育児休業等期間の社会保険料(健保・厚年)免除について
この度、社員の配偶者が出産予定である旨の申出があったため、社内制度に関する説明を行ったのですが、当該社員は入社1年未満であるため、当社規程通りの対応をする場合、当社制度の大半が対象外(労使協定を締結しています)です。
本人は「無給(※育児休業等給付は雇用保険被保険者期間12か月未満につき対象外です)で構わないので休みたい」と言っていることから、会社の休日や特別休暇・年次有給休暇等を組み合わせることで14暦日は休ませてあげたいと考えているのですが、年金機構のWEBサイトを確認したところ、
>保険料の免除を受けられる期間は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づく育児休業等期間に限ります。
との記述がありました。
と、いうことは、仮に14暦日休んだとしても、
当社育児休業等制度の対象外=法律に基づく育児休業等期間には当たらない=保険料免除の対象外
ということになるのでしょうか?
社内で育児休業対象者が出るのは初めてで、とんちんかんな質問かもしれませんが、よろしくお願いします。
投稿日:2025/05/09 08:39 ID:QA-0151985
- 零細総務さん
- 北海道/建築・土木・設計(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答させていただきます。
ご記載いただきました、会社の休日や特別休暇・年次有給休暇等を組み合わせて
お休みいただいている期間は、あくまで会社が認めた育児休業期間ではございま
せんので、ご質問者様のご記載通り、社会保険料免除には該当しないものとなり
ます。
なお、労使協定上、勤続1年未満の場合は育児休業を取得できないとされている
ようですが、こちらの解釈としては、会社は育児休業の申出があっても、
拒む権利があるということであり、会社が認めれば、育児休業を取得させること
も不可能ではありません。
会社として育児休業として認めるのであれば、手続きとしては、
健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書を管轄の年金事務所へ
提出することにより、社会保険料免除扱いとなります。
但し、留意点として、労使協定で勤続要件を設定しているにもかかわず、
要件に満たない社員へ育児休業を認めますと、認めた前例が社内で出来、
他の社員から同じ要望があった際、拒むことが難しくなるケースが考えられま
すので、認めるか否かは、慎重にご判断をいただければと思います。
投稿日:2025/05/09 09:24 ID:QA-0151986
相談者より
御回答ありがとうございました。
やはり「法律に基づく育児休業」とはならず、たとえ本人の希望を汲んで休ませたとしても、保険料免除対象とはならないということなのですね。
アドバイス頂いたとおり「イレギュラーな前例」を作ってしまうと後々困るので、育児休業として休暇を取らせることにはできません。
本人にはそのように説明し、それでも休みたいと希望する場合には、単なる休業として扱います。
参考になりました。
投稿日:2025/05/09 10:28 ID:QA-0151996参考になった
プロフェッショナルからの回答
結論から申し上げますと、おっしゃる通り、「法律に基づく育児休業」には該当しないため、厚生年金保険・健康保険の保険料免除の対象外となる可能性が高いです。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
非常に大切な論点を押さえておられるご質問だと思います。
以下の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
結論から申し上げますと、おっしゃる通り、「法律に基づく育児休業」には該当しないため、厚生年金保険・健康保険の保険料免除の対象外となる可能性が高いです。
2.理由の解説
1. 育児休業等に関する制度の根拠
保険料免除の対象になる「育児休業」は、育児・介護休業法に基づく育児休業です。
2. 保険料免除要件(年金機構の解釈)
年金機構のWEBサイトに記載の通り、「保険料の免除を受けられる期間は、育児・介護休業法に基づく育児休業等の期間に限ります。」
つまり、法に基づかない「会社独自の休業」や「単なる無給休暇」は、育児休業としては扱われず、保険料免除の対象外になります。
3.今回のケースの論点
当該社員は雇用保険の加入期間が12か月未満 → 雇用保険からの給付(育児休業給付金)は不支給
加えて、就業規則上も育児休業制度の適用対象外
したがって、たとえ本人の希望で、無給で休んだとしても、それは「法に基づく育児休業」ではなく、単なる私的な「無給休暇」扱いとなります。
→ よって、保険料免除の適用は受けられないと考えるのが適切です。
4.今後の対応のヒント
休業の形を「年休・特別休暇等」で構成することで、在職扱いを維持し、かつ本人の意向を汲む対応は現実的で人事的にも良策です。
「無給扱いの特別休暇」とした場合は、月末を跨がないように調整すると、社会保険料の取り扱いにも影響が少なく済む場合があります(※実務的に重要なポイント)。
5.補足
もし今後、社内制度を整備していくのであれば、法律上の育児休業との連動性や、独自制度でも保険料免除等の影響がないことを就業規則等に明記しておくことが望ましいです。
とんちんかんな質問どころか、非常に実務的で的確な問題意識をお持ちです。ご不安な場合は、年金事務所へ「このようなケースで保険料免除は対象かどうか」と問い合わせると確実かと存じます。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/09 09:40 ID:QA-0151989
相談者より
御回答ありがとうございます。
やはり「法律に基づく育児休業」とはならず、たとえ本人の希望を汲んで休ませたとしても、「会社独自の休業制度」あるいは「単なる休暇扱い」ということになるのですね。
年金機構へも確認した上で、本人にはそのように説明します。
どこへ相談してよいものかわからず困っていたので、大変助かりました。
投稿日:2025/05/09 10:23 ID:QA-0151993大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問の件ですが、
特別休暇・年次有給休暇のお休みの場合は、
育児休業には該当しませんので、社会保険料免除とはならず対象外になります。
なお、育休の労使協定については拒否することができるためのものですので、拒否しないで育休取得を認めることは可能です。
ただ、この方は認める、この方は認めないという場合は、合理的な理由が必要ですので、会社で明確な基準(やる気など恣意的な判断にならないようなもの)を決めて運用いただくようご注意ください。
投稿日:2025/05/09 10:24 ID:QA-0151994
相談者より
御回答ありがとうございます。
認める・認めないの根拠があいまいなままで「イレギュラーな前例」を作ってしまうと、会社として後々困るので「要件を満たしていない為、育児休業として休暇を取らせることにはできない」ということを本人に説明し、了解頂けました。
投稿日:2025/05/09 14:33 ID:QA-0152013参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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