最低賃金改定に伴う対応と確認ポイント
今年も最低賃金の引き上げ時期が近づいてきました。全国加重平均は31円で、過去最大の引き上げとなります。
改定後の最低賃金は、10月上旬から中旬にかけて順次発効されるようです。そこで、今回は最低賃金の改定に伴って自社で必要になる処理について、確認事項とともにまとめていきます。
残り1ヶ月ともなれば、すでに準備を進めておられるご担当者もいらっしゃるかと思いますが、再度の確認も兼ねて、ぜひチェックしてみてください。
最低賃金改定に伴い確認したいこと
まずはじめに、以下の項目について把握・確認を行いましょう。
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最低賃金が適用される労働者の確認をする
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最低賃金が適用される賃金の種類を確認する
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自社における賃金額の確認をする
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就業規則など賃金記載書類の確認をする
最低賃金が適用される労働者の確認
最低賃金は「時給」で設定されているため、時給制での雇用が多いパートやアルバイトなどに意識が向きがちですが、日給制・月給制なども含め、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。漏れのないように注意しましょう。
最低賃金が適用される賃金の種類を確認
最低賃金が適用されるのは、毎月決まって支払われる賃金、いわゆる「所定内給与」です。
残業代や休日手当などを含む「所定外給与」は対象外となります。
ですが、「所定内給与」に含まれる諸手当のうち、精皆勤手当、通勤手当、家族手当は対象外とされていますので注意しましょう。
自社における賃金額の確認
次に、上記をふまえ現在の賃金額を確認していきましょう。
時給制の場合は、雇用契約書や給与計算システムなどから、比較的簡単に確認ができるかと思いますが、日給制や月給制の場合は、1時間あたりの金額を算出し、時間給が最低賃金を下回らないかを確認するようにしましょう。
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<計算例>
日給制の場合:日給÷1日の所定労働時間
月給制の場合:月給÷1ヶ月の平均所定労働時間
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就業規則など賃金記載書類の確認
最後に、賃金が記載されている各種書類や箇所について確認し把握しておきましょう。
給与規定を見直した場合、それらの資料に修正箇所が発生するかもしれません。加えて、求人募集を行っている場合も、給与表記の修正が必要になることがありますので、併せて確認しておきましょう。
最低賃金の改定はほぼ毎年実施され、近年では引き上げ幅も多くなってきており、最低賃金改定の影響を受ける企業も少なくありません。
日頃から、賃金を記載する箇所をリスト化しておくと、毎年の作業が軽減されますので、ぜひ今年からでも実践してみてください。
最低賃金を下回っている場合の対応
もし、自社で支払われている賃金が最低賃金を下回ることがわかった際には、速やかに見直しの検討を進めましょう。万が一、従わなかった場合は、最低賃金法の違反として罰則が課せられます。
“ 地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。”(最低賃金制度とは - 厚生労働省 より引用)
昨年につづき、今年も大幅な引き上げ額となったため、対応を余儀なくされる企業が多いことでしょう。残り約1ヶ月ありますが、上でご紹介した確認事項や給与規定の見直しなど、余裕を持って進めておくことをオススメします。
なお、最低賃金に関することは、厚生労働省が運営する「最低賃金制度(https://pc.saiteichingin.info/)」という専用サイトにて紹介されておりますので、詳しくはそちらをご確認ください。
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