令和7年10月施行「柔軟な働き方を実現するための措置」について
日頃参考にさせていただいております。
令和7年10月から「柔軟な働き方を実現するための措置」が施行となりますが、当方では5つある措置の中から
① 始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差勤務) ※8時間勤務
② 短時間勤務 ※6時間勤務
を導入する方向で規定整備している段階です。
ただ、厚労省のモデル規程例や法律・施行規則条文を見ると、3歳未満の子を養育する従業員の短時間勤務では、「1日の所定労働時間が6時間以下である従業員」からの申し出は拒むことができるとされておりますが、3歳から小学校就学前までの子を養育する従業員の「柔軟な働き方を実現するための措置」ではこの文言が削除されており、言葉どおりの解釈なら「1日の所定労働時間が6時間以下である従業員」から申し出があった場合、会社は申し出を拒めないことになってしまいます。
こんな人がいるのかいないのかは別として、そうなると仮に1日の所定労働時間を4時間で契約している従業員から、少しでも長く働いて所得を増やしたいからこの制度を利用したい、と言われた場合、会社は認めなければならなくなるのでしょうか?
長文となり、申し訳ありませんが、ご教示のほどよろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/13 12:13 ID:QA-0156628
- **匿名希望**さん
- 山形県/その他業種(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、当該短時間勤務の措置に関しましては、「一日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの」と示されています。
従いまして、1日の所定労働時間が6時間以下である従業員については、さらなる勤務時間の短縮をされる法的義務迄は生じないものと解されます。
投稿日:2025/08/18 10:27 ID:QA-0156675
相談者より
懸念していた点が晴れました。
ご回答有難うございました。
投稿日:2025/08/18 14:58 ID:QA-0156732大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 改正の趣旨
現行制度(3歳未満)
→ 短時間勤務制度の義務化(1日6時間~を上限として労働時間短縮を選択できる制度)。
→ 施行規則に「既に所定労働時間が6時間以下である従業員からの申出は拒否できる」と明記。
改正制度(3歳~就学前)
→ 「柔軟な働き方を実現するための措置」のいずれか2つ以上導入義務。
→ 措置の一つとして「短時間勤務」が列挙されているが、条文上は「6時間以下の従業員は除外できる」という但書は削除されている。
2. ご懸念の論点
1日の所定労働時間が4時間の従業員から「短時間勤務制度を利用したい(さらに短くしたい、または長くしたい)」と申し出があった場合、会社は拒めるのか?
条文どおり読むと「拒否できないのでは?」という懸念が生じます。
3. 法令・通達の解釈
厚労省は今回の改正趣旨を「子の年齢に応じた柔軟な働き方の選択肢を広げる」ことと説明しています。
一方、短時間勤務制度の本来の趣旨は “労働時間を短くして育児時間を確保する” ことにあります。
よって、「もっと長く働きたい」というニーズはこの制度の対象外です。
長時間勤務を希望する場合は 所定労働時間の変更(雇用契約の見直し) で対応すべきであり、「柔軟な働き方措置」の枠組みではありません。
また、今後出される省令・指針やQ&A(ガイドライン)で、現行の「6時間以下の従業員は除外できる」趣旨を踏襲する形で整理される可能性が高いと見込まれます。
4. 実務的な考え方
短時間勤務制度は「さらに短くする」ための制度と位置付ける。
例:8時間勤務 → 6時間勤務へ短縮。
既に4時間契約の人が「短時間勤務を希望」と言ってきても、制度趣旨と異なるため対象外と説明可能。
長時間化の要望は別途「雇用契約変更」で対応」と区分けする。
柔軟措置ではなく、本人の契約変更申出として処理。
就業規則や制度設計時に、
「短時間勤務制度は所定労働時間を短縮する制度である」
「既に短時間勤務契約をしている従業員は対象外とする」
と明記しておくとトラブル防止になります。
5. まとめ
ご懸念のとおり、条文から「6時間以下は除外」の明文がなくなったため誤解を招きますが、
制度趣旨はあくまで「所定労働時間を短くして育児時間を確保する」こと。
したがって、4時間契約の従業員が「もっと長く働きたい」と申出ても「柔軟措置の短時間勤務」には該当せず、会社は拒否できます。
実務上は「所定労働時間の延長希望=雇用契約の見直し」という別ルートで対応します。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/18 10:31 ID:QA-0156676
相談者より
懸念していた点が晴れました。
分かりやすく、詳細なご回答をいただきまして、大変参考になりました。
有難うございました。
投稿日:2025/08/18 15:00 ID:QA-0156734大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|日の所定労働時間を4時間で契約している従業員から、少しでも長く働いて
|所得を増やしたいからこの制度を利用したい、と言われた場合、会社は
|認めなければならなくなるのでしょうか?
↓ ↓ ↓
認める必要はありません。
多少なりとも不安が残るようであれば、会社規程内に、本制度の利用により
1日の所定労働時間を延長することはできないと追文すると良いでしょう。
柔軟な働き方を実現するための措置は 、仕事と育児の両立を支援する趣旨で
設けられたものであり、立法趣旨的にも、長く働きたいから使うということ
までは、そもそも想定されておりません。
投稿日:2025/08/18 13:10 ID:QA-0156719
相談者より
懸念していた点が晴れました。
ご回答有難うございました。
投稿日:2025/08/18 14:58 ID:QA-0156733大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
短時間勤務は6時間を含めばよしとされています。
その場合、もともと6時間以下の社員は、そのことをもって、
2つのうちの一つを選択したとはなりませんが、
1つが選択できれば、その理由として、
同一労働同一賃金の観点から説明がつけば、問題ないとされています。
投稿日:2025/08/18 17:13 ID:QA-0156760
相談者より
懸念していた点が晴れました。
ご回答有難うございました。
投稿日:2025/08/19 09:19 ID:QA-0156824大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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