の労働者と見なすべきでしょうか。
③ある程度の出退勤の自由とは具体的にはどのようなことを意味しますでしょうか。
④労働基準法上は賃金控除をしてはならないと明確な記載がないのですが、理由によっては賃金控除が
出来る場合がどのような時なのかを教えていただけますでしょうか。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
投稿日:2019/10/10 10:03 ID:QA-0087588
- デンさん
- 東京都/情報サービス・インターネット関連(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
管理監督者の勤怠状況の処遇への反映
▼管理監督者といっても、執行役員と呼ばれるハイレベルから、名ばかり管理職まで、そのゾーンは極めて広く、モデル設定なしに議論しても、鼬ごっこになってしまいます。
▼厚労省が説明で示すモデルは、執行役員クラスを「10」、名ばかりを「1」とすれば、世間全体の実態平均値は、「5~7」ではないかと勝手推測」しています。モデルを厳密適用すれば、7~8割は、名ばかりに近いでしょう。
▼以上、踏まえた上で、少なくも、「1日単位での出勤義務までは免除できない」という処止りです。然し、「労働時間の規制を適用しないこと」、即、「遅刻や早退が恣意的にできる」というのには違和感があります。
▼従い、一定期間の出退勤動向を賞与支給の参考とするなど。恣意的な出退勤は既得権とする考えを払拭する措置は違法だとは考えられません。遅刻・早退に対するその都度控除は無理としても、勤怠姿勢評価とすることは、係争化しても常に敗訴するとは思えません。
▼①~④の相談本題、それぞれ、グレー部分を抱えており、デジタル的答えは無理ですが、個別データの積み上げで、昇降格、賞与支給時の考慮要素としては如何でしょうか。
投稿日:2019/10/10 19:43 ID:QA-0087595
相談者より
ご丁寧なご回答ありがとうございます。
再度、社内にて検討を致します。
投稿日:2019/10/11 09:39 ID:QA-0087612大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご質問に各々回答させて頂きますと‥
①:管理監督者である以上厳格な出退勤管理は認められません。それ故、こうした賃金控除は原則不可と考えるのが妥当です。
②:ご認識の通りです。
③:①と関連しますが、遅刻早退等で一般従業員のような厳格な管理をされず賃金控除もされないという事になります。
④:①でも触れました通り、原則控除はされないのが妥当といえます。ただ欠勤控除については労務提供が全くなされない事から可能とする考え方も否定は出来ませんが、少なくとも就業規則上に欠勤控除される旨の定めがある事が必要といえます。
投稿日:2019/10/10 23:58 ID:QA-0087605
相談者より
ご回答誠にありがとうございます。
投稿日:2019/10/11 09:40 ID:QA-0087613大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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