休職から産休への移行
いつもありがとうございます。
3月に社員がメンタル不調で休職を開始しました。1か月後、妊娠が判明しました。判明後にもらった診断書の傷病名はメンタル不調のほうですが「妊娠も配慮して、6月30日まで自宅療養の必要を認める。」と記載されていました。
6月30日が近づいて様子を尋ねたところ、「実は5月に産婦人科医より『予定日の21週前から休職するように』との診断書をもらった。これをメンタルクリニックの診断書の代わりにして休職延長できるか。」と診断書写真とともに返信が来ました。なお21週前は既に過ぎていてこのまま出産・産後休業まで復職しないことになります。
1)産婦人科の診断書を根拠に会社に来ないことを続けるのはOKだと考えますが、会社として当初の原因がどうなったか確認する必要はあると思いますのでメンタルクリニックの診断書も提出させたいですが、問題ないでしょうか。
2)もらっている休職届の理由はメンタル不調でしたので、妊娠を理由にした休職届を改めて提出させるべきでしょうか。
3)産休後(あるいは育休後)の復職にあたっても、メンタルクリニックの診断書を要請してよいでしょうか。
4)また、産休後(あるいは育休後)の復職でも、復職委員会で復職可否を判断する(言い換えれば、本人の意向だけでは復職できない)ことになりますでしょうか。
5)当社は休職の上限が18か月です。仮に産休育休後もメンタル不調が回復せず休職ということになってこの上限を考えるとき、産休前の休職と後の休職の期間は通算するのでしょうか。
他にも留意すべき点があれば、ご教示よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/24 11:09 ID:QA-0154379
- Hazelnutsさん
- 東京都/その他業種(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.メンタルクリニックの診断書も改めて提出させるべきか?
→ はい、要請して差し支えありません(むしろ必要です)。
理由:
もともとの休職理由が「メンタル不調」である以上、現在の健康状態がどうなっているかを就業可否の判断材料として確認する必要があります。
仮に、今後産休・育休→復職を予定している場合でも、「妊娠による休職」でなく「メンタル不調による休職」が継続しているならば、産休・育休明けに復職可否判断を行う根拠資料としても必要です。
※配慮として「妊娠による通院や身体的負担も考慮し、診療科を問わず主治医から現在の就業可否について明確な所見をいただくようお願いする」と伝えると角が立ちません。
2.妊娠による新たな休職届を提出させるべきか?
→ 基本的には「新たな休職届」を提出してもらうのが望ましいです。
理由:
「休職の原因が変わった(精神的理由 → 妊娠・出産)」という場合には、
休職の扱い(制度適用・期間管理)も変わる可能性がある
たとえば、「妊娠を理由にした休職」は母性健康管理指導などが根拠になる場合があり、休職制度を使わず有給扱いにする判断余地も出ることがあります。
また、産前休業の取得時点で「従前の休職は終了」し、以降は法定休業期間として管理されるため、帳簿・労務管理上も区切りを明確にする必要があります。
3.産休後(あるいは育休後)の復職時にメンタルクリニックの診断書を要請してよいか?
→ はい、可能ですし、実務上も要請すべきです。
理由:
育児休業の終了により原則復職となるものの、「心身の状態により就業が困難と判断される場合」は休職の再開や就業制限が必要になるため、その判断材料として主治医の意見は不可欠です。
本人の申し出のみで「復職可」とするのは企業として安全配慮義務上リスクがあるため、医師の見解が求められます。
4.復職委員会での復職可否判断は妥当か?
→ はい、妥当です。就業規則や社内制度で整備されていれば有効です。
理由:
精神疾患や長期休職からの復職にあたっては、復職後の職場適応・再発防止の観点からも医師の診断書+社内の復職判定プロセス(人事・産業医・上司などによる復職判定会議等)を経る運用が適正です。
「本人の意向のみでは復職できない」旨を就業規則に明示しておくことが前提となります。
5.休職期間(出産前後を挟んで)を通算するのか?
