社員が副業を行い過労死した場合の責任の所在
お世話になります。
副業制度を導入を考えていますが、下記の通り懸念事項があります。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認頂けますと幸いです。
①社員が副業を行い、過労死した場合の責任の所在は本業先、副業先のどちらにありますか?(ケースバイケースだと思いますが)
②副業先で割増賃金が支払われなかった場合には、本業先も責任を負うことになりますか?
投稿日:2025/12/11 15:42 ID:QA-0161870
- CR7さん
- 東京都/広告・デザイン・イベント(企業規模 301~500人)
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本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.以下のとおりです。
・各職場での負荷をあわせて負荷を評価し、労災該当性を判断する
・それぞれの職場での賃金も合算して労災保険の支給額を計算する
という扱いとなっています。
・損害賠償については、過重労働を予見できたかどうかがポイントです。
2.原則として、副業先の責任です。
投稿日:2025/12/11 16:16 ID:QA-0161879
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
1について、社員の健康と安全を確保する安全配慮義務は、本業先・副業先
両方が負っています。ご記載の通りケースバイケースですが、本業先の方が、
労働時間が通常長いものですので、本業先の方がしっかりと管理しませんと、
責任度合いは大きいと言えます。
2について、副業先が支払うべき賃金であれば、本業先で副業先の賃金を
負担することはありえません。違う会社の人件費を、自社で負担することは
なく、労務提供を受けている方が賃金支払いの義務を負います。
投稿日:2025/12/11 16:30 ID:QA-0161881
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.社員が副業を行い過労死した場合の責任の所在
(1) 過労死の責任は「本業先・副業先双方が労働時間管理義務を果たしたか」で判断
結論として、責任は本業先・副業先のどちらか一方ではなく、双方が負い得るというのが行政実務の考え方です。
【労災認定】
労災認定においては、複数事業場の労働時間は通算される(昭和60年12月16日基発695号)。
そのため、
本業:月60時間の残業
副業:月60時間の残業
→ 合計120時間で過労死ラインを超える
という場合、労災は「主たる使用者」(通常は本業先)で請求することになりますが、
副業先での労働時間も負荷として加算されます。
【損害賠償責任(安全配慮義務)】
裁判所は、
各企業が、自社で把握できる範囲の労働時間管理を怠っていたかどうか
によって個別に責任を判断します。
すなわち、
本業先:副業を把握していたのに労働時間管理・健康管理措置を怠った
副業先:勤務実態に照らして明らかに過重労働をさせていた
→ 双方に安全配慮義務違反が認定される可能性があります。
現実の訴訟でも、複数雇用主の共同不法行為が問題となった例があります。
●実務的なポイント
副業を認める場合、企業側には
労働時間提出義務(副業先からの労働時間申告)
過重労働にならないよう本業側での労働時間調整
健康確保措置(面談・産業医対応)
などを行う義務が生じます。
【 割増賃金未払いが副業先で発生した場合、本業先も責任を負うか】
結論:
割増賃金を支払う義務は「実際に労働させた会社」であり、本業先に法的支払義務は生じません。
ただし以下に注意が必要です。
●(1)法的には「副業先のみ」が支払い義務者
労働基準法第37条に基づく支払義務は 労働させた使用者 にあるため、
副業先が未払いの場合でも、本業先に「連帯して支払う法的義務」はありません。
●(2)しかし、本業先に「安全配慮義務違反」が及ぶ可能性
副業の存在を把握しながら、
過重労働を黙認
労働時間通算の確認を怠った
健康確保措置を怠った
等の場合、
割増賃金の支払義務ではなく、“過重労働による健康被害” について責任を問われる可能性
があります。
つまり、
割増賃金未払いそのものの責任 → 副業先のみ
健康障害発生の責任 → 本業先にも及び得る
という整理です。
【安全な副業制度を導入するための実務対応】
最後に、貴社が制度を導入する際に必須の措置をまとめます。
1. 労働時間の通算管理(労基法38条)
