雇用契約書について
正社員の賃金形態、雇用契約書の作成についてお伺いいたします。
弊社では、時間での残業代を計算しておらず、代わりに固定残業手当を設けて
それを業務手当として毎月固定額で支給しています。時間外割増率で計算し、おおよその残業時間を多めに設定しているのでそれ以上残業時間が超えることは無く、また残業時間が少ない月にも固定で支給しています。
このたび、新たに正社員を登用したことにより賃金を設定しているのですが、
残業時間計算対象である基本給と、固定残業代である業務手当のみの内訳で(交通手当別)、
そのほかの項目はなく設定しようとしているのですがその二つだけで問題ないでしょうか。
弊社に賃金テーブルはなく、普段から各個人ごとの能力において職務手当など項目が多い人、少ない人がいるのですが問題はないでしょうか。
また、固定残業手当の場合、万が一残業時間が超えた分については別途支払うべきと何かで読みましたが
超えることがありえない場合でも、雇用契約書に記載したほうがいいのか、または残業手当分の時間以上に労働しないこととの記載をしてもよいのか教えてください。
わかりづらい文で申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
投稿日:2016/04/26 13:33 ID:QA-0065854
- *****さん
- 宮城県/フードサービス(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
賃金につきましては重要な労働条件になりますので、雇用契約書を作成する際は当然あがら就業規則(賃金規程を含む)の内容に基づいて作成し提示しなければなりません。
文面には「各個人ごとの能力において職務手当など項目が多い人、少ない人がいる」とございますが、こうした手当については当然ながら賃金の内容としまして支給条件等について就業規則に記載されているはずです。従って、その支給条件に則って雇用契約書にも記載しなければなりません。仮にそうした記載が就業規則に無いとすれば、明らかな規定不備になりますので、早急に就業規則に定めを置かれた上で雇用契約書にも同様の記載をされる事が不可欠です。逆にいえば、支給条件の記載がきちんとなされていれば、これに該当しない従業員に対する手当支給の必要性はございません。
また、固定残業代についても、該当時間を超えた場合は当然ながら追加支給が必要ですし、その旨を就業規則に記載しておかなければなりません。その一方で、残業手当分の時間以上に労働しないことのみを記載する事は、サービス残業の要因にもなりかねませんので避けるべきです。固定残業代に絡めるのではなく、全ての残業を会社による許可制として定め、やむを得ない事情で事故承認する場合を除き許可なき残業は認めないとされるのが妥当です。固定残業内の残業時間であるとしましても、労働時間の管理は使用者に義務付けられていますので、自由に残業できるといった状況にならないようにすべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2016/04/27 11:43 ID:QA-0065866
相談者より
ありがとうございます。ご指摘を受け就業規則を確認した所、役職手当と業務手当の決まりが書いてありました。どちらにも、「所定労働時間を超える一定の勤務時間数および、法定休日または深夜勤務における一定の勤務時間数に対する賃金として支給する。金額は個別に定める。」と明記されていました。この記載があれば、固定残業代としての説明になっているでしょうか。また、会社の指示に基づかない所定勤務時間外の就業に対しては賃金は支払わないとありました。
投稿日:2016/04/27 13:38 ID:QA-0065873大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
・支給する賃金が、2つしかないのであれば、問題はありませんが、他に支給するのもがあるのであれば、全て明記する必要があります。
・業務手当を固定残業としているとのことですが、その旨を賃金規程に明記するとともに、何時間分の残業代なのかを明確にしておく必要があります。
・別途支払いについては、賃金規程に明記しておく必要があります。
・固定残業以上の残業をさせないのと明記するのはかまいませんが、そのためには会社側として、労働時間管理をして、残業させないことです。サービス残業の隠れ蓑にならないように留意して下さい。
投稿日:2016/04/27 12:28 ID:QA-0065871
相談者より
ありがとうございます。就業規則を確認した所、
業務手当と役職手当の説明があり、時間外労働の賃金として支払う旨が書いてありました。
会社の指示に基づかない所定勤務時間外の就業に対しては賃金を支払わないともありました。
投稿日:2016/04/27 13:40 ID:QA-0065874大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
固定残業手当制度は、大きなリーガルリスク
▼ この「業務手当」は、「みなし残業に対する賃金」ということでしょうが、法的に認められる「みなし労働時間制」は、次の三つに限られます。
① 事業場外みなし労働制
② 専門業務型裁量労働制
③ 企画業務型裁量労働制
▼ だからと言って、これらの制限に関係なく、固定残業制が違法とされる訳でもありませんが、労基法上のハードルは決して低い訳ではありません。いくら、会社が、「看做しされた残業時間を超えることがありえない」といっても、それは、所詮、社内だけで通用する話です。
▼ 闇残業の摘発が多発している昨今、現実に超えてないことを、第三者に立証できるメカニズムがないと、大きなリーガルリスクを抱え込むことになります。その為には、最低でも次の措置が必要になります。
● 就業規則に、残業手当は、業務手当として、定額で支払うことを明記
● 業務手当は、月間○○時間相当の時間外労働に見合うことを明記
● 毎月、時間外労働時間をチェックし、看做し時間を超過した場合には、超過分を別途支払う
▼ かくして、この制度は、一見、簡潔に見えますが、手間とコストを考えれば、とても、お薦めできるやり方ではありません。それでも、実施される場合には、上記の諸点を、雇用契約書にも記載することが必要です。
投稿日:2016/04/27 12:36 ID:QA-0065872
相談者より
ありがとうございます。
時間を超えることはありえないというのは社内だけで通用するものというのはとても納得できました。
労基署にも問い合わせて見たところ、基本給と業務手当のみの内訳で、業務手当を時間外労働賃金にするのは問題ないが、必ず業務手当がそれを意味するという文を記載してくださいと言われました。
投稿日:2016/04/27 13:43 ID:QA-0065875大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「所定労働時間を超える一定の勤務時間数および、法定休日または深夜勤務における一定の勤務時間数に対する賃金として支給する。金額は個別に定める。」と明記されていました。この記載があれば、固定残業代としての説明になっているでしょうか。
― これだけでは不十分といえます。各々の手当が何時間分の手当として与えられるかまで明確に定めておかれる必要がございます。
「また、会社の指示に基づかない所定勤務時間外の就業に対しては賃金は支払わないとありました。」
― この規定自体は残業許可制を示したものとして差し支えないですが、運用の際に注意が必要です。実際指示なしで残業をした場合には、会社側で気付かれた際その場で管理者が直ちに注意し即帰宅させなければなりません。そうでなければ、残業を追認したものと判断され賃金支払義務が発生する場合もございます。
投稿日:2016/04/27 18:06 ID:QA-0065881
相談者より
再度の回答、本当にありがとうございます。
手当の中にいくら分が含まれているのかときちんと明記し、超えた分に関してもきちんと追加で支給する旨を記載したいと思います。以前、監督署に問い合わせたら、たとえ禁止をしていて勝手に残業をしていたからといっても残業代は支払わなければいけませんと言われたので、そのあたりも注意して取り組んでいきたいと思います。とても丁寧に回答してくださり本当に助かりました。また、質問があった際にはよろしくお願い致します。
投稿日:2016/04/28 16:15 ID:QA-0065887大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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