育児・介護のための所定外労働の免除と時間外労働の制限について
弊社の育児・介護休業等に関する規則では育児・介護のための所定外労働の免除と時間外労働の制限が同じ条文にまとめて書かれています。
所定外労働の免除は社員を除外する場合労使協定が必要、時間外労働の制限については労使協定は必要ないという認識で合っていますか。
また規程例ではそれぞれ別の条文となっていますが、同じ条文にすることは問題ないでしょうか。
投稿日:2025/08/29 16:55 ID:QA-0157491
- こば3さん
- 佐賀県/販売・小売(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 所定外労働の免除(残業免除)
根拠条文:育児・介護休業法第17条
内容:小学校就学前の子を養育する労働者や、介護対象家族を介護する労働者は、請求により「所定外労働(残業)」を免除してもらえる。
除外のための労使協定:この免除の対象から一部の業務に従事する労働者(例えば、管理職的な業務をする人や専門的業務従事者など)を除外する場合には労使協定の締結が必要です。
2. 時間外労働の制限(残業時間の上限制限)
根拠条文:育児・介護休業法第16条
内容:3歳に満たない子を養育する労働者や、介護対象家族を介護する労働者は、請求により「1か月24時間・1年150時間」を超える時間外労働の制限を受けられる。
労使協定の要否:この制度については、除外のために労使協定を結ぶ仕組みはなく、労働者が請求すれば会社は応じなければならないとされています。
3. 規程の条文構成について
厚労省のモデル規程や多くの企業規程では「所定外労働の免除」と「時間外労働の制限」を別条文に分けています。
ただし、法的には同じ条文にまとめても問題ありません。要は「それぞれの制度の内容と、労使協定の要否が混同されずに明確に記載されているか」が重要です。
実務上は、誤解を避けるために分けて書くほうが望ましいですが、まとめても適法性に問題はありません。
4.結論
ご認識のとおり、
・所定外労働の免除 → 除外するには労使協定が必要
・時間外労働の制限 → 労使協定は不要
規程を同じ条文にしても違法にはならないが、運用上は分けて書いたほうが分かりやすいと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/29 17:56 ID:QA-0157497
相談者より
丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 10:58 ID:QA-0157554大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労使協定の件に関しましてはご認識の通りですが、時間外労働の制限については労使協定を締結されても対象除外とする事が認められないという意味で不要という事になります。
そして、条文の構成等について特に法的決まりはございませんので、どちらでも差し支えございません。
投稿日:2025/08/29 19:20 ID:QA-0157502
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 10:58 ID:QA-0157555参考になった
プロフェッショナルからの回答
育介法
【御相談】
(1)所定外労働の免除は社員を除外する場合労使協定が必要、時間外労働の制限については労使協定は必要ないという認識で合っていますか。
(2)規程例ではそれぞれ別の条文となっていますが、同じ条文にすることは問題ないでしょうか。
【回答】
(1)御理解の通りです。
(2)法律上問題ありません。
(御参考)育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
第六章 所定外労働の制限
第十六条の八 事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との【書面による協定】で、次に掲げる労働者のうちこの項本文の規定による請求をできないものとして定められた労働者に該当しない労働者が当該子を養育するために請求した場合においては、所定労働時間を超えて労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。
第七章 時間外労働の制限
第十七条 事業主は、労働基準法第三十六条第一項の規定により同項に規定する労働時間(以下この条において単に「労働時間」という。)を延長することができる場合において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者であって次の各号のいずれにも該当しないものが当該子を養育するために請求したときは、制限時間(一月について二十四時間、一年について百五十時間をいう。次項及び第十八条の二において同じ。)を超えて労働時間を延長してはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。
投稿日:2025/08/29 20:01 ID:QA-0157504
相談者より
ご回答いただきありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 11:01 ID:QA-0157558大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
合っています。
あくまで、規定例・参考例ですから普通は別々に条文化されていますが、本来、どのように記載するかは企業の判断で差し支えはなく、同じ条文にしたからといって何も問題はありません。
投稿日:2025/08/30 09:54 ID:QA-0157509
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 11:02 ID:QA-0157559参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|所定外労働の免除は社員を除外する場合労使協定が必要、時間外労働の制限
|については労使協定は必要ないという認識で合っていますか。
↓ ↓ ↓
所定外労働の免除の適用除外者を設ける場合には労使協定が必要です。
時間外労働の制限については、そもそも適用除外要件が設けられておりません。
|また規程例ではそれぞれ別の条文となっていますが、同じ条文にすることは
|問題ないでしょうか。
↓ ↓ ↓
同じ条文でも可です。後は、見やすさ・運用のしやすさで分けるかどうかは
判断していただければと思います。
投稿日:2025/09/01 07:34 ID:QA-0157523
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/09/01 10:56 ID:QA-0157553参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.適用除外の労使協定については、ご認識のとおりです。
2.同じ条文にすることは、避けた方がよろしいでしょう。
そもそも、間違いやすいところですし、
同じ条文にした場合には、労使ともに、混乱するだけです。
投稿日:2025/09/01 09:06 ID:QA-0157528
相談者より
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/09/01 10:55 ID:QA-0157552大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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