ドタキャンを繰り替えす内定者について
2026年4月入社の内定者についてのご相談です。
数か月前に内定承諾をしてくれた内定者に対して、
個別職場見学、内定式(10月1日)を予定していました。
しかし、毎回、当日朝に「体調不良」と連絡があり
当日キャンセルが4、5回続いております。
※内定承諾後直接会えていません。
※内定式については内定承諾前から日程を伝えております。
時には1週間強返信がないこともあり、日程調整の連絡をしても
催促をしないと返信が来ないこともあります。
また、履歴書とエントリーシートに記載されていた
携帯番号に数回電話をしたところ、毎回不通となり折り返しもないため
本人に番号が変わったのかメールで確認したところ、
特に説明や謝罪もなく、新しい番号に登録を変更してほしいという
一文のみが返ってきました。
このような状況が続いているため、入社後が非常に不安になります。
直接話し合いをしたいと思っても上記の通り、当日ドタキャンとなるため
話し合いもできず、どうしたらいいのか悩んでおります。
この場合、内定取り消しというのはできるのでしょうか。
無断欠席は今のところなく、体調不良が理由なのでなかなか難しいとは思いますが、このような状況の対応方法を教えていただけますと幸いです。
投稿日:2025/10/02 15:02 ID:QA-0159060
- 初心者ですさん
- 東京都/広告・デザイン・イベント(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
内定は、始期付解約権留保付労働契約が成立している状態と解釈されています。
そのため、企業が一方的に内定を取り消すことは、解雇と同様に非常に厳しく
制限されています。
内定取り消しが認められるには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当
と認められることが必要となります。
当日ドタキャンが続いているとのことですが、やはり直接、話し合いを行う機会
を設けていただくことが、非常に重要です。
何度もドタキャンが続く場合は、書面で、会社へ来ていただきたい旨、
会社に来ていただけない場合は、内定取り消しもあり得ることを、
明確にお伝えください。また、ご両親への連絡や、ご自宅への訪問など、
尽くせる手は尽くした上での取消し判断となりませんと、解雇問題に発展した
際は、会社側が不利になるリスクが高いものと思案いたします。
投稿日:2025/10/02 17:10 ID:QA-0159088
相談者より
まずは本人と話し合いができるように、
連絡を取り続けてみます。
内定取り消しにリスクがあることが改めて
理解を深められました。
この度はご回答いただき、ありがとうございます。
投稿日:2025/10/06 15:10 ID:QA-0159205大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 内定取消しの法的位置づけ
内定=始期付解約権留保付労働契約(最高裁・大日本印刷事件)
→ 原則として「労働契約は成立済み」であり、取消しは解雇に準じた合理性・社会的相当性が必要です。
取消しが認められる典型例
経歴詐称、健康状態により勤務不可能
犯罪歴や重大な非行
経営上やむを得ない採用枠削減
今回の「当日キャンセルの繰り返し」「連絡が遅い・誠実性に欠ける」だけでは、直ちに「合理的理由がある内定取消し」とは評価されにくいです。
→ 取消しを強行すると、労基署や裁判で不当解雇(内定取消し無効)とされるリスクがあります。
2. 現時点で取り得る対応
(1) 書面・メールでの正式な注意喚起
まずは指導・警告プロセスを踏むことが重要です。
例文:
○○様
内定者として複数回の行事参加をお願いしましたが、直前の欠席やご連絡の遅れが続いており、当社として大変心配しております。
内定者としての自覚と責任を持って行動いただくようお願いします。
今後も改善が見られない場合には、内定の維持が困難となる可能性があることをあらかじめお伝えいたします。
※「改善がなければ内定維持が難しい」ことを記録に残る形で伝えるのがポイントです。
(2) 面談の実施(必須)
「体調不良」を理由に毎回ドタキャン → 実際の健康状態確認も必要です。
面談方法は対面に限らず、オンライン面談(Zoom等)を設定するのが現実的です。
面談で確認すべきこと:
本人の就労意思があるのか
本当に体調不良なのか(診断書提出を求めても可)
連絡不備やドタキャンを繰り返す理由
(3) 本人の意思確認
「本当に入社意思があるのか」を直接確認してください。
曖昧な回答や連絡拒否が続く場合は、最終的に「本人都合による辞退」と整理できる可能性があります。
3. 内定取消しが認められる余地
もし本人が面談や改善要求に応じず、ドタキャンや連絡不通が継続した場合、
「社会人としての基本的義務を果たしていない」
「誠実性を欠き、職務遂行に支障を来す蓋然性が高い」
として、合理的な取消し理由と主張できる余地はあります。
ただし裁判で「本当に勤務できないほどか?」が問われるため、注意喚起 → 改善要請 → 最終通告 → 取消しと段階を踏むのが不可欠です。
4. 実務的おすすめ対応フロー
書面(内容証明郵便がベター)で注意喚起・改善要請
オンライン含め必ず面談を設定し、就労意思を確認
改善なければ「最終通告」を書面で送付(期限付き)
それでも不誠実対応が続く → 内定取消しを検討
5. まとめ
現時点では「即取消し」はリスクが高い。
ただし、段階的な指導・意思確認を経て「誠実な対応が全く見られない」ことを記録化すれば、取消しの正当性が補強される。
最終的に「本人都合による辞退」に持っていくのが最もリスクが低い。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/10/02 17:25 ID:QA-0159093
相談者より
メールの参考文面まで作成いただき、
ありがとうございます。
できる限り大事にはならないようにしたいとは思いますが、今の状況が続くようであれば警告等
