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【ヨミ】フクギョウ 副業・複業

「フクギョウ」と言う場合、通常は「副業」と書き、本業のかたわら別の仕事を持つこと、雇用者であれば勤務先外の業務で収入を得ること、あるいはその仕事自体を意味します。「複業」も本業以外の仕事のことですが、「副業」があくまで本業の片手間に行う、所得補てんを目的としたサブ的な仕事という意味合いが強いのに対し、「複業」ではどちらが本業か明確に区別できないような時に使われます。業種の異なる複数の仕事を、どちらも本業として兼務するような働き方であり、勤労形態としては「兼業」に近いでしょう。終身雇用が盤石でなくなり、多様で柔軟な働き方に注目が集まるなか、最近は、企業が従来禁じていた従業員の「副業・複業」を容認する動きが広がっています。
(2016/11/30掲載)

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副業・複業のケーススタディ

隠れてコソコソから二刀流解禁へ、国も後押し
自由に働ける環境にこそ優秀な人材は集まる

日本ではこれまで社員の副業・兼業を就業規則で禁止・制限する企業が圧倒的に多く、現在も一部企業や業界を除き、その傾向は基本変わりません。「副業」というと、会社に内緒で、退社後や休日にコソコソ内職やアルバイトをするようなイメージが強いのはそのためでしょう。しかし、禁じられているにもかかわらず隠れて副業をする人は意外に多いようで、人材サービスのエン・ジャパンが派遣サイトの利用者を対象に2008年から実施している調査によると、副業の経験者は15年に57%と過去最高を記録しました。副業をした理由の第1位は、「副収入が必要だった」からで、副業の経験はないが興味はあると答えた人でも、「貯金」「副収入」など金銭面の理由が上位に挙がっています。

働く人の副業に対する潜在ニーズが高まるなか、社会や企業側の風向きも少しずつ変わってきました。きっかけの一つは今年2月、製薬大手のロート製薬が副業容認を発表し、6月から「社外チャレンジワーク制度」の名称で、実際に運用を開始したことでしょう。同社の“方針転換”に、電機、建設、商社といった他業種の大手企業からも問い合わせが殺到。加藤勝信働き方改革担当相が視察に訪れるなど、大きな反響を呼びました。制度の対象は入社3年目以上の正社員で、就業時間外や休日のみ副業が可能です。すでに20~50代の約60人が、地ビール製造会社の起業、薬剤師資格を活かした調剤薬局勤務、フラワーアレンジメントの講師など、さまざまな副業にチャレンジしています。

また、インターネット関連の企業では、例外的に副業容認が先行してきました。ヤフーでは、すでに副業を持つ社員が数百人規模に達し、サイボウズも12年から社員の副業を「原則許可」に変更。条件を満たせば会社への申請は不要なため、人事部門も全員を把握してはいませんが、国内約400名のうち20人程度が副業をしているといいます。

被雇用者にとって、副業の解禁は大きな魅力です。先述の調査結果のとおり、収入増が見込め、転職や独立・起業に向けたスキルアップにもつながります。最近は、金銭面だけでなく、個人の成長や生きがいのために、本業との“二刀流”を模索する人も増えています。本業以外に“二枚目の名刺”をもって、NPOやプロボノなどの社会活動に励む「パラレルキャリア」の活動もその一つ。副業よりも「複業」に近く、異なるキャリアを通じた学びの相乗効果が自己成長を促すワークスタイルに注目が集まっています。

企業にとっても、個人の成長なくして組織の成長は望めません。本業の生産性が落ちるのではないか、人材や情報が流出するのではないかといったリスクが懸念されますが、自由に働いて自ら能力を発揮できる環境がなければ、企業価値が上がらず、優秀な人材は集まらない――今はそのリスクのほうがより大きく、より確実になりつつあるのです。

政府が今年9月に立ち上げた「働き方改革実現会議」は、副業や複業を含め、勤め先にしばられない柔軟な働き方について検討を始めました。厚生労働省でも企業に副業容認を促すため、企業のモデルとなるような標準的な就業規則を改正し、早ければ年内にも公表する方針です。

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