完全週休二日制導入について
弊社は現在、月に土日祝日が1~2日出勤の週休二日制で、年間休日は105日です。将来的に完全週休二日制の導入を検討しており、社長から制度設計を進めるよう指示を受けています。
弊社は運送業で、事務職・運行職・構内作業職に分かれており、特に運行職は月に2~3日の休日出勤があるため、完全週休二日制の導入は難しいと考えています。社長からは、運行職には導入できなくてもよいとの意向も示されています。
このような状況において、職種によって完全週休二日制と週休二日制を併用することは法的・制度的に問題ないのでしょうか。
投稿日:2025/11/06 11:58 ID:QA-0160270
- 新任管理者さん
- 愛知県/運輸・倉庫・輸送(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|職種によって完全週休二日制と週休二日制を併用することは法的・制度的に
|問題ないのでしょうか。
問題はありません。但し、運用上の注意点や労使間のトラブル防止のために、
就業規則や労働条件通知書で明確に区分・記載されていることが必要です。
なお、補足までに職種間で年間休日数が異なるケースが生じる場合は、制度上の
公平性を説明できるように整理しておくことが望ましいと言えるでしょう。
(例えば、運行職は休日が少ない代わりに手当で補填されるなど)
投稿日:2025/11/06 13:36 ID:QA-0160279
相談者より
ご回答ありがとうございました。
制度導入に向けて参考にさせていただきます。
投稿日:2025/11/07 14:41 ID:QA-0160338大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
職種によって完全週休二日制と週休二日制を併用することは問題ありません。
ただし、就業規則にその旨明記しておく必要があります。
投稿日:2025/11/06 14:48 ID:QA-0160296
相談者より
ご回答ありがとうございます。
就業規則に明記があれば問題ないのですね。
投稿日:2025/11/07 14:43 ID:QA-0160339大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.法的な前提:週休二日制・完全週休二日制の法的位置づけ
労働基準法では、「週1回の休日(または4週4日)」を法定休日と定めています(労基法第35条)。
つまり、完全週休二日制はあくまで「企業の任意制度」であり、法令上の義務ではありません。
区分→内容→法的性質
週休二日制→原則週2日休みだが、月に1回以上は2日休みがある→労基法上の義務ではない(努力義務的運用)
完全週休二日制→毎週2日休み(通常は土日)→労基法を上回る企業独自制度
したがって、職種や部門によって休日数を分けること自体は法的に問題ありません。
2.職種別の休日制度併用は可能(ただし要件あり)
労基法上、休日の与え方は労働契約単位(職種・職務区分)で差異を設けても可です。
ただし、以下3点を満たす必要があります。
(1)就業規則上、休日体系を職種別に明記すること
例:
第○条(休日)
1.事務職は、毎週土曜日及び日曜日を休日とする(完全週休二日制)。
2.運行職・構内作業職は、勤務シフトにより週1日以上の休日を与える(週休二日制)。
3.会社は、業務上の都合により休日を変更することがある。
このように「職種区分+休日形態」を明確化すれば、法的整合性が取れます。
(2)同一労働同一賃金(均衡・均等待遇)への配慮
休日制度が異なることで、実質的な労働条件の差が生じるため、
とくに「職種転換」「賃金制度」「有給付与日数」などの整合性を確認しておく必要があります。
例:
運行職にのみ休日出勤が常態化している → 割増賃金や手当体系で補正
休日数が異なる → 年間所定労働時間の差に応じて賃金水準を調整(時間単価の均衡)
この点を明確にしておかないと、「休日が少ない職種の不利益取扱い」として問題視されることがあります。
(3)36協定との整合性
完全週休二日制の職種では残業が減少する一方、
運行職では休日労働(法定休日出勤)が発生するため、36協定の限度時間と実態の整合が必要です。
特に運送業は「自動車運転の業務に係る改善基準告示」の上限(2024年問題)との整合もあります。
→ 完全週休二日制導入時は、「年間拘束時間3,300時間」「1日拘束原則13時間」等も再確認が必要です。
3.制度設計上の実務ポイント
項目→完全週休二日制職種(事務職など)→週休二日制職種(運行・構内)
年間休日→120日程度→105日程度
所定労働日数→約245日→約260日
所定労働時間→1日8時間×245日=1,960h1日8時間×260日=2,080h
年間賃金設定→休日数差を考慮し、年収または時間単価で均衡を取る
就業規則→職種別休日条文を設ける
36協定→職種別・部署別で限度時間設定も可能
休日出勤手当→運行職は休日手当を明確に規定(例:3割5分割増など)
4.注意すべきリスクと対策
リスク→対策
同一労働同一賃金違反の指摘→休日数差を理由に職務内容・責任範囲・賃金基準を明確にする
運行職の過労防止(2024年問題)→拘束時間・休息期間の遵守管理(基準告示再点検)
説明義務・納得性の欠如→社内説明会・Q&A資料で休日体系の意義を説明
就業規則の不備→「職種別休日」「休日の振替・変更」「休日出勤手当」の明文化
5.結論
・職種によって完全週休二日制と週休二日制を併用することは、法的・制度的に問題ありません。
ただし、就業規則上の明記・均衡待遇の説明・36協定の整合の3点を確実に整えておくことが前提です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/11/06 15:02 ID:QA-0160298
相談者より
非常に丁寧かつ詳細なご回答をいただき、誠にありがとうございました。
ご教示いただいた内容は大変参考になり、今後の業務・検討において大いに役立ててまいります。
就業規則記載例など、参考にさせていただきます。
投稿日:2025/11/07 14:55 ID:QA-0160340大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
雇用条件
職種など雇用条件が異なる社員がいるのは珍しく無いので、完全週休2日を全ての社員に適応しなくても問題ありません。
どの職は該当し、該当しないものは何かなど、明確に就業規則で定めてあれば、社員が混乱することも防げるでしょう。期待しておいて、やはり対象外だったりすることのないよう、社内広報でも十分ご留意下さい。
投稿日:2025/11/06 17:21 ID:QA-0160302
相談者より
ご回答ありがとうございます。
全ての社員に適応しなくても問題ないのですね。
参考になりました。
投稿日:2025/11/07 14:56 ID:QA-0160341大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働契約法
以下、回答いたします。
(1)併用することは可能であると考えられます。
(2)但し、労働契約法第4条第1項に則り、例えば、1)併用せざるをえない理由、2)「休日の差異」を反映した処遇、3)併用についての今後の見通し等について、丁寧に御説明され、労働者の理解を得ることが重要であると考えられます。
(労働契約の内容の理解の促進)
第四条 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
投稿日:2025/11/06 18:12 ID:QA-0160304
相談者より
ご回答ありがとうございます。
併用の場合、従業員の理解が重要なのですね。
参考にさせていただきます。
投稿日:2025/11/07 14:58 ID:QA-0160342大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
運行職に完全週休二日制の導入は困難ということであれば、社長様のご指示どおりで差支えはございません。
企業内で職種により雇用条件が異なっていても何も問題はなく、全社員一律に完全週休2日制を採用することまで、労基法は求めておりません。
労基法が求めているのは、週に1回の休日です。
就業規則で明確にしておけばよろしいでしょう。。
投稿日:2025/11/07 07:18 ID:QA-0160310
相談者より
ご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
投稿日:2025/11/07 14:58 ID:QA-0160343大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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