手順を追って手続きを進めていきます。
投稿日:2025/10/06 15:12 ID:QA-0159206大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
学生の場合、他社に内定もらい入社の意思がないことも考えらえますが、
内定は
始期付解約権留保付き雇用契約が成立したとみなされますので、
まずは、もう少しだけ、直接コンタクトを検討してください。
お手上げの場合には、
今までの当日4,5回キャンセルの経緯を記載し、入社の意思を再確認したい。
〇月〇日までに連絡がない場合には、入社の意思ないものと判断し、
残念ですが、内定は取消とさせていただきます。
と警告文を郵送することが考えられます。
投稿日:2025/10/02 18:37 ID:QA-0159097
相談者より
ありがとうございます。
年内はもう少し様子を見つつ、
続くようであれば警告していきたいと思います。
投稿日:2025/10/06 15:13 ID:QA-0159207大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
内定を出している以上、一方的取り消しはできません。
しかしこのような不誠実な対応では、とても採用をする気が失せるのは当然です。
どうしても企業側が不利な立場ではありますので、この先連絡する際には必ず回答期限を付け、今後ドタキャンがあれば採用を取り消す可能性を明確に伝えます。
この時点では取り消せないので、学生がまたやらかした場合には、経緯説明などの機会を設け、同様に期限までに対応がなければ取り消すことを伝え、このくらいまで対応不良の証拠がかさなることで、内定取り消しに進むべきと思います。
投稿日:2025/10/02 21:26 ID:QA-0159100
相談者より
私たちの気持ちも汲んでくださり、
ありがとうございます。
まずは本人と話し合いの場を設けて、
状況確認と警告から適切に行っていきます。
投稿日:2025/10/06 15:17 ID:QA-0159208大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
解約権の留保
以下、回答いたします。
(1)本件、内定により始期付解約権留保付労働契約が成立しているものと認識されます。
(2)内定の取消については、最高裁は次の旨を判示しています。(大日本印刷採用内定取消事件 S54.07.20最二小判)
※採用内定を取り消せるのは、内定当時知ることができないか、知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できるものに限られる。
(3)上記(2)の「内定当時知ることができないか、知ることが期待できないような事実」に関しては、本件の場合、「このような状況が続いていること」がこれに相当するものと思われます。
また「解約権留保の趣旨」は、採用を内定した時点では、応募者の適格性に関する情報が限られているため、入社までの間に判明した事実に基づいて内定を取り消すことができる権利を留保するものであると考えられます。
更に、「客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できる」については、解雇と比べて緩やかな基準で認められるべきものと考えられます。
(4)それでは、「このような状況が続いていること」を理由として採用内定を取り消すことが、解約権留保の趣旨に照らして、客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できるのでしょうか。
(5)現状ではこれを言い切れる状況にはないと認識されます。引き続き、「このような状況が続いていること」について内定者の考え方を聴取し、会社側の考え方を伝え、今後のコミュニケーションの在り様について話し合うことが重要でないかと思われます。隔たりが大きい(どうしても話し合うことができない)場合)には、「内定取消」をせざるを得ない理由について丁寧に説明していくことが重要であると考えられます。
投稿日:2025/10/03 00:02 ID:QA-0159102
相談者より
ありがとうございます。
現状は合理的な理由として成立していないことが
理解できました。
まずは本人との話し合いと警告を進めていきます。
投稿日:2025/10/06 15:21 ID:QA-0159210大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、あくまで入社前の段階での話ですので、いきなりの内定取消については避けるべきといえます。
しかしながら、文面内容を拝見する限りですと、社会人としてのマナーに著しく欠ける行為であり、御社の懸念もごもっともといえるでしょう。
但し、何らかの事情が有る可能性も完全に否定は出来ませんので、まずは体調不良や連絡の遅延等について入社後の件も踏まえ当人に詳しい状況確認をされる事をお勧めいたします。
その上で、特に配慮すべきような事情がないようでしたら、今後については御社も対応に困っている旨を伝えられ、今後は改善されるよう依頼されるのがよいですし、それでも尚改善が見られないようでしたら、最終的には内定取消もやむを得ないものといえるでしょう。
投稿日:2025/10/03 19:18 ID:QA-0159130
相談者より
ありがとうございます。
内定を出した以上、責任をもって採用したいとは思っていますが、ここまで連続でドタキャンとなると不安になり、質問をさせていただきました。
取り消しをすることは最後の手段としつつも
取り消しをする可能性も含めて、
これからのコミュニケーションを気を付けていきます。
投稿日:2025/10/06 15:25 ID:QA-0159212大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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