【ヨミ】ギョウムジョウガイハンダン 業務上外判断

労災の認定は、労働者に生じた傷病、障害、死亡が業務に起因する「業務上」のものか、あるいは業務に関係ない「業務外」のものか――業務上外の判断に基づいて行われます。業務上と認定されれば労災補償が与えられ、雇用も守られますが、業務外の“私傷病”と見なされた場合は補償もない上に、それによる休業は欠勤として扱われ、解雇にさえつながりかねません。業務上外判断は、労働者の処遇・保護に重大な格差をもたらすのです。
(2011/1/31掲載)

業務上外判断のケーススタディ

自殺や精神障害での労災請求が増加
業務上と業務外の基準は変化している

仕事のストレスなど業務上の心理的負荷が原因で精神障害になった、あるいは自殺したとして労災請求されるケースが増えています。1999年に旧労働省から「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」が発表され、精神障害や自殺を労災補償の対象に含めるべきとの方針が示されました。自殺は自分を傷つける行為のため、従来は労災補償の対象外でしたが、方針が出て以来、請求件数は年々増加し、現在は全国で年間900件以上にのぼります。自殺や自殺未遂の場合の申請件数に対する労災認定率は40%を超えています。

自殺や精神障害の労災認定は、精神障害の発病の有無や発病時期および病名を特定した上で、(1)業務による心理的負荷の評価(2)業務以外の心理的負荷の評価(3)個体側の要因(精神障害の既往歴)の評価を具体的に精査し、これらと発病した精神障害との関連性が総合的に判断されなければなりません。そのガイドラインとなるのが「業務上外判断指針」です。同指針では、業務による心理的負荷を評価する基準として「職場における心理的負荷評価表」を示しています。これは、職場でストレスを引き起こす要因になりうる具体的な出来事を挙げて、項目ごとに心理的負荷の強度などを設定したものです。しかしこの心理的負荷評価表の項目が近年の労働環境の実態に合わなくなってきたため、2009年4月に同指針が改正されました。評価表に新しく12の具体的な出来事が追加され、次のような場合も業務による心理的負荷として認められるようになったのです。

・ 違法行為を強要された
・ 自分の関係する仕事で多額の損失を出した
・ 顧客や取引先から無理な注文を受けた
・ 達成困難なノルマを課せられた
・ 研修・会議などへの参加を強要された
・ 大きな説明会や公式の場での発表を強いられた
・ 上司が不在になることによりその代行を任された
・ 早期退職制度の対象となった
・ 複数人で担当していた業務を1人で担当するようになった
・ 同一事業場内での所属部署が統廃合された
・ 担当ではない業務として非正規社員のマネジメント、教育を行った
・ ひどい嫌がらせやいじめ、または暴行を受けた

使用者側が、業務上外の判断基準としてこうした具体的な出来事を把握しておくことは、メンタルヘルスの不調に起因する労災防止に有効であると考えられます。「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」の一部改正に関する詳細は厚生労働省の下記サイトでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/h0406-2.html

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