グループ企業での募集・労働条件が異なる場合
下記の場合、有料職業紹介の免許を持った紹介企業から依頼企業へ求職者の紹介が可能か。
親会社が複数の子会社の採用を一括して行います。
※在籍出向・転籍の可能性はありません。
すでに委託募集の届け出は出されています。
ただ子会社のうち、1社給与に差異があります。
宜しくお願いいたします。
投稿日:2025/09/16 16:05 ID:QA-0158285
- お好み焼きさん
- 東京都/広告・デザイン・イベント(企業規模 501~1000人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
子会社のうち1社だけ給与に差異があるという点については、求職者に対して
その条件を正確に提示していれば、法的な問題にはなりません。
一方、グループ一括求人として条件を区別せず一本化してしまいますと、
子会社のうち1社は、給与条件が異なることとなりますので、虚偽求人や
労働条件明示義務違反にあたるリスクがあります。
よって、紹介会社は、求職者に対して、どの会社の求人か、またその給与体系
や条件を含めた労働条件を正確に伝える義務があると言えます。
大切なのは、求人票に記載されている労働条件と、実際の労働条件に相違がない
ことであり、求職者がその条件に納得した上で応募・就職する限り、紹介行為は
問題ありません。
投稿日:2025/09/16 17:02 ID:QA-0158289
相談者より
ご回答ありがとうございました。
また、グループで一括で採用する際、
求人票に各社ごとの内訳を明記すれば問題ないとなりますでしょうか。
投稿日:2025/09/16 17:13 ID:QA-0158291大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします(追加回答)
以下について、追加回答させていただきます。
|求人票に各社ごとの内訳を明記すれば問題ないとなりますでしょうか。
上記の対応をいただければ、求職者は労働条件を正確に把握することができます
ので、問題が生じることはないでしょう。
投稿日:2025/09/16 17:32 ID:QA-0158295
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/09/17 09:26 ID:QA-0158316大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.前提の理解
親会社が複数の子会社の採用業務を「一括して」行っている。
在籍出向や転籍は予定していない(=採用されたら、直接その子会社と労働契約を締結)。
委託募集の届出はすでに提出済み。
子会社間で労働条件(給与など)に差異がある。
有料職業紹介事業者から紹介を受けたい。
2.ポイントとなる法令
職業安定法第32条の3(求人の受理)
有料職業紹介事業者は「求人者」と紹介契約を結ぶ必要があります。
この「求人者」とは、最終的に労働契約を結ぶ主体=子会社です。
委託募集の届出(職安則第4条)
親会社が子会社に代わって募集業務を行う場合、委託募集の届出が必要。
(ご質問では既に提出済みなので問題なし)
求人条件の明示義務(職安法第5条の3、則第3条)
紹介先ごとに、労働条件(賃金・労働時間・勤務地等)を明示しなければならない。
3.実務上の考え方
有料職業紹介事業者が紹介する際には、
「どの子会社の求人であるか」
「その求人の労働条件(給与水準を含む)」
を明確にしておく必要があります。
複数の子会社をまとめて「グループ企業求人」として受理することは可能ですが、
労働条件に差がある場合は「別求人」として取り扱う必要があります。
例:
子会社A:月給25万円~
子会社B:月給23万円~
→ この場合、紹介事業者側では「子会社A求人」「子会社B求人」として別扱い。
親会社が窓口となっていても、紹介先(労働契約の相手方)は子会社ごとに明示することが必須です。
4.まとめ
紹介は可能です。
ただし、労働契約を締結する子会社を特定し、その会社ごとに労働条件を明示する必要があります。
グループ企業一括採用の形であっても、給与差異がある場合は「別求人」として処理すべきです。
実務対応としては、職業紹介会社に求人票を出す際に、子会社ごとに求人票を作成していただく形が最も確実です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/16 17:58 ID:QA-0158300
相談者より
ご回答ありがとうございました。
別求人で取り扱うとのことわかりました!
投稿日:2025/09/17 09:26 ID:QA-0158317大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
情報提供
以下、情報提供いたします。
(1)職業安定法では、求人等に関する情報について、「虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない。」とされています。
(2)「令和4年 改正職業安定法Q&A」では、「虚偽の表示」、「誤解を生じさせる表示」それぞれについて次のような説明がなされています。
1)まず、「虚偽の表示」については、
※ 例えば、求人情報を提供するときに意図してその情報と実際の労働条件を異ならせた場合や受理していない求人を紹介できると広告した場合には、虚偽の表示に該当。
2)次に、「誤解を生じさせる表示」については、
※ 虚偽の情報でなくとも、一般的・客観的に誤解を生じさせるような表示は、「誤解を生じさせる表示」に該当。
※ 「誤解を生じさせる表示」をしないよう、例えば以下のような点に留意する必要がある(指針第4の2)。
・ 関係会社・グループ企業が存在している企業が募集を行う場合に、実際に雇用する予定の企業と関係会社・グループ企業が混同されることのないように表示しなければならないこと。
(例)優れた製品開発実績を持つグループ会社の実績を大きく記載し、あたかもその求人企業の実績であるかのように表示する。
(参考)職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針
第四 求人等に関する情報の的確な表示に関する事項(法第五条の四)
二 誤解を生じさせる表示の禁止
職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者及び労働者供給事業者は、広告等により求人等に関する情報を提供するに当たっては、求職者、労働者になろうとする者又は供給される労働者に誤解を生じさせることのないよう、次に掲げる事項に留意すること。
(一) 関係会社を有する者が労働者の募集を行う場合、労働者を雇用する予定の者を明確にし、当該関係会社と混同されることのないよう表示しなければならないこと。
投稿日:2025/09/16 21:48 ID:QA-0158308
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/09/17 09:27 ID:QA-0158318大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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