休業手当の支払い義務について
リラクゼーションサロン店舗運営をしている会社です。
店舗スタッフとお客様との間でちょっとしたトラブルがあり、
お客様からクレームを頂いてしまいました。
会社としては、当該スタッフに対し、接客技術や施術技術の
外部研修を受講する様に指示し、その研修を修了するまでは、
店舗での勤務を禁じました。
当該社員は、クレームの内容を認めたくない様で、研修を受け
ることを承諾しません。したがって、店舗勤務に復職できない
状態が続いています。
この場合、会社は当該従業員に、労基法26に定められた休業
手当を支払う義務は生じますか?
条文にあります「使用者の責に帰すべき事由による休業」に
あたるのか否かという論点になってくるかと思うのですが、
研修修了まで店舗での勤務を禁じたのは会社ですが、研修を
用意した元々の要因は、お客様とのトラブルに所以しています。
以上、よろしくお願いいたします。
投稿日:2014/06/10 11:23 ID:QA-0059165
- なんでも法務さん
- 東京都/情報サービス・インターネット関連(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
クレーム等の詳細内容が分かりませんので確答は不可能ですが、通常であれば、会社の指示に従わないものとしまして、制裁対象にも該当する行為といえるでしょう。
従いまして、就業規則上の制裁規定におきまして、出勤停止が定められていれば一種の制裁発動にもなりえますので、休業手当の支払義務はないものと考えられます。
また出勤停止の定めが無くとも、出社自体を禁じているわけではございませんので、休業命令とは異なるものとしてやはり支払義務は生じないものといえます。
但し、会社から研修を命じている以上、当人が研修に出席した場合には通常の賃金支払を行う事が求められますので注意が必要です。その旨をきちんと説明すれば、当人も敢えて研修を拒む事はないでしょう。
投稿日:2014/06/10 11:51 ID:QA-0059168
相談者より
ご回答、ありがとうございました。
通常、業務命令としての研修を受講しないのであれば、懲戒対象として、
出勤停止や自宅待機という流れになり、その根拠をもって、休業手当を
支給するしないの判断をするかと思うのですが、現状、創業間もなく、
労務管理上の色々なルールや制度を検討中で、就業規則の整備が
追いついていない状態です。
早急に整備・届出をしなければならないと考えておりますが、そのような
現状では、懲戒とはできないので、業務指示としての自宅待機命令に
基づき、休業手当の支給という考え方をせざるを得ないでしょうか?
投稿日:2014/06/10 12:15 ID:QA-0059169大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事下さいまして有難うございます。
「早急に整備・届出をしなければならないと考えておりますが、そのような
現状では、懲戒とはできないので、業務指示としての自宅待機命令に
基づき、休業手当の支給という考え方をせざるを得ないでしょうか?」
― 先の回答でも申し上げました通り、文面を拝見する限りでは出社自体を禁止しているわけではございませんので、就業規則が無くとも会社の命令に従う義務は労働契約に伴うものとしまして通常履行しなければなりません。
従いまして、当人が研修を拒んで勝手に出社しないという事であれば一種の職場放棄に該当しますので、自己都合の休業(無断欠勤)としまして休業手当の支払いは不要といえるでしょう。
但し、逆に店舗勤務には当たらなくとも当人が出社してきた場合には、会社として何らかの業務に当たらせなければなりませんので通常の賃金支払が必要になります。その際、再度指示に従わず命じた業務を遂行しなかった場合は労働しているとはいえませんので賃金や休業手当の支払いは不要といえます。或いは、出社してきたにもかかわらず何ら仕事を命じずに帰宅させた場合には、休業手当の支払義務が生じる事になります。
投稿日:2014/06/10 13:20 ID:QA-0059171
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
稚拙な文章で申し訳ございませんでした。
背景をご説明させていただくと、
当該のスタッフは店舗での施術サービス提供を前提としたパート
従業員で、店舗での業務を禁じるので、本社に来て事務仕事して
という具合にすることが難しい状態です。
「研修修了まで店舗での勤務を禁じる」としている現状の場合、
イコール「出社を禁じる」という解釈もできてしまうのかなぁ、と
考えている次第です。
職場放棄(自主都合の休業)の場合は、休業手当の支給が発生し、
出社を禁じると解釈した場合休業手当の支給が義務となるという
解釈でよろしいでしょうか?
