業務指示を聞かない従業員への対応について
お世話になっております。
業務指示に従ってくれない従業員がいます。
会社としてどのような対応を取ればよいかご教授いただきたく存じます。
以前、該当の従業員は早出残業中に労災を起こしたたため、作業部門から事務部門へ配置転換し今後は作業はしないように従業員説明会を実施、かつ個別にも指示をしました。
にもかかわらず、作業が回らないといって勝手に事務作業を離れて作業をしてしまいます。
また労災を起こした際も、本来の出勤時間は8:30~なのですが、5:00~出勤をするなど、こちらが早出を辞めていただきたい旨を伝えても本人判断で早出
をし、他の従業員が不在の際に労災発生しております。
説明わかりづらく申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。
投稿日:2025/04/22 12:38 ID:QA-0151301
- くにひでさん
- 愛知県/その他業種(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論(対応の方向性)
「業務命令違反」に該当する可能性が高く、段階的な注意・指導とともに、懲戒処分等も視野に入れた対応が必要です。
2.想定される法的・就業規則上の問題点
業務命令違反(就業規則違反)
→ 配置転換後の業務に従う義務を怠っており、懲戒事由に該当する可能性あり。
職場の安全配慮義務違反(本人による)
→ 勝手に早出し、安全確保されていない時間帯での作業を行い、再び労災リスクを発生させている。
秩序違反行為(企業秩序を乱す行為)
→ 上長や会社の指示を再三無視しており、他の社員にも悪影響。
3.段階的対応のフローチャート
段階→内容→実施方法
(1) 注意・指導(非公式)→まずは口頭で再度指導し、理由を確認記録を残す(日時・内容)
(2) 書面での指示・指導→「業務指示書」や「念書」など文書で明示→書面でサインを求めることで証拠化
(3) 懲戒処分の検討→再三の指示違反 → 戒告、けん責等の軽懲戒処分から段階的に就業規則の懲戒事由に基づいて実施
(4) 労務管理上の最終対応→就業継続が困難な場合、退職勧奨や懲戒解雇も視野に弁護士等と相談の上で慎重に実施
4.実務での対応例(ひな型)
業務命令書
従業員:○○ 様
所属:〇〇部
あなたに対しては、令和◯年◯月◯日に実施した従業員説明会において、今後は作業業務から外れ、事務業務に従事するよう会社方針として明確に説明しました。また個別に対面でも再三にわたり、同様の指示を行いましたが、下記のような指示違反が確認されました。
・作業現場での業務従事(令和◯年◯月◯日など)
・早朝5時からの出勤(始業前指示なしの出勤)
これらの行動は、就業規則第◯条「業務命令への違反」、および「職場秩序を乱す行為」に該当する可能性があり、重大な安全管理上の懸念でもあります。
つきましては、以後このような行為が繰り返された場合、懲戒処分の対象となることを通告いたします。誓約内容について下記へ署名の上、提出を指示いたします。
【誓約書】
今後は会社の指示に従い、事務部門の業務に専念いたします。早出出勤についても、会社の許可なしに行いません。
令和◯年◯月◯日
氏名:________
5.補足:懲戒処分に進む際の注意点
就業規則に「懲戒事由」「処分内容」が明記されているか確認
過去の注意指導歴(記録)をすべて保管しておく
いきなり重い処分ではなく、「段階的な注意→処分→改善機会」を確保することが重要
6.まとめ
問題点 対応策
指示に従わない(業務逸脱) 口頭・書面での再三の指導。文書で記録を残す
安全管理上の問題(再度の労災リスク) 指示違反のリスクとして強く警告。今後の行動を誓約させる
懲戒処分を検討したい 就業規則に沿って、段階的処分と改善機会の付与が必要
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/04/22 14:59 ID:QA-0151309
相談者より
ご回答ありがとうございます。
就業規則の懲戒事由にも該当していますので、先生のおっしゃる通り、会社として段階を踏んで対応したいと思います。
投稿日:2025/04/22 21:11 ID:QA-0151324大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
本ケースでございますが、会社としては歴然とした態度で、
該当社員の方と向き合ってください。
再三の注意にも関わらず、業務指示に従わない場合は、
貴社の懲戒規定の対象となることを事前にお伝えください。
指導の履歴は、誰が・いつ・どこで・何を言ったのか・の記録は、
最低限残しておくことが重要です。
その上で、業務指示に従わない場合は、歴然とした態度で、
懲戒処分をご判断ください。
業務指示に従わない1人の勝手な行動で、貴社として重大な事故にも
繋がりかねないインシデントかと存じます。
なお、勝手に事務作業を離れて作業をする件でございますが、
他のマネジメント職の方は、見て見ぬふりの環境があるのでしょうか?
