資格取得の奨励金制度の規程条文について
お世話になっております。
いつも、拝見および相談をして大変助かっております。
当社、「資格取得奨励金制度」があります。
資格ごとに難易度を設定し、取得後申請すると〇万円支給される。
というものです。
現在、外国人の人材も増え、
先日、中国出身の中国人の方から中国語検定の申請があり、
困惑した状態になりました。
本件、日本人が日本語検定を受けて申請するものと同じかと思われます。
そこで、規程の条文に「母国語」や「出身国」などの記載をすると
差別などにあたってしまうものでしょうか?
具体的には
「語学に関連する資格を取得し申請する場合は母国語以外のものとする」
かと思っています。
もし可能であれば、他の回避方法などあれば
ご教授いただきたく存じます。
投稿日:2025/09/12 15:20 ID:QA-0158197
- プラスさん
- 福岡県/不動産(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
資格取得奨励金制度については、会社としてその目的、性質など
ルールを決めて問題ありません。
「語学に関連する資格を取得し申請する場合は母国語以外のものとする」
としても問題はありません。
むしろ、明確にしておけば、トラブル回避となります。
投稿日:2025/09/12 16:40 ID:QA-0158205
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 法律上の観点
労働基準法・労働施策総合推進法(旧均等法の趣旨含む)
「国籍や出身国による差別禁止」があります。
今回のように「母国語資格は除外」と条文化する場合、「外国人だからダメ」という表現に見えてしまうと差別的取り扱いと受け取られるリスクがあります。
ただし、「業務に資するかどうか」という合理的理由に基づく区別であれば問題ありません。
2. 実務上の整理
日本人従業員が「日本語検定」を受けて申請した場合 → 奨励金対象外とするはず。
外国籍従業員が「母国語(中国人→中国語)」の検定を受けた場合 → 同様に対象外とすることは「合理的区別」であり、差別にはあたりません。
要は、日本人・外国人を問わず「母語に該当する資格は奨励金の対象外」とすれば公平性が担保できます。
3. 規程条文例(修正案)
差別的な表現を避けつつ、実務上の線引きを明確にするには次のように定めるのが安全です。
(奨励金の対象資格)
第○条 本制度における資格取得奨励金の対象は、会社が指定する資格であって、業務遂行上有益と認められるものとする。
2 語学に関する資格については、従業員の母語に係るものを除く。
4. 回避策(他の表現方法)
より「差別」と受け取られにくい表現にする場合、以下の方法も考えられます。
(1)「業務上必要性」で切る
「会社が必要と認める言語に関する資格」と定める。
→ 日本語検定や中国語検定など、母語能力証明は通常業務に不要であるため、自然に対象外とできる。
(2)「指定資格リスト方式」
規程には「別表:対象資格一覧」を設け、そこにTOEIC・TOEFL・HSK(中国語を外国語として学ぶ人向け)など必要な資格を明示。
→ 「日本語検定」「母国語検定」は最初からリストに入れない。
5. まとめ
「母国語資格を除外する」こと自体は差別ではなく合理的運用可能。
ただし「国籍」や「出身国」という言葉を使うと差別と誤解されやすいので避けるべき。
安全策は「母語」「業務上有益性」「対象資格リスト」などの表現でルール化。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/09/12 17:40 ID:QA-0158211
相談者より
条文の例まで、ありがとうございます。
参考にさせてもらいます。
投稿日:2025/09/12 19:21 ID:QA-0158215大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
母国語や出身国という言葉を規定に使うことは、国籍を理由とする不合理な
差別と見なされる可能性もゼロではありませんので、避けていただく方が
良いでしょう。
以下のように、奨励金の支給対象となる資格について、
業務上の必要性に基づいて限定する文言を追加する方が適切です。
業務上必要と認められる資格であり、かつ、新たな知識・技能の習得を
目的とするものに限る。
上記の文言があれば、本事案の問題が生じることはないでしょう。
投稿日:2025/09/12 17:46 ID:QA-0158212
相談者より
ありがとうございます。
「新たな知識」は、母国語と明記しなくても、そちらでカバーできそうですね。
参考にさせていただきます。
投稿日:2025/09/12 19:23 ID:QA-0158216大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
一般的には資格なら何でもありとはせず、対象資格を列挙するか、あるいは「会社の承認を得た資格」などとします。
国籍やら母国語のような曖昧な運用は避けましょう。
投稿日:2025/09/12 19:57 ID:QA-0158219
プロフェッショナルからの回答
例示
以下、回答いたします。
「例」をつければ、誤解の回避につながるのではないかと思われます。その際には、「日本人」と「外国人」を並べて記載することが考えられます。
【一案】
「語学に関連する資格を取得し申請する場合は、次の例示に則り母国語以外のものとする」
[例]
日本人が英語検定を受けたものや、アメリカ人が日本語検定を受けたものは、申請可。日本人が日本語検定を受けたものや、アメリカ人が英語検定を受けたものは、申請不可。
投稿日:2025/09/12 19:57 ID:QA-0158220
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
中国出身の中国人が中国語の検定試験を受けるというのは、普通に考えてもあり得ない話であって、穿った見方をすれば奨励金目的、あるいは、制度の趣旨を正しく理解できていないということが考えられます。
資格取得奨励金制度は、御社独自の制度ですから、どのようなルールを設けるかは御社の判断で差し支えはなく、文面にあるようなルールを設けても何も問題はありません。
差別を云々する場面でもありません。
投稿日:2025/09/13 07:33 ID:QA-0158224
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、こうした資格支援制度に関しましては、会社が任意で定めて運用するものになります。
そして、その内容に関しまして法令違反や明確な人種差別等が含まれていますと当然認められませんが、外国人労働者が日本で勤務される際にが語学関連の資格を母国語以外とされる措置については、勤務との関連性の観点からすれば差別に当たるとは言い難いので問題はないものといえるでしょう。
勿論、こうした内容について中国人等特定の国籍の方のみを対象とされる措置については差別行為に当たるものといえますので、外国人全員に適用される事が必要です。
投稿日:2025/09/13 18:59 ID:QA-0158237
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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