認知症の社員に対する退職手続き
	認知症を患い、業務の遂行が困難な為、退職する社員がいます。
 病状はそれほど重くないため、通常の会話は可能です。
 よって本人の意向もあり、退職すること自体は特に問題ではないのですが、退職手続き書類(具体的には離職票、退職金(企業年金)の請求書 等)を記載することが出来ません。記載を促しても、もちかえり確認するという一点張りです。この場合、代わりに配偶者に書類を記載していただくことは、法律上問題ないのでしょうか。成年後見人という制度があるようですが(不勉強でよくわかりませんが)そこまで必要でしょうか。また、同じくメンタル面の病気によって、退職したにも関わらず退職金の請求書類の提出を拒んでいる社員がいます。こちらについても弟さんが代理になるという申し出があるのですが、法的に問題はあるのでしょうか。
 どうぞよろしくお願い致します。    
投稿日:2009/09/10 18:27 ID:QA-0017424
- *****さん
- 東京都/人事BPOサービス(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
自署ができない場合の対応について
                上記質問について、回答させていただきます。
 【認知症のケース】
 まず、成年後見制度についてですが、成年後見制度は精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。
 成年後見制度に対して、任意後見制度があります。この任意後見制度は本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です(公正証書を作成します)。なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ選任しておいた任意後見人を家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。
 上記のような内容から判断すると成年後見制度等を活用することは手続的にも、時間的にもかなりの手間を要するので、今回のケースでは、別の手だてを検討された方がよりよいと思われます。
 1つの方法としては、強制的に退職の手続きを進めること(職務に耐えられないことによる普通解雇)で、対応をとるという方法も考えられます。
 ただ上記の手段は、あまりにも強制的すぎますので、会社として誠意ある対応をとるという意味で、①代理署名の委任状・覚書等を準備した上で、配偶者の方に代理署名をしていただく、②代理署名が難しいことも予想されますので、ご家族(顧問弁護士の方いれば、顧問弁護士も含めて)の立会のもと、本人に署名していただくことも一つの方法かと思われます。(続く)                
投稿日:2009/09/10 22:43 ID:QA-0017429
相談者より
投稿日:2009/09/10 22:43 ID:QA-0036808大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
自署ができない場合の対応について(続き)
                【メンタル不全のケース】
 このケースについては、退職に関してトラブルが生じていないことを前提に回答させていただきます。
 そもそも退職金に関しての請求書類の提出を拒んでいるということであれば、そのまま様子を見るのも1つの手段であると考えます。会社として、ある程度誠意を見せるということであれば、書類提出についての内容証明の書類を先方に送付した上で、一定期間相手の反応をうかがった上で、そのままにしておくこともあるのではないでしょうか。
 退職金の請求権については、5年で時効消滅する債権ですので、そのままにしておくことでの対応も1つであると考えます。
 ただ、どうしても書類を提出して欲しいということであれば、【認知症のケース】のような委任状による代理署名もしくは、家族等の立会の元、本人に署名をしていただくという方法もあると考えます。                
投稿日:2009/09/10 22:45 ID:QA-0017430
相談者より
投稿日:2009/09/10 22:45 ID:QA-0036809大変参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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