女性の生理休暇や生理痛による欠勤について
大学の教員です。就活に備えて学生を指導する立場にあるため、お聞きしたいのですが、生理痛による体調不良を訴える女子学生に、就職後はどの程度生理休暇や、その理由での欠勤が認められると説明したらいいでしょうか?最近生理痛を訴えて欠席する女子学生が以前に比べて格段に増えています。学生は生理痛でいくらでも授業が休めると思い込んでいる様子ですが、逐一医療機関を受診するわけでもない口頭だけでの体調不良は、生理痛に限らず自己都合欠席として扱わざるを得ないため、大学でも悩みの種です。どれくらいの頻度で就職後、生理休暇を取れるのか、職場での欠勤が許容されるのか心配です。昔の感覚では就職後は女性は本当にひどい場合も生理休暇は言い出し難く、かつ取りにくかったため、重い症状の場合は在学中に産婦人科などでの治療を勧めて、何か原因がある場合は就職までに治しておくよう勧めていますが、実際のところは現在はどうなのか教えていただけると就活指導に役立ち助かります。どうかよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/30 08:48 ID:QA-0156008
- 大国さん
- 大阪府/教育(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
大学で就職指導に携わっておられる教員として、生理痛による欠席と「社会に出たときの現実」とのギャップに悩まれているとのこと、非常に現場的で重要なご質問です。
以下に、法制度、実際の運用、そして学生への説明の観点で整理してご説明申し上げます。
1. 【法的枠組み】生理休暇の制度
・労働基準法 第68条
「生理日の就業が著しく困難な女性労働者が請求した場合には、使用者は生理日に就業させてはならない。」
請求があれば、会社は休ませる義務があります(有給とは限りません)。
医師の診断書は原則不要です。
「著しく困難な場合」という文言があるため、軽い腹痛程度ではなく、業務に支障があるレベルの症状が前提とされます。
・ 有給か無給か?
法律上は無給でも合法です。
ただし、会社によっては就業規則で有給扱いにしたり、他の休暇(年休、特別休暇等)と組み合わせて運用しているケースもあります。
2. 【実務上の現実】生理休暇の取得実態
・ 実際の取得状況(例:厚労省・民間調査など)
生理休暇制度があっても、取得率は非常に低い(5~10%程度)。
理由→職場の理解不足
言い出しづらい雰囲気(特に男性上司・同僚が多い職場)
同僚の目が気になる
年次有給休暇で対応する女性が多い
・代替的対応
実際には「生理休暇」とは言わず、年次有給休暇や時間単位年休で処理している人が多数。
フレックスタイムやテレワーク、短時間勤務など柔軟な働き方制度の利用も増えている。
3. 【学生への説明のポイント】現実的でバランスの取れた指導を
以下のように説明することをおすすめします。
・「就職後も制度はあるが、運用には限界がある」
「生理休暇は法律で保障されているけど、実際には会社の風土や職場の雰囲気、業務の状況によっては取りにくいこともあるのが現実です。」
・「年次有給休暇などでカバーされることが多い」
「生理痛が重い場合は、有給休暇を使って休む人も多いです。でも有給も限られているし、毎月休むと同僚への負担が増えるから、自分の体の状態と相談しながらうまく付き合っていく必要があります。」
・「医療的ケアを含めて、自分で体調管理を」
「学生のうちに婦人科などで相談し、重い症状があるなら治療を受けて、就職後に困らないように備えることも大切です。」
・「会社によって制度や雰囲気に差がある」
「柔軟に対応してくれる会社も増えているけど、どんな会社に入るかでかなり違います。入社後に『想定と違った』とならないように、面接や企業研究で福利厚生や働き方の制度もチェックしましょう。」
4. 【教員としての対応】大学での出席扱いの判断について
ご指摘の通り、大学では医師の診断書がない「口頭の申告」のみでは、出席扱いにするかどうか慎重な判断が必要です。以下のような方針が考えられます。
一定回数以上繰り返される場合は、医療機関の受診を勧める。
学生に「社会人になったときの現実」も伝える。
軽微な体調不良は自己管理の範囲であることを伝える。
5. 【今後の動向】
近年はフェムテックや女性の健康課題への関心が高まっており、生理休暇を取りやすくする会社や自治体も増加傾向です。
とはいえ、「制度」と「実態」のギャップがあるため、社会人としての現実的な自己管理能力は求められます。
6.まとめ(学生への伝え方の例)
「生理痛は辛いものだけど、社会に出ると毎月のように体調不良で休むのは難しくなります。生理休暇制度はあるけど、現場では言い出しにくい雰囲気もまだあるので、学生のうちに自分の体を知って、必要なら医療機関で相談しておくことが大切です。企業によっては柔軟な働き方を認めてくれる所もあるので、就活のときにきちんと調べることも必要です。」
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/07/30 09:40 ID:QA-0156023
相談者より
詳細なご回答をどうもありがとうございました。具体的な数値も示していただき大変参考になりました。
投稿日:2025/08/04 09:35 ID:QA-0156233大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、生理休暇に関しましては、労働基準法第68条におきまして、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。」と定められています。
従いまして、基本的には日数制限等はなく上記に該当する限り生理休暇を取得する事が可能です。取りづらい等というのは会社側の責任ですし、そのような違法行為を容認されるかのような話をされてはいけません。
勿論、就業が困難な状態である事が求められますので、その辺は通常の疾病等と同様に判断されるべきですが、個人差もございますし詳細は個別に専門医に相談される等での対応が妥当といえます。素人の立場から安易なアドバイスをされる事は基本的に避けられるべきといえるでしょう。
