退職予定者の有給休暇
いつもお世話になっております。
小社は、1月1日付けで、有休を一括付与しております。
この度、ある社員(平成20年1月入社)から、「来年1月末での退職を検討している。退職届は年内に提出する」との連絡がありました。
その際に、1月は有休消化期間として、まったく出社しない(する気がない)、との報告もありました。
この社員は、基本的に毎年、有休を消化し切っているので、繰り越し日数はあっても1~2日だと思います。
社員としては、新たに付与された有休を使う権利があるのは分かっていますが、退職すると分かっている社員に、新たに付与しなければならないのでしょうか。
小社は退職金制度がないので、退職前の有休消化は、ある意味退職金代わりになると思います。
一社員の立場としては、気持ちは分かるのですが…会社側の立場で考えると、どうにもやりきれない部分もありまして、双方が上手く妥協点を見つけられる方法はないものかと、考えております。
もともと、この社員は勤務態度に問題(無断で早退したり、業務命令に従わなかったり)があり、その都度注意はしていますが改善の見込がないため、今月の上層部会議において、退職勧奨を行うことが妥当かを話し合うことになっておりましたので、社員からの退職の申し出は問題ないのですが、社長がこの事(1月に出社せず有休消化)を知ったら、面倒なことになるのは目に見えております。。。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2013/10/04 10:57 ID:QA-0056376
- */*/*/*さん
- 東京都/放送・出版・映像・音響(企業規模 6~10人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、近く退職予定の従業員であっても、年休付与日に新たな年休が発生する事及び退職日までに消化可能な年休は当人の希望が有れば取得させなければならない点に変わりございません。
心情的には理解出来ますが、年次有給休暇のような法定事項に関しましては、常識や感情論ではなく法律に基き処理されるものです。
加えまして、退職勧奨の場合ですと通常であれば退職金上積みといった措置も採られることが多いはずです。それに比べれば、丸1ヶ月近く年休を取得したとしましても随分安くで済むので、冷静に考えますと会社にとっても特段損害はない事態といえるでしょう。
その上で業務上必要な引継ぎ等はきちんと済ましてもらう必要がございます。その為年休を与えないという措置は採れませんが、引継ぎをしない事で業務に支障が出る等になれば、御社就業規則に基き在籍期間内であれば年休消化中でも制裁措置の発動が可能になります。
社長には上記の点をきちんと説明すれば、適切なコンプライアンス姿勢やコスト感覚がお有りでしたら納得してもらえるでしょう。そういった適切な人事労務管理措置を労働法令に疎い経営者にも理解させるのが、人事管理担当者の重要な職務責任でもあるものといえます。
投稿日:2013/10/04 11:21 ID:QA-0056377
相談者より
ありがとうございます。
やはり、有休は発生し、請求通りに与えなければならないという事がハッキリしましたので、社長が難色を示しましても、法令違反になることは避けなければならないと進言しようと思います。
また並行して、該当社員へも、勤務態度の改善指導や引継ぎ状況の定期的な確認をしながら、管理をしていきたいと思います。
投稿日:2013/10/04 13:37 ID:QA-0056380大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
所定有休日数を付与し、取得請求があれば認めなければならない
先ず、 年次有給休暇に関する労働法上のポイントを確認しておきましょう。 (1) 年休は、 過去の勤務に対して付与されるものである。 (2) 労働者 ( 社員 ) には請求権が、 使用者 ( 会社 ) には時季変更権がある。 (3) 休暇の使用目的は個人の自由に任される。 (4) 権利が発生した日から2年間で時効消滅する。 従って、 (A) 退職金の意味合いや、 勤務態度との関り合いは一切ない。 (B) 時季変更権には、 休暇取得による会社業務への影響が大きい場合に限られる。 以上の諸点に照らし、 仮令、 退職意向の表明があっても、 1月1日に在籍していれば、所定の有休日数の付与が必要であり、 付与した限り、 取得請求があれば認めなければなりません。 尚、( 恐らく、そのような事態は生じないと思われますが ) 時季変更権を行使しても、 請求権が消滅する訳ではありませんので、 代わりの措置が必要になります。 感情面での割切り、 社長意向の忖度などの問題はありますが、 ここは、 冷静に対処することが重要です。
投稿日:2013/10/04 12:24 ID:QA-0056378
相談者より
ありがとうございます。
>過去の勤務に対して付与されるもの
この認識が、私を含め小社の上層部にはあまり無いように感じました。
この認識がしっかり出来ていれば、付与日に在籍していれば当然有休は発生すると理解出来ると、考えを改めました。
まずは、社長をはじめ上層部の面々に、有給休暇の本質を理解してもらえるよう、話をしていこうと思います。
投稿日:2013/10/04 13:48 ID:QA-0056381大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
コンプライアンス
許しがたいお気持ち、お察しします。
ただ、ここは企業としての責任が問われてしまうところですから、感情は抑え、企業のリスク管理を主眼とすべきでしょう。
有給は褒賞ではなく、権利です。勤務態度や姿勢とは完全に切り離さなければ、企業のコンプライアンスが成り立ちません。
日常の勤怠については、その都度反省で結果うやむやにすることではなく、明確な指導と結果確認、管理を敷くことで対応すべきことです。社長には勤務態度を管理出来なかった管理責任がある以上、有給付与はコンプライアンス上必要であることを説明するしかないのではないでしょうか。
投稿日:2013/10/05 00:03 ID:QA-0056391
相談者より
ありがとうございます。
社長は独特の感性を持ち合わせており、こちらが「法令では…」と説明しても、なかなか納得していただけないことも多々あり…(汗)。
ですが、納得して頂けるよう、根気強く話をしていこうと思います。
投稿日:2013/10/07 11:45 ID:QA-0056405大変参考になった
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