仮にそうであるならば、管理監督責任がマネジメント職の方にありますので、
こちらも指導が必要です。
投稿日:2025/04/22 16:06 ID:QA-0151312
相談者より
ご回答ありがとうございます。
会社として毅然として対応します。
投稿日:2025/04/22 21:14 ID:QA-0151325大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、従業員は雇用契約に基づき会社の業務指示に従う義務がございます。雇用という性質からも最重要ともいえる義務になります。
従いまして、これを受け入れない従業員につきましては、重大な契約不履行となりますので、最終的には懲戒解雇も可能といえます。
先ずは当人に改めて契約上会社の指示に従う義務が有る事及び改善されなければ解雇の対象になり得る旨を明確に伝えるべきです。それでも尚聞き入れない場合には、就業規則の定めに基づき懲戒解雇の措置を採られる事で差し支えないものといえるでしょう。
投稿日:2025/04/22 16:09 ID:QA-0151313
相談者より
ご回答ありがとうございます。
就業規則の懲戒事由にも該当しておりますので、まずは再三の注意勧告、誓約書と段階を踏んで対応します。
投稿日:2025/04/22 21:16 ID:QA-0151326大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
残業禁止命令
【御相談】
業務指示に従ってくれない従業員がいます。会社としてどのような対応を取ればよいのでしょうか。
【回答】
勝手に残業をしているのであれば、この従業員から、改めて、その理由を聴取しては如何でしょうか。
そして、これに基づき、関連する業務の内容・体制の適否について点検しては如何でしょうか。
これらの上で、就業規則に基づき、残業禁止の業務命令を出すことが考えられます。その際、この従業員に対して、命令を発出する理由(安全配慮義務の履行、企業秩序の維持等)及び、関連する懲戒規定の内容を説明しては如何でしょうか。
投稿日:2025/04/22 17:10 ID:QA-0151319
相談者より
ご回答ありがとうございます。
会社として残業を認めない旨を伝えても、勝手に残業する場合ですが、残業代を支払う必要あるのでしょうか?
回答への質問となってしまい申し訳ございません。
投稿日:2025/04/23 22:51 ID:QA-0151404大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
・まずは、会社としては、注意・指導を繰り返し、
その記録は残してください。
・次に、懲戒規定に基づき、懲戒処分を検討、実施してください。
はじめは、戒告として、始末書取るなどからでしょう。
さらに改善の余地がなければ、重い処分としてください。
投稿日:2025/04/23 14:09 ID:QA-0151356
プロフェッショナルからの回答
ご相談内容に回答いたします
従業員が会社からの再三の注意、指導にもかかわらず業務指示に従わないケースにおいては、会社として毅然たる対応が必要であると考えます。
現在の状態が改善されないまま放置されることで、社内の規律が乱れたり、他の社員の仕事に対するモチベーションの低下を招く他、その従業員自身に再度労働災害が発生した場合には会社側の安全配慮義務違反が問われる可能性があります。
最終的には懲戒処分を科すケースも想定した対応をとることになります。
その場合に、まず初めに行うべきは、該当従業員の業務命令違反の内容を記録し文書化することです。
例えば、勝手に事務作業を離れて作業を行った日時や内容、早出勤務の出勤実績やその際の業務内容や労災発生状況、配置転換・指示の内容など、その都度で違反した事実および指示内容の記録を残します。
次に、これらの記録を踏まえて「業務命令違反」として正式な是正指導を行います。
注意・指導にあたっては、面談終了後に注意・指導内容を具体的に記録した書面(注意指導書や是正指導書等)を残していくべきこととなります。
また注意・指導の内容を記録した書面について、従業員本人のサインがあればベストですが、サインをしない場合には本人に渡したり、内部記録(面談メモ等)として残しておいたりするだけでも良いでしょう。
そのようにすることで、従業員に対して充分に反省を促し、自発的な改善を促す効果があるといえます。
再度の業務命令違反があれば、その事実を記録として残し、それを踏まえて面談を行い注意・指導を行っていきます。
繰り返される業務命令違反と注意・指導によっても改善が見られない場合には、最終的には懲戒処分を行います。
懲戒処分を実施する場合も、懲戒処分を行う具体的な理由(懲戒処分に該当する具体的な事実)について書面等で明確にしておくようにするべきです。
加えて、従業員に対しては弁明の機会を与える必要がある点にご留意ください。
懲戒処分をする際に弁明の機会を与えることは法律上義務づけられていませんが、適正な手続に則って行われたかどうかといった懲戒処分の相当性を判断する際に重視されます。
なお、同種の規定違反行為が繰り返された場合、最初は軽い処分を科したとしても、労働者の態度に反省が見られないことから、2回目以降は徐々に重い処分を科すことになると考えられます。
投稿日:2025/04/23 19:20 ID:QA-0151392
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
他の従業員への影響等も問題ししております。
段階を踏んだ上で早急に対応します。
投稿日:2025/04/24 09:51 ID:QA-0151418大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問への回答
御質問をいただきまして有難うございます。以下、回答させていただきます。
【御質問】
会社として残業を認めない旨を伝えても、勝手に残業する場合ですが、残業代を支払う必要はあるのでしょうか?
【回答】
神代学園ミューズ音楽院事件(東京高判平成17年3月30日)では、使用者の明示の残業禁止命令に反した時間外労働について、労働時間への該当性が否定されています。
即ち、使用者の明示の残業禁止命令に反して労働者が時間外又は深夜にわたり業務を行ったとしても、これを賃金算定の対象となる労働時間と解することはできない旨としています。
この事件では、残業禁止命令とともに、残務がある場合には役職者に引き継ぐことも命じており、こうした形で、残業禁止命令を徹底することは有益であったと考えられます。
投稿日:2025/04/23 23:25 ID:QA-0151405
相談者より
ご回答ありがとうございます。
ご教示いただきました判例を踏まえ、しっかり証拠を残し慎重に対応したいと思います。
投稿日:2025/04/24 09:50 ID:QA-0151417大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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