変形
いつも大変お世話になっております。
先日、変形労働時間制の導入についてご教示いただいたところですが、導入に伴うポイントについて、自分なりに解釈したのですが、もし認識の違いや、その他重要なポイントなどがあれば、改めてご教示いただきたく、お願い致します。
導入予定の概要(当社は積雪地帯の建設業)
・10月~11月 1日の所定労働時間9時間
・12月~1月 1日の所定労働時間8時間
・2月~3月 1日の所定労働時間7時間
1 今回の導入期間
2025年10月1日~2026年3月31日
2 私なりのポイント
・期間中の労働日数上限
280日×182日÷365日=139.61日 → 139日
・期間中の所定労働時間上限
40×(182÷7)=1040時間
・日、週当たりの労働時間上限
1日10時間、週52時間
・対象期間中の週平均が40時間以内
・時間外労働の管理に注意
以上、よろしくお願い致します。
投稿日:2025/08/03 16:41 ID:QA-0156223
- こんささん
- 北海道/建築・土木・設計(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、示された内容に関しましてはご認識の通りです。
その他ですと、3か月毎の期間におきまして労働時間が48時間を超える週の初日の数が3日以下である事、連続して労働させる日数の上限は6日(繁忙とされる特定期間については12日)とされます。
投稿日:2025/08/04 09:44 ID:QA-0156238
相談者より
ご回答ありがとうございました
投稿日:2025/08/04 10:41 ID:QA-0156254大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
ご提示いただいた内容について、全体的に非常に正確に捉えられており、建設業かつ積雪地帯という状況も踏まえた適切な設計だと思われます。
以下、貴殿のご認識の確認と、追加で押さえておくとよい実務ポイントをコメント付きでご回答申し上げます。
1.ご認識内容の確認
(1) 導入期間
【OK】
2025年10月1日~2026年3月31日 ⇒ 6か月以内であり「1年単位の変形労働時間制」の適用対象期間として適法です。
(2) 労働日数の上限
【OK】
280日 × 182日 ÷ 365日 = 約139.61日 ⇒ 139日で設定
「280日」は、年間法定労働時間(40時間/週)のもとでの最大労働日数(365日中)。
182日(6か月)分で最大139日以内の労働日数設定であれば、週平均40時間以下の原則を満たす設計が可能です。
(3) 所定労働時間の上限
【OK】
40時間 ×(182日 ÷ 7日)= 約1040時間
この計算により、期間中の総労働時間が法定内(週平均40時間以内)に収まっているか確認することが可能です。
「1040時間以内におさめる」=法定の範囲内におさめる大前提です。
(4) 1日・1週あたりの上限
【OK】
1日10時間まで、1週52時間まで ⇒ 厚生労働省の運用通達でも目安とされており、過労防止の観点からも適切です。
(5) 週平均40時間以内
【OK】
変形期間中のトータル所定労働時間 ÷ 所定週数(26週)= 週平均40時間以内であることが絶対条件です。
2.追加で押さえておきたい重要ポイント
(1) 労使協定と就業規則の整備・周知
「1年単位の変形労働時間制」を導入するには、以下が必須です。
就業規則またはこれに準じる規程への明記
労使協定の締結(所轄労基署への届出が必要)
協定書には「対象者の範囲」「対象期間」「具体的なシフト」「労働日および所定労働時間」などを明記
労使協定は所轄労働基準監督署へ届出を忘れずに(導入前までに)
(2) 休日設定の注意点
原則:週1回または4週4日以上の休日を確保すること
天候不良や積雪による休工が多く見込まれる場合、
「あらかじめ休日とした日」が労働日となるケースがあるため、代替休日の設定や時間外手当の扱いに注意が必要です。
(3) 実労働時間の管理
計画通りに労働時間が消化されなかった場合や、想定外の休工日が続いた場合でも、労働時間の実績管理を適切に行うことが重要です。
労働時間が不足した場合は欠勤控除対象となり、逆に超過すれば時間外労働となるリスクがあります。
(4) 安全衛生上の配慮
長時間労働(1日9時間・10時間)となる時期については、
休憩の確実な付与(1日8時間超で休憩60分以上)
健康診断の活用や安全配慮義務の履行(特に冬季は災害・凍結リスクも増加)に留意が必要です。
(5) 給与計算への反映ミスに注意
変形労働制では1日ごとの所定労働時間が異なるため、「何時間以上が残業か」の基準が日によって変わります。
例:10月(所定9h)→ 9時間までは残業ではない。
2月(所定7h)→ 8時間働いたら1時間分は残業。
給与システムや担当者への周知を徹底し、「1日単位の所定時間に応じた残業判断」ができるように設定してください。
3.まとめ(全体として)
(1)貴殿のご理解は非常に正確で、法的リスクの少ない導入設計となっています。
(2)さらに 実務面で注意すべき点(協定届出、休日設定、残業判断、実績管理)を押さえることで、より安定した運用が可能になります。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/08/04 10:16 ID:QA-0156249
相談者より
いつも詳細なご回答をいただきありがとうございます。
また参考にさせていただきます。
投稿日:2025/08/04 11:41 ID:QA-0156266大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ご記載いただいた認識に相違はございません。
綺麗に整理されております。
その他の運用上の留意点として、以下を挙げさせていただきます。
勤務カレンダーなどで設定した所定労働日・時間については、変形期間開始後
は、会社が一方的に変更することはできなくなり、変更の際は、労働者の同意
が必要となります。
有給休暇の扱いとして、所定労働時間が異なる日(例:9時間日 vs 7時間日)に
有休を取得する場合、その日の所定労働時間分を有休として扱う必要があります。
会社には社員に対する安全配慮義務がありますので、労働時間が長くなる時期
は特に長時間労働が発生していないか、労働時間の結果にご留意ください。
投稿日:2025/08/04 11:48 ID:QA-0156268
相談者より
ご回答ありがとうございました
投稿日:2025/08/04 15:08 ID:QA-0156285大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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