投稿日:2025/07/30 09:40 ID:QA-0156025
相談者より
ご回答及びアドバイスをどうもありがとうございました。今後の参考にさせていただきます。
投稿日:2025/08/04 09:36 ID:QA-0156235大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
労基法上も、女性労働者の権利として、生理日の就業が著しく困難な女性労働者が
請求した場合には、使用者は生理日に就業させてはならないとされております
が、生理休暇に対する取扱いは、企業によって温度感がかなり違います。
というのが、企業人事で20年以上勤めてきた、私の所感です。
温度感が高い会社では、すでに生理休暇という名称変更や、女性社員の申告
しづらさから申請フローを通常とは変えて、女性管理者へ申請することや、
給与に対しても、本来、法令上は無給でも構わないところ、全て有給休暇扱い
とするなど、本当に企業によって、千差万別の印象を持ちます。
その為、具体的に一概にこうであるということも言い難いものと思案いたします
が、社会的には、当然のこととして認められてきている傾向はございます。
曖昧な回答とはなりますが、当方としては、就職合同説明会等の個別面談時に、
必ず、女性の企業採用担当者へ質問する事項としていただくことを、お勧め
いたします。フォーマルな通常面接ではなく、カジュアルな就職合同説明会
であれば、ほとんどの採用担当者は、ざっくばらんにご説明をいただけるかと
存じます。
投稿日:2025/07/30 11:31 ID:QA-0156042
相談者より
ご回答及び有用なアドバイスをどうもありがとうございました。会社説明会などに参加する折に女性社員の方にお聞きする方法があるのは心強いですね。参考にさせていただきます。
投稿日:2025/08/04 09:39 ID:QA-0156236大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
労基法68条に以下のように定めがあります。
「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させることはできません。」
生理日の就業が著しく困難な女性とは、
生理日において下腹痛、腰痛、頭痛等により就業が困難な女性をいい、
従事している業務を問わず休暇を請求することができます。
休暇の日数については、生理期間、その間の苦痛の程度あるいは就労の難易は各人により異なるものであり、就業規則その他によりその日数を限定することはできません。
休暇の請求は、必ずしも暦日単位で行うものではなく、半日又は時間単位で請求が行われた場合には、使用者はその範囲で就業させなければよいものです。
また、生理休暇は無給としているケースが多いです。
投稿日:2025/07/30 11:57 ID:QA-0156045
相談者より
ご回答どうもありがとうございました。無給であれ法的には取得可能は可能なのですね。参考になりました。
投稿日:2025/08/04 09:42 ID:QA-0156237大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
指導
長年様々な大学でキャリア講座や就職セミナーを担当しています。
学生は労働環境や条件を気にするものですが、現実の姿は平均値やあるべき論ではなく、「勤め先による」といえます。
変に都合よく勘違いさせないためにも、勤め先の就業環境は会社次第であり、大手企業になれば、その快適さは相対的に高い可能性が高く、その分入社のハードルも上がると指導しています。
中小企業がダメという意味では全くなく、世間相場などに気を取られて、非現実的な企業選択をすれば、確実に就活に苦しむことになります。
学生人気の高い有名企業は旧帝クラスでも全く楽観できない、実態は超「買手市場」です。
狙い目は上場大企業でも学生知名度のないB2B企業です。学生が働いてみるまで実態はわからない労働環境において、希望に近い確率は高まります。
学生は初任給や平均残業時間など、実態とは必ずしも異なる情報でも、数字だけに目がいくのが普通なので、私たち社会人経験者や経営経験者が、理論上と実態が異なっている社会の仕組みを指導することは非常に重要なキャリア教育だと考え、今も実践しています。
投稿日:2025/07/30 12:47 ID:QA-0156049
相談者より
ご回答及びキャリア指導のアドバイスをどうもありがとうございました。やはり企業さんごとに異なる条件を、就活にあたっては自分自身のために丹念に調べる必要がありますね。とても参考になりました。
投稿日:2025/08/04 09:46 ID:QA-0156239大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
女性の生理休暇に関しては、デリケートな問題であり、男性にはわからないものです。
就職後はどれくらいの頻度で生理休暇が取れるのかに関していえば、「生理日の就業が著しく困難な女性から請求があった場合、必要な日数、時間、当該女性を就業させてはならない」とされており、有給か無給かは問われません。
生理日の休暇は、就業が著しく困難な事実がある限り請求し得るものであって、生理痛にも個人差があり、その日数を客観的な基準により前もって就業規則等に定めることもできません。
したがって、どれくらいの頻度で就職後、生理休暇を取れるのか、職場での欠勤が許容されるのかについては、明確な回答というものはございません。
自然に任せるしかありません。
投稿日:2025/08/02 11:40 ID:QA-0156207
相談者より
ご回答どうもありがとうございました。参考になりました。
投稿日:2025/08/04 09:34 ID:QA-0156232大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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