労基署からの指導
先日、弊社のある店舗宛に労務管理に関しての問い合わせがあり、対応したところ出頭の依頼がありました。内容は、深夜手当(22~5時)の支給要件があるにも拘らず、支払った形跡がなく計算した上、支給するように指導されました。確かに「深夜手当」としての支払いはなく『職務手当』の中に時間外(45時間分)と深夜手当(24時間分)を包括した状態で支給をしています。
賃金台帳には深夜手当の項目がありますがそこには金額としての計上はない状態です。お尋ねしたいのは以下の項目です。
ア)深夜手当は本来の給与計算と同様に「基本時給」を算出した上でその単価に0.25を掛けて更に実働時間数を乗じた状態で支給すべきか。
イ)現状と同じ状態で包括的支給でよいか
現段階では、指導票や是正勧告は発出されてませんが、これも時間の問題と思っています。
投稿日:2008/06/04 02:09 ID:QA-0012609
- hakaseさん
- 東京都/商社(総合)(企業規模 51~100人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
時間外手当や深夜手当を包括支給される場合には、文面のように金額上で含まれているというだけでは足りず、同手当分として賃金台帳や給与明細等にて明確に区分し見て分かるようにしておくことが必要です。
加えて、現に指導を受けたのであれば当然改善しなければなりません。そうでなければ懸念の通りの事態になるものといえるでしょう。
投稿日:2008/06/04 09:56 ID:QA-0012613
相談者より
現状の改善を視野に入れ対応していきます。ありがとうございました。
投稿日:2008/06/08 11:11 ID:QA-0035050大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「定額支給」の損と無駄
「定額支給」の損と無駄
■「みなし労働時間」に基づく定額払いは、外勤社員の残業代カバーの趣旨を含めて一寸氾濫気味です。その多くは、「時間外労働時間管理」の手間省きと「コスト」削減です。「みなし」が実態を反映して間は、少なくとも手間省きは可能です。問題は、「みなし」が実態を反映しているかどうか、常に検証しなければならないこと、これでは、実態に把握の手間は少しも減りません。
■次に厄介なのは、「実態」が「みなし」超えるときは、超えた分について使用者は労働者に、「毎月単位で」割増賃金を支払う義務のある一方、その逆、つまり「実態」が「みなし」に達していなくても、超過分を返せとはいえないことです。しかも、監督官庁の調査で前者事例が多発していることが分かれば、指導、命令、公表、告発が待ち構えています。
■「定額支給」には、余程、条件が整わなくて、《損と無駄な制度》になります。名ばかり管理職もこの延長線上の問題です。その観点から見れば、ご質問に対する回答はお分かりいただけると思います。労基署にとってもやりがいのある種類の問題でしょう。それだけ、使用者としては、危機意識を持つ必要があるテーマということになります。
投稿日:2008/06/04 11:48 ID:QA-0012621
相談者より
やはり、私が懸念していたことに落ち着くようですね。アドバイスを基に対処していきます。
投稿日:2008/06/08 11:14 ID:QA-0035055大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川島 孝一
- 川島経営労務管理事務所 所長
労基署からの指導
お問い合わせいただきありがとうございます。
まず、包括支給がかならずしもいけないというわけではなく、包括支給をしている金額または時間数が就業規則、賃金規程、給与明細等で明確になっており(従業員が認識しており)、実際の勤務時間に応じて計算した結果が、包括支給の金額の範囲内に入っていれば、労働基準監督署が是正指導をすることはまずありません。
御社の場合、職務手当に含まれる時間が文中で明らかですので、それが規程等で明確になっている前提でアドバイスさせていただきますと、問題は、各人各月のすべてにおいて実際の勤務時間に応じて法律通り計算した金額が、包括支給の金額の範疇に入っているかになるかと思います。
不足している月が1ヶ月でもあれば、その月に関しては不足分を支払うように指導される可能性は高いです。
まずは、自社で過去1年間の再計算を行ってみてはいかがでしょうか。
その結果によっては、労働基準監督署への対応も替わるかと思います。
なお、計算にあたっては、法律通りの計算が要求されますので、例えば、手当て等で割増賃金の単価に含むべきものはきちんと含めないとなりませんのでご注意ください。
投稿日:2008/06/04 12:47 ID:QA-0012622
相談者より
時間管理の重要さを経営陣に認識してもらいその上で対応していきたいと思います。
投稿日:2008/06/08 11:18 ID:QA-0035056大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
深夜手当を別の手当で支払う場合について 弊社では、夜間(20:00~27... [2012/05/18]
-
資格手当は基準外手当? 現在、弊社では、公的資格手当の導... [2006/09/18]
-
時間外手当の基礎額について 時間外手当の基礎算出額についての... [2008/10/22]
-
規則に定めていない手当のカットについて 以前より支払われている手当のうち... [2020/06/29]
-
時間外手当の定義 以下ご質問です。よろしくお願いし... [2016/12/01]
-
営業職職務手当 営業職の手当を検討しています。一... [2008/06/05]
-
日割控除の対象となる給与部分について 欠勤1日当たりの日割控除計算の分... [2005/11/30]
-
早朝手当や深夜手当について 早くに出勤した場合、もしくは深夜... [2024/05/27]
-
最低賃金の計算に含める手当について 最低賃金の算定に含めるかどうかに... [2024/04/12]
-
早朝手当 時間外手当について パートさんに7:00~9:00の... [2018/06/07]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
家族(扶養)手当申請書
家族手当(扶養手当)は家族のいる従業員に企業が支給する手当です。従業員が提出する家族(扶養)手当申請書のテンプレートを紹介します。
通勤手当の支給規則
通勤手当の支給規則例です。支給要件、支給額、申請手続き、限度額などについて文例を記載しています。
身上異動書
従業員が会社に提出する「結婚による身上異動書」のサンプルです。家族手当・扶養手当を運用する際にご利用ください。ダウンロードして自由に編集することができます。
指導記録書
問題行動を起こした社員にどのように指導を行ったかを記録するための書式です。