欠勤控除の計算方法について
日々、拝見し、貴重な知見をいただき感謝しております。
この度、当社でも相談したい事案が発生しましたので、見解をいただきたく。
当社の給与計算では、手当の中の基準内賃金(役職手当や資格手当)と基準外賃金(住宅手当、扶養手当、赴任手当、通勤手当、残業手当など)と切り分けしております。
代休を取得した際は、0.25の割増部分を支払う必要があるため
支給金額=残業手当-代休消化分(時間額(基本給+基準内のみで時間給計算))の計算により、0.25割増分のみ支払い。
欠勤や遅刻早退の場合は
控除金額=基本給+基準内賃金+基準外賃金÷所定労働日数
で日額を出しております。
労基法に賃金の控除方法について、明確な定めがないため、会社が就業規則によって定められる点であるかと思いますが、一般的には当社の欠勤控除の計算方法となるのでしょうか?
一般的なものが代休消化の計算方法になるのであれば変更する必要があるかと考えます。
以上、ご見解をいただけますと幸いです。
投稿日:2025/09/11 08:26 ID:QA-0158094
- 模索する人事さん
- 新潟県/建築・土木・設計(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
貴社の欠勤控除の計算方法は、一般的によく採用される方法であり、
最も合理的と言えるでしょう。
ご質問者様の認識通り、労働基準法には欠勤控除の方法に関する詳細な
規定がないため、貴社のように「月給額 ÷ 月の所定労働日数 × 欠勤日数」
という計算式を、会社規定に沿って用いることは問題ありません。
ご安心なさってください。
投稿日:2025/09/11 09:59 ID:QA-0158100
相談者より
早速の回答ありがとうございました。ちなみにですが、当社では確定拠出年金制度が導入されており、利用者については、給与から控除の上、掛金を控除しております。この掛金分を月給額から控除して金額を計算しているようですが、こちらは一般的なんでしょうか?
投稿日:2025/09/16 18:22 ID:QA-0158301大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 欠勤控除の基本的な考え方
労基法には「欠勤控除の具体的な計算方法」は定められていません。
しかし 賃金全額払いの原則(労基法第24条) から、実際に労働していない時間分の賃金を控除することは適法とされています。
実務では以下の方法が一般的です:
月給制の場合
欠勤控除=(月給+手当)÷所定労働日数 × 欠勤日数
または
欠勤控除=(月給+手当)÷所定労働時間 × 欠勤時間数
→「月給に含まれる固定手当(基準内賃金+基準外手当も含む)」をベースに控除額を計算するケースが多いです。
ご質問の会社の方式
控除金額=(基本給+基準内賃金+基準外賃金)÷所定労働日数
→ 固定的に毎月支払われる手当をすべて含めて日額化して控除する方法 であり、実務的にも一般的な方式です。
2. 代休取得時の計算方法
代休は「休日労働に対する代替休暇」です。
法定休日に出勤すると 休日労働割増(35%) が発生しますが、代休を付与すれば「休日労働そのものがなかった」と評価されるため、割増賃金は不要です。
ただし、労基法37条では「代休を与えた場合でも、割増分0.35(または0.25)の支払いは必要」と解されています。
一般的な処理
支給額=(時間単価 × 割増率)× 法定休日労働時間
※時間単価の基礎は「基本給+固定的手当(基準内手当)」を用いるのが通常。
ご質問の会社の方式
支給金額=残業手当-代休消化分(時間額(基本給+基準内のみで時間給計算))
→ 実質的に「0.25割増分のみ支給する」という運用ですが、
・基礎単価に「基準内賃金のみ」を使うのは一般的な考え方に合致
・ただし、法定休日労働の場合は0.35割増が必要なので、そこは区分しているか確認が必要
3. 一般的な位置づけとの比較
欠勤控除:御社の方式(基本給+基準内+基準外を日割り)は妥当であり、一般的に行われている計算方法。
代休処理:御社の「0.25分のみ支給」方式は実務上よく見られる。ただし 法定休日労働の代休 の場合は「0.35分支給」と区別する必要がある点に注意。
4. 実務上の留意点
就業規則・賃金規程に明記
欠勤控除や代休の計算方法は「不利益変更」と誤解されやすいので、就業規則や賃金規程に根拠を明示しておくことが重要です。
固定手当の扱いの一貫性
基準外手当(住宅・扶養・通勤など)を「控除の基礎に含める」のか「含めない」のかは、会社ごとに運用が異なります。御社のように含める運用も妥当ですが、計算根拠を説明できるようにしておくとトラブル防止になります。
代休の区別
所定休日出勤(会社カレンダーの休日):0.25割増
法定休日出勤(日曜など):0.35割増
→ 代休制度とセットで運用する場合は、規程上明記すると安心です。
5.結論
欠勤控除については御社の方式は「一般的な範囲」に含まれる。
代休の割増計算もおおむね実務に沿っているが、「法定休日分」の扱いだけは注意が必要。
就業規則・賃金規程に明記しておけば、変更の必要性は低い。
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/09/11 10:06 ID:QA-0158101
相談者より
早速の回答ありがとうございました。ちなみにですが、当社では確定拠出年金制度が導入されており、利用者については、給与から控除の上、掛金を控除しております。この掛金分を月給額から控除して金額を計算しているようですが、こちらは一般的なんでしょうか?
投稿日:2025/09/16 18:22 ID:QA-0158302大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、ご認識の通り賃金の日割計算等に関しましては法的な定めがございませんし、御社の欠勤や遅刻早退もごく一般的なものと考えられます。
従いまして、現行の対応のままで問題無いですし、特に変更される必要性はございません。
投稿日:2025/09/11 23:13 ID:QA-0158157
相談者より
早速の回答ありがとうございました。ちなみにですが、当社では確定拠出年金制度が導入されており、利用者については、給与から控除の上、掛金を控除しております。この掛金分を月給額から控除して金額を計算しているようですが、こちらは一般的なんでしょうか?
投稿日:2025/09/16 18:22 ID:QA-0158303大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
ご認識どおり、欠勤控除の方法については、労基法では何ら触れられておりません。
御社の方式で差支えはなく、就業規則(賃金規定等)に定めて運用すればよろしいでしょう。
投稿日:2025/09/12 06:43 ID:QA-0158160
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/09/16 18:23 ID:QA-0158304大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
判断
一般的なとらえ方であり、現状で問題ないと思います。
投稿日:2025/09/12 11:55 ID:QA-0158185
相談者より
早速の回答ありがとうございました。ちなみにですが、当社では確定拠出年金制度が導入されており、利用者については、給与から控除の上、掛金を控除しております。この掛金分を月給額から控除して金額を計算しているようですが、こちらは一般的なんでしょうか?
投稿日:2025/09/16 18:23 ID:QA-0158305大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
追加のご質問にご回答申し上げます。
追加のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
考え方や規定等につきましては、ご説明申し上げました通りです。
追加のご質問
「当社では確定拠出年金制度が導入されており、利用者については、給与から控除の上、掛金を控除しております。この掛金分を月給額から控除して金額を計算しているようですが、こちらは一般的なんでしょうか?」について、
一般的か否かの最終の判断は、所轄の労働基準監督署が行うものと存じます。
つきましては、本ご質問は、所轄の労働基準監督署の監督官にご確認されることをお勧め申し上げます。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/16 19:14 ID:QA-0158306
相談者より
ありがとうございます。受けたアドバイスをもとに対応を検討します。
投稿日:2025/09/17 08:55 ID:QA-0158311参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
ご質問の件についても、一般的な対応と考えられます。
投稿日:2025/09/17 18:45 ID:QA-0158370
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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