コンプレストワークウィーク
コンプレストワークウィークとは?
「コンプレストワークウィーク」(Compressed workweek)とは、「圧縮された週労働時間」という意味。1週間の所定労働時間は変えずに、1日あたりの就業時間を長くして、その分就業日数を少なくする勤務形態のことです。たとえば週40時間労働で通常は1日8時間×週5日勤務のところを、1日10時間にして週4日勤務にしたり、1日13時間20分にして週3日勤務にしたりするなど、週の労働時間を通常より短い勤務日数に“圧縮”することによって休日を増やす方法です。
週労働時間を“圧縮”して休日を増やす働き方
評価に応じて適用すれば、社員の意識改革に
単に1日あたりの労働時間を長くしてコンプレス(圧縮)するパターンだけでなく、たとえば週の所定労働時間が40時間なら1日9時間労働で週4日勤務し、残り4時間は半日勤務に充てるといった勤務形態も考えられます。いずれにせよ、休日など自由な時間が増える「コンプレストワークウィーク」は、柔軟な勤務形態による働き方の選択(フレキシブル・ワーク・アレンジメント)が進む欧米では、従業員に人気の高い働き方としてすでに広く浸透・定着しています。
通常は事務従事者に向く勤務形態で、現場作業者に対してこれを導入するのは難しいといわれますが、業務の流れや仕事量の変化がある程度読める職場であれば、取り入れることは可能でしょう。たとえば小売業などで高い業績を上げた社員に限っては、比較的客足の少ない曜日3日間を休日に充て、残りの4日間を原則10時間勤務にするといった方法が考えられます。ちなみに社会保険労務士の奥村禮司氏によると、米国では評価の高い社員やハイ・パフォーマーにしか、柔軟な勤務形態による働き方の選択が許容されていません。したがって、このコンプレストワークウィークも、優秀な人材に対するインセンティブとして適用されるケースが一般的です。
コンプレストワークウィークを導入するメリットはさまざまですが、社員にとってみれば、何といってもワーク・ライフ・バランスの充実が挙げられます。しっかり休養できるので、心身ともにより深いリフレッシュが得られ、生産性も高まります。空いた時間を、自分の勉強やネットワークづくりに充てることもできるでしょう。
もちろん会社側のメリットも少なくありません。コンプレストワークウィークを採用するにあたっては、就業規則にフレックスタイム制や専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制などの規定を設けておくことで導入が可能になり、そうすれば、1日10時間勤務にしても、13時間20分勤務にしても残業代は発生しません。休日も増えるので、評価に応じてこれを適用すれば、優秀な人材の確保・リテンションにも有効です。何よりも柔軟な勤務形態による働き方を社員に選択させることで、社員自身にタイムマネジメントの意識が醸成され、組織全体としての生産性アップが期待できます。
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