→ はい、通算されるのが一般的な運用です。
理由:
出産前後休業(産前42日・産後56日)および育児休業は法定休業であり、「就業義務の免除期間」とみなされ、休職期間には算入されません。
ただし、その前後の休職は連続していると判断され、「同一事由による休職として通算される」のが一般的です。
つまり:
メンタル不調による休職(3月〜6月末予定)
妊娠により復職しないまま産前・産後休業・育児休業へ移行
↓
育休終了後もメンタル不調で復職困難なら、「前回の休職の継続」とみなされ、残りの休職上限(18か月)で判断
その他の留意点
● 就業規則の整備
「休職期間中に産前産後休業に入る場合の取り扱い」や、
「復職には会社の承認が必要」といった内容が、就業規則や休職規程に明文化されているか要確認です。
● 休職中の社会保険・給与
休職中であっても出産手当金の対象にはなるため、健保への証明書類提出時に傷病名の使い分けに注意してください(メンタル不調と妊娠由来を混在させない)。
6.まとめ(各設問への回答)
設問→回答
(1) メンタル診断書も要請可?→要請してOK(就業可否確認のため)
(2) 妊娠による休職届は必要?→提出させるのが望ましい
(3) 産後復職時に診断書要請?→可能・必要(復職判断のため)
(4) 復職は委員会判断でよい?→就業規則に定めがあれば妥当
(5) 休職期間は通算される?→される(法定休業は除外)
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/24 12:43 ID:QA-0154389
相談者より
詳細なご回答を誠にありがとうございます。
妊娠を理由とした休職届を提出させる場合、開始の日は6月25日(既存の診断書が6月24日までの療養を指示しているので)でよろしいでしょうか。また終了の日は、法定の産休に入る前日まで、が適正でしょうか。
投稿日:2025/06/24 15:35 ID:QA-0154408大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
1について・・・
問題ありません。
複数の疾病があれば、それぞれの疾病に対して会社は安全配慮義務があります
ので、診断書を提出してもらってください。
2について・・・
万が一の労務トラブルを回避する策としても、改めて休職届を提出いただいた方
が望ましいでしょう。
3について・・・
問題ありません。
復職可否を判断する上では、復職の弊害となる疾病の快復に
ついて、会社は全て確認・審議する必要があります。
4について・・・
復職委員会は貴社の体制上の話かと思いますが、復職許可を判断するのは会社
であり、会社は全ての疾病を加味して総合的に判断する必要があります。
5について・・・
産前産後休業は、法令上の休業であり、休職ではありませんので、
通算いたしません。また、産前産後休業を理由に不利益な取り扱いを
行うことも法令で禁じられております。
投稿日:2025/06/24 14:02 ID:QA-0154393
相談者より
ご回答誠にありがとうございました。
#5は、法定の産休(+育休)の前と後の休職が同一の原因だった場合に通算するのかという主旨でございました。もちろん法定の休業は計算に含めませんので、産前産後休業を理由に不利益な取り扱いを行っていることにはならないと理解いたします。
投稿日:2025/06/24 15:08 ID:QA-0154406大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.問題ありません。
2.休職と産前産後休業は別物ですので、
産前産後休業届等は提出してもらってください。
休職は会社が命じるものですが、産前産後休業は労働者の申請が
あれば、会社は休職中であれ、取得させる必要があります。
3.当然によろしいです。
4.なります。会社には安全配慮義務がありますので。
5.会社の規定にもよりますが、休職の18月は延長しません。
前段でも申したとおり、休職と産前産後休業は別物です。
6.休職は解雇猶予措置でありますが、産前産後休業とその後30日間は
解雇できないという考え方です。
ですから、休職期間満了であっても、その時に産前産後休業であれば、
その期間とその後30日間は解雇できません。
30日間経過後の判断となります。
投稿日:2025/06/24 14:50 ID:QA-0154402
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/06/25 14:52 ID:QA-0154489大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
2回目のご質問
妊娠を理由とした休職届を提出させる場合、開始の日は6月25日(既存の診断書が6月24日までの療養を指示しているので)でよろしいでしょうか。また終了の日は、法定の産休に入る前日まで、が適正でしょうか。
について、ご回答申し上げます。
再度のご質問をいただきまして、ありがとうございます。
考え方については、ご説明申し上げました通りです。
「妊娠を理由とした休職届を提出させる場合、開始の日は6月25日(既存の診断書が6月24日までの療養を指示しているので)でいいのか?また終了の日は、法定の産休に入る前日まで、が適正か?」につきましては、最終的には所轄の労働基準監督署の判断となります。よって、本質問は、所轄の労働基準監督署の監督官にご質問されることをお勧め申し上げます。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/24 16:12 ID:QA-0154414
相談者より
さっそくのご回答をありがとうございました。
投稿日:2025/06/24 16:14 ID:QA-0154415大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、1)につきましては、違法性まではないでしょうが、いずれにしても勤務困難という事でしたら、今の段階で請求される必要性はないですし、健康配慮が最優先ですので止められるのが妥当といえるでしょう。
2)につきましては、1)と同様に今すぐ書いてもらう必要性はございませんので、事後に提出して頂くのがよいでしょう。
3)につきましては、復職判断に必要不可欠ですので、その段階になった際には提出頂くべきといえます。
4)につきましては、ご認識の通りで安易に復職を決められる事は避ける必要がございます。
5)につきましては、就業規則の休職規定によります。異なる休職事由で通算される定めが無ければ、個別の事由毎にカウントされる必要があるものといえるでしょう。
投稿日:2025/06/24 22:31 ID:QA-0154441
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/06/25 09:31 ID:QA-0154463大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
1) 問題ありません。提出してもらえばよろしいでしょう。
2) 提出してもらえばよろしいでしょう。
産前産後休業は労働者の申請により取得させるものです。
3) よろしいです。
4) そうなります。
5)休職と産前産後休業は別物ですから、分けて考える必要があります。
通算することはできません。
その他留意点としましては、産前産後休業を取ったことを理由とする不利益な取扱いは禁止されておりますので、その点はよく認識しておかれたらよろしいでしょう。
投稿日:2025/06/25 10:54 ID:QA-0154483
相談者より
ご回答ありがとうございました。
#5は、法定の産休(+育休)の前の休職と、産休(+育休)が終わった後の同一の原因の休職があった場合にそれらを合算するのかという主旨でございました。もちろん法定の休業を合算するつもりはなく、産前産後休業を理由とした不利益な取り扱いには当たらないと承知しております。
投稿日:2025/06/25 17:42 ID:QA-0154496大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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