ダレのための解禁日なのか?
アイデム人と仕事研究所 研究員
関 夏海
2018年3月卒業予定者(以下、18卒学生)の就職活動状況は、当研究所の調査によると、内定獲得率が8月1日時点で83.1%、前年同期比で2.8ポイント増となっています。
新卒市場全体が前年より早い進捗となっているのかと思いきや、そうではないようです。18卒学生対象の採用活動状況は、当研究所の7月1日時点の調査で63.6%が「現在行っている(広報活動やその準備も含む)」、8.8%が「既に終了している」となっています。前年同期比で「現在行っている」割合は7ポイント増、「既に終了している」は11.8ポイント減となりました。企業の進捗は前年と比べると遅くなっています。前年である2017年3月卒業予定者(以下、17卒学生)と18卒学生の採用活動には、なにか違いが生まれているのでしょうか。
解禁日はいる? いらない?
日本経済団体連合会の「採用選考に関する指針」では、17卒学生と18卒学生の両方で、広報活動解禁日を3月1日、選考活動解禁日を6月1日としています。この指針は「絶対に守らなければならない決まり」ではありませんが、各経済団体への呼びかけもあり、多くの学生・大学・企業が活動スケジュールの目安としています。
上記について、17卒学生及び18卒学生に対し、就職活動“解禁日”の必要性を聞いています。17卒学生では、「必要だと思う」が23.2%、「どちらかと言えば必要だと思う」が30.3%でした。18卒学生では、「必要だと思う」が23.6%、「どちらかと言えば必要だと思う」が29.7%でした。53~54%は必要と思っているようで、傾向の違いはありませんでした。
これら解禁日について、企業側はどう思っているのでしょうか。17卒学生の採用活動に関する企業調査では、広報活動についても、選考活動についても、「解禁日は必要である」との回答が7割程度を占めました。学生よりも企業のほうが、解禁日を設定する必要があると感じているようです。
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