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管理監督者の勤務時間不足は懲戒理由にできるか

いつもお世話になります。

管理監督者として、時間管理をしていない(タイムカードを打刻していない)社員について、
勤務時間が不足していることを懲戒理由として、降格などの処分をすることは可能でしょうか?

弊社では、管理監督者は勤務管理簿にて勤務時間を自己申告させています。
ある社員が「規定の時間より早く帰っているのでは?」とのほかからの申告があったため、
玄関のセキュリティカードでの入退室時刻を拾ってみました。
(食品製造工場のため、玄関の出入りデータ・防犯カメラ映像などは残っています)

過去3ヶ月の玄関出入り時間を調べてみると
4月 勤務管理簿による出勤申告=21日(168時間=8時間/日の申告)
   玄関入退室による出勤日数=21日(171.5時間)
   但し、8時間に満たない日が5回
3月 勤務管理簿による出勤申告=19日(152時間=8時間/日の申告)
   玄関入退室による出勤日数=19日(150.75時間)
   但し、8時間に満たない日が7回
2月 勤務管理簿による出勤申告=19日(152時間=8時間/日の申告)
   玄関入退室による出勤日数=19日(158.75時間)
   但し、8時間に満たない日が6回

月間の申告時間に不足するのは3月だけですが、出勤した日は毎日8時間と申告しており、
それに満たずに帰っている日が毎月5回以上あります。
出勤シフトとしては、いずれの日も出勤の場合は9時間拘束(8時間勤務)となっています。

ただ、上記のことを理由に懲戒に問おうと考えたときに、反論されそうな点が3点考えられます。
1.管理監督者として、業務の繁閑に対応して時間調整できるはず
2.弊社は月単位の変形労働時間制を採用しているので、8時間未満の日があっても問題ない
 (規定では、事前にシフトで時間数を明示することになっていますが、すべて8時間のシフトです)
3.休憩を1時間引いているが、実際は休憩を取っていない

8時間の勤務を果たしていないことを懲戒事象とすることは可能でしょうか?
賃金がどうのこうのよりも、周囲のほかの勤務者(特に部下)への影響や、不満があり何らかの
処分をしたいというのが実情です。
該当者については他に、セクハラパワハラの申し出もあるのですが、周囲の目撃者など証拠が
ないため、申し出だけを一方的に信じての処分をできないためのあら探しみたいなものですが…

投稿日:2017/06/06 14:00 ID:QA-0070907

ひでやんさん
滋賀県/食品(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答1

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、反論が予想される点につきまして、管理監督者であれば、変形労働時間の適用は通常ございませんし、休憩時間の適用もございませんので、2.3の反論は論理的に不可能です。

従いまして、考えられる妥当な反論としては1のみになりますが、これはまさにその通りであり、厳格な出退勤時刻の管理を行わないのが管理監督者ですので、単に勤務時間の不足をもって懲戒措置を取られる事は不適切といえるでしょう。

しかしながら、文面内容を拝見しますと、懲戒処分をされたい真の理由は勤務時間不足ではなく後段に見られます「周囲のほかの勤務者(特に部下)への影響や、不満があり何らかの
処分をしたい」という点になるものといえます。つまり、単に時間が不足というだけでなく、それによって業務の誠実な遂行や部下への適切な指示、職場での業務取り組みへの雰囲気作りに関して支障が生じているという事だろうと推察されます。

仮にそうであれば、勤務時間を直接理由とされるのではなく、そうした管理監督者としての業務遂行や運営管理の至らなさについて精査された上できちんと指摘されるべきといえます。

対応としましては、まずは当人に対し問題となる業務上の点について具体的に指摘し改善指導される事をお勧めいたします。その際に、勤務時間の問題が原因の一つであるようならば、そうした部分も改善するようアドバイスされるのが有効といえます。其れでも尚当人の管理職としてのパフォーマンスが改善されないようであれば、それを理由として就業規則上の懲戒事由に基づく懲戒措置または人事評価の際におけるマイナス査定の措置を取られるとよいでしょう。

投稿日:2017/06/06 23:50 ID:QA-0070918

相談者より

いつもお世話になりありがとうございます。
また、ご丁寧な解答ありがとうございました。

やはり、勤務時間だけをもって責任を問うことは難しいということですね。
商品や加工技術など業務上の知識・スキルは高く、決して仕事が出来ないわけではないのですが、
いかんせん素行というか勤務態度に問題があり、監督者としての任命が早計であった感が否めない
のですが、降格するにはそれなりの理由付けが必要なので苦慮しているところです。
アドバイスいただきましたように、問題となっている点を本人にも認識させ、勤務評定で反映
(悪い評価が続くと降格の規程あり)に則って
処理するのが得策のようですね。

また、管理監督者には通常は変形労働時間制度を適用しないというのも、自分の認識になく
併せて勉強になりました。
ただ、弊社の規程の対象範囲には「社員」となっており、管理監督者を除外していないので、
機会を見て対象範囲を明確にした方がよいかと感じました。

今後もよろしくお願いいたします。

投稿日:2017/06/07 09:40 ID:QA-0070924大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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