勤務時間限定正職員の定義について
いつも大変参考にさせて頂いております。
さて、いわゆる「勤務時間限定正職員」の定義、また制度のあり方について社内で意見が分かれているためご質問いたします。
当社の勤務形態の中には日勤・早出勤務・遅出勤務以外に夜勤があります。育児休職明けの社員でかつ育児介護休業法上の夜勤免除要件に該当しないような場合、夜勤ができない事を理由に離職するというケースが散見されるのが現況です。こうした流れを留める手立てとして日勤のみの勤務でよいという正職員制度を設けることを検討しております(週所定労働時間については、通常の正職員と同じ労働時間働く)。
現在社内で大筋で考えているのは
①日勤のみの勤務でよい正職員について「勤務時間限定正職員」とする。
②日勤のみの勤務でよい正職員については給与を通常の正職員の8割程度とする
というものです。
ただ、私見では、所定労働時間が通常の正職員と同じ事から「勤務時刻限定(勤務帯限定)正職員」であって「勤務時間限定正職員」ではないのではないか、そうであるのであれば給与を通常の正職員の8割程度にする根拠が成り立たないのではないか、と考えております。給与を8割程度にするのであれば、所定労働時間も8割程度にする必要があるのではないかと。また、実務的には社内の育児休職規定の夜勤免除要件の緩和が現実的な線ではないかと考えております。
①社内で大筋で考えている内容がコンプライアンス上問題がないか、②このような正職員制度を設ける場合に現実的に考えられうる手段・留意すべき事項としてどのような点が考えられるでしょうか?
よろしくご教示下さいますよう、お願い申し上げます。
投稿日:2014/11/26 13:33 ID:QA-0060910
- 着眼大局さん
- 静岡県/医療・福祉関連(企業規模 10001人以上)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
勤務時間限定社員について
①について
大筋の考え方については問題はありません。優秀な社員の確保、いわゆるワークライフバランスという観点から、新しい働き方の選択肢を考え、増やすことは賛成です。
勤務時間限定社員にもいろいろあり、時短や、残業なし、あるいは今回のような夜勤なしも
その一つといえます。
基本給の8割程度が妥当かどうかは、基本給の現状、その他手当がわからないので何ともいえません。賃金係数として80%から95%の間で、従業員ともよく話し合い、夜勤業務等の負荷との均衡を考えて決定すべきでしょう。
②について
賃金額については、バランスを考えてあまり低くしすぎないこと。
合意書をかわすこと。期間についてや、夜勤ありの通常正社員に戻れるしくみにして
おくことなどが挙げられます。
投稿日:2014/11/26 16:59 ID:QA-0060911
相談者より
早々にご回答頂きましてありがとうございます。
一点のみ質問で書き添えできていなかったのですが、実は当社の中には日勤のみの職場も存在します。
育休明けで夜勤ができないというおなじ状態でも、職場によっては通常正職員で存在できるケース、期間限定正職員へ変更せざるを得ないケースが混在する事が起こりうる状況です。
このような状況ですと、本人より夜勤ができない旨申し出があった場合、まずは日勤のみの部署への配置転換が可能かという手順を踏んだうえで、不可の場合にはじめて勤務時間限定正職員にするという流れ出ないとコンプライアンス上問題が生じるという認識でよいでしょうか?
投稿日:2014/11/27 08:59 ID:QA-0060918大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 大隅 隆行
- 株式会社ビジネスブレイン太田昭和 人事コンサルタント/社会保険労務士
労働法上は問題無し。「引き下げ幅に対する合理的説明が可能か」が留意事項
勤務時間限定正社員は、たとえ所定労働時間が他の正社員と同一であるとしても、夜勤が免除されているという点で通常の正社員の職責・期待役割と異なりますので、職責・期待役割に応じた給与格差という観点から、給与を通常の正社員より下げることは可能です。
賃金の決定方法について労働基準法上の定めはありませんので、本人合意の上で給与を通常の正社員よりも低くすることは労働法上は問題なく、後は給与の下げ幅の妥当性の問題(民事上の問題)となります。
2割という下げ幅が妥当か否かが問題になるのは、本人が民事裁判を起こしたケースですが、適否は裁判官の判断となりますので、確答はできかねます。あくまで参考程度ということであれば、私見としては、2割はやや大きいように思います(ただし、民事上で違法とされるほどのものかは別問題)。
いずれにしましても、ご本人の納得性と制度の合理性担保の見地から、御社として合理性な説明ができるような下げ幅を設定するということが留意事項となります。
投稿日:2014/11/26 17:15 ID:QA-0060912
相談者より
早々にご回答頂きましてありがとうございます。夜勤の負担を勘案のうえ検討をすすめていきたいと思います。
投稿日:2014/11/27 08:47 ID:QA-0060917大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、御社の現行給与が夜勤の負担も考慮に入れられているか否かがポイントになります。
夜勤に関しましては、その特殊な時間帯からも単に労働時間の長短だけでは図れない負担が社員にかかるものといえます。それ故、夜勤に関しまして交替で必ず勤務する場合があるという事でしたら、そうした点も含めまして給与額が決められているものと考えられます。従いまして、一般的には夜勤が全く無い社員の給与が多少下がってもそれ自体で違法性があるとはいえないでしょう。これに対し、夜勤が課せられるのがごくまれであったり、夜勤の場合に別途手当が非常に手厚く支給され夜勤分に関わる特別休暇や代休等も十分に取得出来るような仕組みになっていたりするという事でしたら、現行給与を引き下げる根拠は乏しいものといえるでしょう。
但し、仮に前者の場合であったとしましても、2割削減という水準が果たして御社業務に照らし合わせて適切か否かまでは当方で判断しかねます。そうした具体的な事柄に関しましては夜勤業務の回数や程度及び当該正職員の業務内容や責任度合等も含めまして総合的に判断し、当該正職員制度を利用する社員にとって納得を得られるような内容とされる事が重要といえます。
投稿日:2014/11/26 22:00 ID:QA-0060916
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2014/11/27 12:52 ID:QA-0060928大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
まず、社員のニーズがどこにあるのか明確に把握することです。
夜勤ができないというわけですが、日勤だけの職場があるということですが、
お互いに配置転換可能なのかどうかですね。
そこが無理という場合には、新しい働き方を検討しなければ、
本人は離職という選択をする可能性があるわけです。
ただし、会社としては必ずしも、新しい働き方を設ける義務があるわけでは
ありません。
多様な働き方という中で、お金だけではなく、「時間」という新しい報酬を
与えるわけですから、単に従業員に甘い制度を導入すればいいという
わけではありません。
会社にとって、必要な従業員の離職が困ると判断すれば、
新しい勤務形態をつくるべきです。
投稿日:2014/11/27 12:29 ID:QA-0060926
相談者より
重ねての質問にご回答頂きましてありがとうございました。
投稿日:2014/11/27 13:21 ID:QA-0060929大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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