副業先の労働時間を定期的に申告させる
本業先での時間外労働を調整し、過重労働を防止
2. 健康確保措置
申告時間が月45時間を超える場合は面談等の措置
深夜労働多発の確認
3. 就業規則に明示
副業の許可制
労働時間の申告義務
健康配慮のため就労制限を指示できる旨(安全配慮義務に基づく)
4. 副業先との契約内容の確認
割増賃金の適法支払い
労働時間制度の整合性
労災保険加入状況
【まとめ】
論点結論過労死の場合の責任本業・副業の双方が責任を負い得る(労働時間は通算して評価)割増賃金未払いの責任副業先のみが支払義務、本業先には原則法的責任なしただし本業先のリスク労働時間管理・健康管理を怠った場合、安全配慮義務違反の責任が及ぶ
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/12/11 17:41 ID:QA-0161882
プロフェッショナルからの回答
対応
1.ケースバイケースですが、両者が責任を負うと思われます。安全配慮義務は勤務が長い方がより重く見られる可能性があるでしょう。
2.通常副業先の責任を負うことはないはずです。
投稿日:2025/12/11 19:19 ID:QA-0161890
プロフェッショナルからの回答
情報提供
以下、情報提供いたします。
(1)「副業制度の導入を考えています」とのことです。過労死の場合、本業元が責任を問われることは有り得るものと考えられます。
(2)当該制度導入に際しては、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(厚生労働省)が参考になるものと思われます。その中で、企業の対応として、「健康管理」が取り上げられています。
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000962665.pdf
(3)なお、「健康確保措置等の円滑な実施についての留意点」として以下の記載があります。
使用者が労働者の副業・兼業を認めている場合は、健康保持のため自己管理を行うよう指示し、心身の不調があれば都度相談を受けることを伝えること、副業・兼業の状況も踏まえ必要に応じ法律を超える健康確保措置を実施することなど、労使の話し合い等を通じ、副業・兼業を行う者の健康確保に資する措置を実施することが適当である。また、副業・兼業を行う者の長時間労働や不規則な労働による健康障害を防止する観点から、働き過ぎにならないよう、例えば、自社での労務と副業・兼業先での労務との兼ね合いの中で、時間外・休日労働の免除や抑制等を行うなど、それぞれの事業場において適切な措置を講じることができるよう、労使で話し合うことが適当である。
さらに、使用者の指示により当該副業・兼業を開始した場合は、実効ある健康確保措置を実施する観点から、他の使用者との間で、労働の状況等の情報交換を行い、それに応じた健康確保措置の内容に関する協議を行うことが適当である。
投稿日:2025/12/11 22:34 ID:QA-0161893
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
①副業・兼業の促進に関するガイドラインQ&Aに以下のような質疑応答があります。
Q 副業・兼業している場合、業務の過重性の評価にあたって労働時間は合算されるのか。
A 労災保険法は、個別事業場ごとの業務に着目し、その業務に内在する危険性が現実化して労働災害が発生した場合に、保険給付を行うこととしていることから、副業・兼業している場合であっても、それぞれの就業先における労働時間は合算せず、個々の事業場ごとに業務の過重性を評価している。
そのため、責任の所在は、ご認識どおりケースバイケースで判断されるということになります。
②例えば、本業先で8時間働き、副業先で3時間働いた場合、副業先で行う3時間の労働はすべて法定時間外労働、あるいは、本業先で月曜から金曜までの各日に8時間働き、土曜に副業先で5時間働いた場合、副業先での5時間の労働はすべて法定時間外労働となります。
これらの場合に、時間外労働割増賃金の支払い義務を負うのは副業先であって、本業先にはその義務はありません。
したがって、副業先で割増賃金が支払われなかったからといって、本業先が責任を負うことはありません。
投稿日:2025/12/12 09:08 ID:QA-0161909
プロフェッショナルからの回答
日本の人事部Q&Aをご利用くださりありがとうございます。2つのご質問について、それぞれ次のとおり回答申し上げます。
【質問1】副業中の社員が過労死した場合の責任の所在
