退職者より法定項目以外の証明を求められた場合の対応について
事業所にて総務・人事を担当しております。
2年前に当社を退職した従業員より、在職時の所属異動歴および職務内容(どのような業務に携わったか)の証明依頼を受けました。転職先より提出依頼を受けているようです。
退職者より以下の項目の証明依頼を受けた場合、速やかに証明書を交付する必要があることは理解しています。
(1)使用期間
(2)業務の種類
(3)その事業における地位
(4)賃金
(5)退職の事由(解雇の場合は、その理由を含む)
今回は上記の法定項目「以外」の証明依頼にあたると考えます。
今回「所属異動歴」と、それぞれの職場でどのような業務を行ったか(「○○商品の機構設計業務」のようなレベル)の証明を求められています。総務部にて所属異動歴は把握できますが、その者が具体的に何を担当していたかについては当時の職場の上司へのヒアリングを行わない限り把握ができません。
本人が具体的に「このような内容で証明してほしい」と記載してきているため、そのまま適当な書式へ転記し証明書として発行することもできますが、総務部で把握出来ていない事項を公印で証明することへも抵抗があります。
証明書を発行してあげたい気持ちはありますが、このような項目の証明依頼に対して拒否し、法定事項のみの証明とすることは出来るものでしょうか?あるいはこれも「業務の種類」に当たるとして証明義務がありますでしょうか?
ご相談いたしたくよろしくお願いします。
投稿日:2016/01/12 16:28 ID:QA-0064798
- 人事マン5さん
- 大阪府/家電・AV機器・計測機器(企業規模 10001人以上)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、拒否されるのではなく御社で把握している範囲内で記載し証明書とする事で対応すればよいでしょう。
分からない詳細部分まで記載する義務はございませんが、通常2年前の退職者であれば、文面程度のごく一般的な業務内容でしたら当時の上司または管理者等に電話で確認すれば容易に分かるはずです。それすら人事部で確認出来ないというのでは、本件に関わらず御社の管理体制自体に問題があるともいえますので、別の意味で業務改善が求められるといえるでしょう。
投稿日:2016/01/12 22:53 ID:QA-0064803
相談者より
ご回答ありがとうございます。
ご回答頂きました通り、今回のようなレベルであれば当時の組織表などで業務内容を確認することは可能ですので、「把握できる範囲」とみなすことも出来るかと思います。今回は比較的容易に確認出来ると思いますので本人意向に沿った証明書を交付しようと思います。
ただ今回のケースの場合でも、本人が所属していた組織は現時点では解散しメンバーも各地に散らばっている状況であり、当事者へのヒアリングは難しい状況です。
また20年近く前に退職された方が「資格取得のための職務経験証明」を求めてこられることもあり、「20年前の組織表を書庫から引っ張り出せば確認は出来るかも知れないが、、、」といったケースなど、なかなか一律の線引きも難しいのも実状です。
投稿日:2016/01/14 08:52 ID:QA-0064817大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「所属記録」と「業務種類」だけの記載に止めるのが賢明
法定の証明事項の一つである、「業務の種類」に属する類の依頼事項だと思いますが、法定保存対象としての文書における記載内容まで定められている訳ではありません。保管されている「従業員原簿」に記載されている内容以上のことは証明するのは難しいでしょう。多分、総務部で把握されている「所属記録」と「業務種類」だけの記載に止め、あとは、本人の責任で、転職先に説明して貰うのが妥当な措置だと考えます。
投稿日:2016/01/13 12:52 ID:QA-0064807
相談者より
ご回答ありがとうございます。
「業務の種類」に関しては、実際に証明をもらう立場からすれば、「人事」「営業」「経理」などの事務・営業系はそれなりに意味を持ちますが、技術者に関しては「技術」とだけ証明されても恐らく価値は無いものと思われます。一方で人事部門としても、対外的に有効となるレベルで各人の業務内容をデータベース的には把握出来ていないのが実態です。
明らかに把握できないケースは仕方ないとして、「詳しく調べればそれなりの証明根拠は出てくるであろう事柄」に対して、「詳しく調べる」という対応を取るべきかどうか、という点が当総務部として悩ましいところです。
基本スタンスは「所属記録」と「業務種類」にとどめることとしたうえで、業務種類の証明範囲をどのあたりまで拡げるか、前の方のご回答も参考にしながら対応を検討したいと思います。ありがとうございました。
投稿日:2016/01/14 09:05 ID:QA-0064818大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
秘密保持
一般的な話ではなく、かなり特殊な例ではないでしょうか。そこまでこまかい情報は、履歴・職務経歴を通り越して、業務情報の開示につながりませんか?他社に対しそのような情報開示をすることは普通とは思えません。
そこまで元社員を信用できないと考えている会社かも知れません。いずれにしても証明できる部分、差しさわりのない部分を証明するだけで十分であり、過剰な負荷を負う例をここで作るのは、管理部門にとってメリットがないと思います。
投稿日:2016/01/13 22:51 ID:QA-0064815
相談者より
確認大変遅くなり申し訳ございません。
ご回答ありがとうございます。
当社の業種と本人の専攻・専門、及び職務経歴から類推すれば自ずと担当業務内容は大まかな枠では限定されるものですので、その範疇と考えられるレベルでの証明を行うかどうかという点、更にご指摘の通りこれを過去事例とすることの是非について当部内で検討してまいります。
投稿日:2016/01/18 09:39 ID:QA-0064881参考になった
プロフェッショナルからの回答
業務の種類として、一般的内容の簡潔な記載
労働基準法第22条1項では、「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。」とされており、労働者(退職者)が請求した場合、会社側に退職証明書の交付が義務付けされています。
労働者から証明書の交付を請求された場合、会社がこれを拒否したり、理由もなく遅延して交付することは違法となり、労働基準法の罰則として30万円以下の罰金が定められています。
ご相談内容の「在職時の所属異動歴および職務内容(どのような業務に携わったか)」については、法定項目の業務の種類に含まれていると思われます。
人事・労務に関する文書(労働者名簿・賃金台帳等)の保存期間は3年です。2年前の退職者で所属異動歴について把握されていらっしゃるのであれば、職務内容については保存文書より把握されうる一般的な内容を、簡潔に記載されてもよろしいのではないでしょうか。
ご本人様の再就職にあたり、誠意ある対応をしていただきたいと思います。
投稿日:2016/01/18 11:34 ID:QA-0064885
相談者より
ご回答ありがとうございます。
今回ご相談させていただいた案件に関しては「保存文書より把握されうる一般的な内容」の範疇で証明証を発行しました。
今後の問題としては「一般的な内容」をどの程度と考えるか、あるいは社内で転勤を繰り返しており、前勤務地の人事部門にしか在籍時の資料が無いようなケース(データベース化されていないケース)などをどう取り扱うか、など、総務部内で検討していきたいと思います。
投稿日:2016/01/19 11:51 ID:QA-0064911参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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