投稿日:2014/06/10 14:11 ID:QA-0059174大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
まず、ご質問の内容であれば、本人の能力・マナーが不足しているために、会社が研修を命じているわけですから、研修自体が業務の一環であり、休業手当ではなく、通常賃金の支払いが必要です。
クレームがあったからすぐに出勤停止という話は通常はありえませんので、今回のように
トラブルとなる可能性が大きくなりますし、出勤停止について何日間かその間の賃金の支払について等規定が必要です。
投稿日:2014/06/10 13:55 ID:QA-0059173
相談者より
ご回答ありがとうございます。
研修を受講させている時間分の給与は業務としての指示ですので、給与が発生すると考えておりますが、研修修了を店舗に復職する条件とした為、まだ、研修を受けていない期間の休業手当の支給について、どのようにすべきか悩んでおります。
投稿日:2014/06/10 14:24 ID:QA-0059176大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件2
再度、回答させていただきます。
まず、このスタッフはクレームの内容を認めていないようですので、お客さんのクレームが
全て正しいのか、本人の言い分が正しいのか、会社として事実確認が必要です。
本人がどこが悪いのかわからないようでは、研修を受けたところで、改善のしようがないからです。ですから、会社は、接客と施術でどかが悪かったのか、会社の求めるところはどこなのか、本人に説明しする必要があります。注意や指導で治らないようであれば、本人に納得して、
外部研修に出てもらうことです。
また、雇用契約書、外部研修の時期や期間にもよりますが、頭ごなしに研修にでるまでは
出勤禁止というのは行き過ぎの感がします。この辺は、今までもこのようなクレームが、数回
あったのか、クレームの内容の事実確認等により客観的合理性と社会通念上の相当性が
求められます。
休業手当の必要性も、詳細により変わってきますが、休業手当を支払えば問題が解決する
とも思えません。
結論として、
事実確認のうえ、外部研修が本当に必要なのか、必要であれば、そのことを本人にも、よく
注意・指導、説明し、業務命令として、研修を命ずること。
この業務命令が、権利乱用にあたらなければ、スタッフの業務命令違反や無断欠勤となる。
ただし、現状、上記のステップを踏まずに、研修に出なければ出社禁止と同時に宣告して
しまってるようなので、スタッフの感情を逆なでし、さらなるトラブルに発展する可能性も
ありますので、本人とお互いによく話し合うことをお勧めします。
投稿日:2014/06/10 20:53 ID:QA-0059177
相談者より
ご考察、ありがとうございます。
クレームの内容についてですが、男性スタッフと女性顧客との間の
”故意に触った、いや触ってない”という様な内容で、痴漢行為の
それに類するようなものです。クレームを発した女性顧客にも、
スタッフにも面談の上、事実確認を行いましたが、双方の言い分は
食い違い、平行線です。
故意でなかったせよお客様に誤解を与えてしまったのは事実です
ので、会社としては、同類のクレームの再発防止の為、施術技術、
接客技術のレベルアップ研修を受けてほしいと考え、複数回、
お願いしていますが、当該のスタッフは、受講=非を認める
という意識が強い様で、研修受講を拒否しています。
研修自体は、3~4日程度のものです。
今回のクレームは、お客様から店舗ではなく、お客様から店舗を
統括する本部の方へ直接、発せられたため、少々事が大きくなって
しまいました。何らかの対策をして、お客様や本部に説明責任を
果たす責務があると考えており、一旦、研修修了まで、店舗業務
にはつかないでという事になりました。
当該のスタッフは、それを受け、休業手当の支給を求めてきた次第です。
今後、解雇等にも発展することも踏まえ、先生のご意見をお伺い
出来たら幸いです。
投稿日:2014/06/10 22:10 ID:QA-0059178大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
処理
そもそものクレームに対し、スタッフが納得いかないという事態がかなり深刻で、手当の問題以上に社員管理におけるトラブルが解消されていないと思います。セクハラで訴えるというところまで事態がエスカレートしている事実について、「社員として」どう対応すべきかが、全く納得できていないと感じますので、今研修に出したところでおそらく聞く耳を持たないのではないでしょうか。
手当の支払いより、会社と該当社員、クレーム客と会社という間でのエスカレーションが懸念されます。女性客に男性社員が触れる業務であれば、当然予期すべき事態であり、社員の言うように、全く社員に瑕疵がなくとも訴えを起こされるリスクのあるものだと思います。一方的に手当未払などで社員を追い詰めるより、社員の意識がそうした事態を想定していたのか、そもそも会社はそういったことを事前に理解させていたのかなど、互いの足りないところを補てんし合う機会となれば、今後に生きるかと思います。そうした歩み寄りを拒否する社員であれば、服務違反(命令拒否)などで解雇もあり得ますが、本件一回だけでは、会社が深刻な損害賠償が確定したりしなければ逆に社員から訴えられるリスクが高いように感じます。
投稿日:2014/06/10 23:45 ID:QA-0059181
相談者より
コメントを頂きありがとうございました。
幸い店舗とお客様との間では、クレームの後、誠意
をもって対応し、大きなトラブルにはなりませんで
した。
先生のご指摘の通り、会社も創業間もなく、労務
管理のノウハウ、規定の整備等、未熟なところが
あります。従業員も増えてまいりましたので、
今後、強化して行かねばならないと考えていた
ところです。
会社と当該スタッフ間では、完全に信頼関係は
崩れており、休業手当、慰謝料、謝罪を求めて
きており、歩み寄りの気は無い様です。
落とし所に悩みます。
投稿日:2014/06/12 21:18 ID:QA-0059231大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事下さいまして誠に有難うございます。
「職場放棄(自主都合の休業)の場合は、休業手当の支給が発生し、 出社を禁じると解釈した場合休業手当の支給が義務となるという解釈でよろしいでしょうか?」
― 前者については休業手当支払義務は発生せず、後者については義務が発生します。
いずれにしましても、勤務形態・従業員側の不可解な対応・就業規則の未整備等特殊な事情が絡み合っての事案ですので、まずはこうした場合に制裁が出来るよう就業規則の整備を進められる事をお勧めいたします。
投稿日:2014/06/11 09:30 ID:QA-0059185
相談者より
ありがとうございます。
ご指摘の通り、ひとまず、キチンとした就業規則の整備に本腰を入れて取り組みます。
投稿日:2014/06/18 10:22 ID:QA-0059284大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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