契約書への時給表記について
いつも参考にさせていただいています。
最低賃金が更新されることになり、時給パートさんの雇用契約書を作成しなおしています。
これまで、賃金のお支払いを、週18時間のパートさんで、時間給1,000円と毎月の処遇改善手当として20,000円をお支払いしてきました。
今年度の賃金改定から、毎月お支払いしている手当を含む計算方法で、時給改定をクリアしようと考えております。手当を入れて時給計算に直すと、十分最低賃金はクリアできるとは思いますが。
そうなると、どのように表記するのが良いでしょうか。初めてのことで困っています。
-----------------
現在の表記方法
時間給 1,000円
処遇手当 20,000円 毎月支給
------------------
当地域は1047円以上にならないと駄目なようです。
投稿日:2025/09/26 11:33 ID:QA-0158714
- 人事若葉さん
- 岡山県/電機(企業規模 6~10人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
毎月固定的に支給する残業、通勤、皆勤、家族手当以外の手当は、
最低賃金の計算に含めることは可能ですので、
現在の表記方法で、問題はありません。
ただし、厚生労働省はその目的から、処遇改善手当を除いても、
最低賃金の要件を満たすことが望ましいとはしています。
投稿日:2025/09/26 17:18 ID:QA-0158741
相談者より
ありがとうございます。最低賃金の高騰に追いついていないのが申し訳ないです。
投稿日:2025/09/29 09:36 ID:QA-0158813大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
最低賃金法上の時間給につきましては、
毎月固定的に支払われる処遇改善手当も含まれ、つまり、
「時間給 + 処遇改善手当の時間あたりの金額」で時間給は決定します。
時間給が最低最低賃金以上であることを明確にするには、処遇改善手当を
廃止して、時給に含むことも一案ですが、処遇改善手当の月額記載に、
時間換算額の情報を盛り込むことも可能です。
<例>
処遇改善手当 20,000円(時給換算額:256円相当)
時給換算額相当の計算式
・現在の時給:1,000 円
・週の労働時間:18 時間
・月の労働時間(1 ヶ月を 4.33 週として概算):18 時間 ×4.33=77.94 時間
・月額の処遇改善手当:20,000 円
・処遇改善手当を時給換算した額:20,000 円 ÷77.94 時間 =256.6 円
投稿日:2025/09/26 17:24 ID:QA-0158744
相談者より
ありがとうございます。パートさんが理解してくれるように丁寧に説明、明示したいです。
投稿日:2025/09/29 09:37 ID:QA-0158814大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 最低賃金のカウント対象
原則:最低賃金をクリアしているかどうかの判定は、「所定労働時間に対して必ず支払われる賃金」で計算します。
→ 基本給(時間給)や、毎月固定的に支払われる手当(職務手当・処遇改善手当など)が対象です。
除外されるもの:割増賃金(残業・深夜・休日)、臨時的手当、実費弁償的な手当(通勤費など)。
したがって、毎月必ず支払う「処遇改善手当」も、性質によっては最低賃金の算定に含めることが可能です。
2. 表記方法の考え方
今回のケースでは、
時給1,000円
処遇改善手当 20,000円/月
という形を「最低賃金換算」できるようにしたい、ということですね。
ただし 契約書の記載は、あくまで実際の支給形態に沿って明示する必要があり、単純に「時給換算して○○円」とまとめて書くと、後でトラブルになる恐れがあります。
(例:手当が毎月固定支給であることが曖昧になる、割増賃金の基礎単価計算に混乱が出る、など)
3. 実務上の記載例
次のような書き方が望ましいです。
(例1)従来通りに分けて記載
賃金形態:時給制
時間給 :1,000円
処遇改善手当:20,000円/月(毎月定額で支給)
→ この場合でも「手当を含めた総支給額で最低賃金をクリアしている」ことを別途説明すれば足ります。
(例2)最低賃金を意識して時給相当額を明示
賃金形態:時給制
時間給 :1,000円
処遇改善手当:20,000円/月(毎月定額で支給)
※上記を合わせると、実質的な時間当たり賃金は1,050円(週18時間勤務の場合)となり、最低賃金を下回らない。
→ 計算根拠を注記しておくことで、後日の誤解を防げます。
(例3)手当を「時給に組み込んで表記」
もし今後、手当を分けずに「基本時給」としてまとめたいなら、次のように修正することも可能です。
賃金形態:時給制
時間給 :1,050円
(内訳:基本時給1,000円+処遇改善分50円)
→ この場合、処遇改善手当という項目を廃止して「時給に上乗せする形」に整理します。
ただし、給与規程や処遇改善加算の説明との整合性を取る必要があります。
4. 実務上の注意点
割増賃金の基礎単価
時給+毎月固定手当を含めた金額で計算すべきか、契約書上の時給部分で計算すべきか、整理が必要です。
