従業員と社員の違いについて解説
「従業員」と「社員」という二つの言葉を感覚的に使っていることは多いのではないでしょうか。トラブルを防ぐためにも、言葉の違いを理解しておくとよいでしょう。
1. 従業員とは
まず、従業員の意味を確認します。広辞苑では「業務に従事している人」、大辞林では「雇われて業務に従事している人」と定義しています。
つまり、従業員とは企業の業務に従事している人を指し、社内で雇用されている人であれば、誰でも従業員といえます。
2. 社員とは
一方、社員は複数の意味を持っています。広辞苑では以下のように定義しています。
(2)会社に勤務する人。会社員。
引用元:岩波書店(2008,2009)「広辞苑 第六版」
(2)は、従業員とほぼ同じ意味ですが、(1)は従業員の定義とは異なります。そのため、株主を含めずに「社員」という言葉を使うのであれば、あらかじめ但し書きをしておくと誤解を生まずに済みます。
大辞林の定義についても確認します。
(2)《法》 社団法人・社団の構成員。株式会社の構成員は株主とよばれる。
引用元:三省堂(2019)「大辞林4.0 ATOKクラウド辞典版」
こちらも広辞苑と同様に、二つの意味があります。(2)は法律の観点から定義しており、広辞苑と同様に、株式会社の場合には株主も社員に含むとされています。文書や法的なやりとりの中で「社員」という言葉を使うのであれば、株主も含まれているという意識を持つとよいでしょう。
3. 「従業員」と「社員」の違い
とはいえ、「従業員」と「社員」は法律で明確に区別されているわけではありません。そのため、社内の就業規則で定義を示すなどして区別をする必要があります。
辞書の意味を踏まえれば、従業員は会社に雇われている人全員を指します。一方で株式会社の法的な概念でいえば、社員には株主も含まれています。この違いをベースに定義を示しておくと、対外的にもわかりやすいはずです。
ちなみに、厚生労働省が示しているモデル就業規則では、従業員と社員の定義まではしていません。ただし、従業員は労働者(会社に雇用される人)の表現の言い換えとして使われています。一方、社員は「正社員」「臨時社員」「準社員」など雇用の種類を区別するために使われています。言葉の違いを区別しにくいと感じる場合には参考にするとよいでしょう。
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「従業員」と「社員」の違いについて
お世話になっています。
大変初歩的な相談で申し訳ありませんが、今回「従業員」と「社員」の違いについて、役員から明確に定義するようにと指示を受けました。私自身普段意識せずに社内で使用していたのですが...
- やっちゃんさん
- 愛知県 / 輸送機器・自動車(従業員数 1001~3000人)
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