採用時にうつ病歴を隠していた社員を解雇できるでしょうか。
先日、自らの原因で引き起こし、お客さまからのクレーム処理を担当していた者が、うつ症状との診断書を会社に提出し、現在休職に至っております。
本人に聞いたところ、前職でも発症したことがあるとのことでした。
しかし、入社に際して(入社後、約1年経過)、前職での発症履歴については、一切ありませんでした。
(入社時の健診票を提出済。既往病の記入なし)
1.この場合、入社にあたり経歴詐称があったとして、解雇することは可能でしょうか。
2.このような者を採用時にチェックする方法は何かありますでしょうか。
アドバイスをお願いいたします。
投稿日:2012/08/06 15:32 ID:QA-0050823
- よっしーさん
- 埼玉県/住宅・インテリア(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
解雇より自主退職を説得
どの企業でもあり得るケースであり、また対応が非常に難しい問題です。もちろん詐称していたのは従業員ですし、実質的に会社に被害を与えてもいる訳ですから、解雇できる可能性はあります。ただ、裁判まで行った際に(行くかどうか決めるのは本人ですので)大きな時間的金銭的エネルギー負担が予想され、有無を言わさず解雇するのはあまり得策とは思えません。
急がば回れで、じっくり本人と面談し、本人の自主退職を促すのがもっとも安全ではないでしょうか。本人から退職届を取れば、後で裁判にまでエスカレーションしても、相当会社側のディフェンスは強固になります。慌てず、騒がず、脅さず、説得に取り組むことをお薦めします。
投稿日:2012/08/06 21:46 ID:QA-0050828
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御質問の件に各々回答させて頂きますと‥
1.経歴詐称で解雇可能となるのは、詐称内容が御社業務を遂行する上で重要性が高い場合に通常限られるものといえます。過去のうつ病を隠していたとしても、うつ病歴自体業務遂行に直接支障があるとは一般的に考えられません。従いまして、これを理由に解雇する措置は解雇権濫用としまして無効になる可能性が高いでしょう。
2.チェック方法はメンタルヘルスの専門家等が開発していますので、WEB検索等でお調べ頂ければと思います。但し、100%チェックできる方法はないといえるでしょう。ちなみにメンタルヘルス悪化は症暦のある方に限られるものではございません。採用時チェックよりは職場環境を向上させる等入社後の予防対策をしっかり採られる方に重点を置かれるべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2012/08/06 22:46 ID:QA-0050830
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
病歴偽証は、解雇の正当な理由となり得る
採用に際して、応募者に病歴の申告を求め、その情報を取得することは法的に問題ないとされています。 入社後、その病気が、再発、悪化した場合、直截的に解雇事由と出来るかどうかは、状況次第だと思いますが・・・、(1) 然し、少なくとも、解雇検討に際して、「 病歴偽証 」 は、会社として、有利な立場で話し合いを進めることができる事実になります。(2) 一旦採用すれば、法(※)に基づき、社員に対し、健康診断の実施と結果を通知すべき、強制的義務を課せられていますので、虚偽申告や採用前受診拒否は、採用取り消しや、解雇対象となる得ることを、明確にしておくことは、このような事態発生への抑止力になると考えます。(※)労働安全衛生法第66条
投稿日:2012/08/07 09:45 ID:QA-0050833
プロフェッショナルからの回答
病歴について
・原則として、採用面接時にうつ病、HIV、C型肝炎など病名をあげて病歴を聞くことはできません。職業安定法5条の4、必要ない個人情報等・・・に違反するからです。
過去に病気であっても、現在、回復していれば業務遂行に問題はないからです。
ただし、医者に止められている場合は別です。
・再発するケースもあるでしょうが、個人差もありますので、過去の病歴だけで採用しないということは就職差別とされてしまいます。
・面接時には、業務内容を説明し、業務遂行に健康面で問題はありませんか?は聞くことができます。
・経歴詐称については、そのことが業務遂行において重大なことなのかどうか、すなわち事実と違うのであれば採用していなかったかどうかで、個別に判断されます。過去にうつ病というのは、回復していたのであれば重大とはいえないと思われます。
投稿日:2012/08/07 13:05 ID:QA-0050836
プロフェッショナルからの回答
解雇の根拠と、社内環境整備による予防
就業規則の懲戒事由にあてはまる、入社時に経歴詐称等、虚偽がない旨の誓約書を書くなど、解雇にする明確な根拠があれば、解雇は可能です。しかし、本人より不服として民事的な訴訟に発展するなどのリスクも考えられますので、履歴の詐称の疑いとの旨を伝え、退職勧告にとどめるなど、こちらから解雇しない方法をお勧めします。
また採用時ですが、病歴について事細かにきくことも難しく、採用時で判別するのは困難になります。本人にとっては、うつ病による休職や退職は採用時にプラスに響かないため、話してくれないことも多いからです。採用時だけでなく、社内のメンタルヘルスを強化するなど、社内環境の整備によりうつ病を発病させないようにすることも必要になります。
投稿日:2012/08/09 11:53 ID:QA-0050881
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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