「処遇改善手当を割増賃金算定の基礎に含める」と明記するかどうかを検討してください。
行政対応
労働基準監督署や最低賃金の確認時には「時間給+毎月定額支給の手当」で計算することを説明できれば問題ありません。
書面で「最低賃金を下回らない」と注記しておくと安心です。
5.まとめ
契約書は実態に合わせて「時給+手当」と分けて記載するのが基本。
どうしても「時給一本化」したい場合は、手当を廃止して「時給に組み込む」形に変更する。
割増賃金算定や処遇改善加算との関係も確認のうえ、注記を加えるとトラブル防止になる。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/26 17:31 ID:QA-0158748
相談者より
ありがとうございます。いろいろな説明パターンを提示していただき助かります。パートさんが納得いただけるように説明します。
投稿日:2025/09/29 09:38 ID:QA-0158815大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
人事的なポイントは「時給千円」という表記で機能するかどうかだと思います。
最賃を下回る給与しか出さない会社というのは、レピュテーションリスク含め、普通はネガティブな人事政策と取られます。
給与表示でも堂々と最賃はクリアしていると表記するのが普通かと思います。
一方、採用・人手には不自由していないなど、個別環境、各社事情は考慮しない一般論として申し上げました。
投稿日:2025/09/26 18:02 ID:QA-0158760
相談者より
ありがとうございます。そうなんです、最低賃金でしか、お給料が出せないのが実情です。
投稿日:2025/09/29 09:39 ID:QA-0158816大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、結果としまして最低賃金を実際にクリアする支給額になるという事でしたら、表記方法については普通に時給額を記載される事で差し支えございません。
それよりも問題になるのは、処遇手当の廃止になります。
つまり、時給額に手当額分を含められるとしましても、手当の廃止自体が労働条件の不利益変更に該当しますので、実施の際には少なくとも労働者に対し変更の事情等を丁寧に説明され、かつ各個別の労働者の賃金が以前より下回る事が無いようにされる事が不可欠といえます。
投稿日:2025/09/26 19:17 ID:QA-0158765
相談者より
ありがとうございます。今のところは手当は継続していきますがいずれ、国の政策でなくなった時のこと考えておかないといけないですね。
投稿日:2025/09/29 09:42 ID:QA-0158817大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
家族手当、通勤手当、精皆勤手当、法定の割増賃金、1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金、臨時に支払われる賃金は最低賃金の計算対象から除外されます。
そのため、毎月の処遇改善手当として支払われる20,000円は、最低賃金の計算基礎に含めることは可能ですので、結果、最低賃金をクリアすれば現在の表記方法で問題はありません。
投稿日:2025/09/27 10:17 ID:QA-0158785
相談者より
ありがとうございます。そうなんです、クリアはするんですけど、パートさんが納得できるよう説明します。
投稿日:2025/09/29 09:43 ID:QA-0158818大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
参考表記
以下、回答いたします。
(1)最低賃金額との比較において、時給制の場合はそのまま、月給制の場合は「月給÷1箇月平均所定労働時間」で算出するものとされています。
(御参考)最低賃金のチェック方法は?(厚生労働省)
https://saiteichingin.mhlw.go.jp/point/page_point_check.html
(2)本件の場合、処遇手当に関しては、以下により算出されるものと認識されます。
処遇手当(月給):20,000円
1箇月平均所定労働時間:18時間*(365日/7日)週/12月
(3)表記の方法としては、上記(2)の金額はあくまで最低賃金額と比較するために得られたものであることから、例えば、以下のように「参考」として記述することが考えられます。
時間給 1,000円
処遇手当 20,000円 毎月支給
(参考)以上の金額は、最低賃金額(1047円)と比較する場合、1255.7円に相当するものです。
投稿日:2025/09/28 18:58 ID:QA-0158798
相談者より
ありがとうございます。基本給+諸ぐ改善で、換算した1時間当たりの金額を明示して話をしようと思います。
投稿日:2025/09/29 09:44 ID:QA-0158820大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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