一概には言えませんが、労働時間や労働負荷が、本業と副業で極端に偏っていない場合、本業と副業の事業者双方が法的な責任あるいは民事上の責任を負う可能性が高いのではないかと思われます。
理由(1)~派遣労働者は、労働安全衛生法において派遣元と派遣先それぞれの責任が規定されていますが、副業の場合は明確なルールが存在しませんので、最終的な責任の所在は本業と副業の事業者が、その労働者の労働時間や健康状態をどの程度把握していたか、あるいは把握可能だったかどうかにもとづき、ケースバイケースで判断されます。
理由(2)~労働安全衛生法は、月80時間を超える法定外労働および休日労働を行った労働者に疲労の蓄積が認められ、本人が希望した場合には、医師の面談を受けさせることを事業主に義務付けていますが、1日の労働時間は本業と副業で通算されることから、この健康管理上の措置義務も、本業と副業それぞれの事業者に課されると解されています。
理由(3)~労働契約法の安全配慮義務は、労働者が安全かつ健康に働けるような職場環境や勤務体制について事業主が配慮する義務をいい、安全配慮義務は本業か副業かを問いません。違反に対する罰則はありませんが、過労死した労働者の遺族が安全配慮義務違反で貴社を訴えた場合、不法行為にもとづく損害賠償責任を負う可能性があります。
補足すると、本ケースにおいて、過労死の原因が本業か副業か判然としない場合、業務災害ではなく複数業務要因災害に認定されます。この場合、本業先も副業先も労働基準法上の災害補償義務は負わず、本業と副業の給付基礎日額を合算した額にもとづき、労災保険から遺族補償年金等が給付されます。
【質問2】副業先で割増賃金が支払われない場合
副業先に割増賃金の支払い義務がある法定外残業であれば、貴社がその割増賃金の支払を肩代わりする義務はありません。ただし本業と副業の1日の労働時間を通算した上で法定外労働を認識し、割増賃金を計算しなければなりませんので、労働基準法に定めるこれらのルールを抑えておく必要があります。
まず所定内労働時間は、本業と副業の労働契約締結の先後の順で通算します。次いで残業が発生した時刻の先後でもって残業時間を通算します。貴社においてはこれから副業を制度化しようという状況ですので、所定内労働時間については、仮に副業してから貴社に出社する場合であっても、貴社→副業先の順で通算することになり、主業+副業の所定内労働時間が法定労働時間を超過した場合は、副業先が割増賃金の支払義務を負います。
注意すべきは残業時間の通算です。もし貴社の所定内労働時間が7時間で、さらに残業が1時間発生した場合、一見すると法定労働時間内に収まっているように見えますが、先に副業先の所定内労働時間が通算されるため、貴社の残業1時間に対し、貴社の側に割増賃金の支払い義務が生じます。なお月60時間超過の法定外労働には50%以上の割増賃金の支払いが必要なので、副業は貴社の終業後に限定して許可するルールにした方が安全かと思われます。
最後になりますが、副業先の勤務時間の把握は貴社の義務です。しかし把握の方法はあくまでも本人の自己申告となるため、副業先のタイムカードや給与明細の写しを提出させるなど、副業時間の確実な把握方法なども制度設計の際にご検討頂き、貴社においては副業先の労働時間把握にも努めているのだ…というエビデンスをしっかりと残しておくようにすると良いでしょう。
ご質問に対する回答は以上となりますが、貴社における制度設計の参考となれば幸いです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2025/12/13 17:26 ID:QA-0161975
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、1につきましては、ご認識の通りケースバイケースであり、一概にいずれの責任とも決められません。つまり、過労死に至った詳細経緯によって判断される事になります。
2につきましては、副業先で支払われるべき割増賃金であれば、本業が不支給の責任を問われる事にはなりません。但し、副業先が本業の労働時間と合わせて時間外労働になる等の事実を全く知らなければ副業先に責任は発生しませんので、労働者本人から事前に必ず副業先へ伝えてもらい、先方に理解頂いた上で就労してもらう事が必要といえます。
投稿日:2025/12/13 23:13 ID:QA-0161985
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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