特定されていない休日の取扱いについて
いつもお世話になっております。
年間休日数の考え方についてご質問させていただきます。
付与日を特定せず、会社の繁閑状況によって突発的に付与する休日は年間休日数として計算可能なのでしょうか?
例えば従業員数が20人いたとして、翌日の仕事量からして15人出勤させれば現場を回せる場合、残りの5人を翌日休日にするなど、あらかじめ付与日を特定させず、会社主導のもと突発的に付与する休日は年間休日数として計算できるものなのでしょうか?
なお、この休日の付与方法については労使間協定で合意済みだとします。
投稿日:2025/11/28 14:05 ID:QA-0161258
- 勉強中につきさん
- 愛知県/運輸・倉庫・輸送(企業規模 31~50人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ご記載の内容が、元々、出勤予定の日に対し、前日に翌日の仕事量を鑑み、
5人に対しお休みをいただく場合、当初の予定では労働義務があった日と
なりますので、休日ではなく通常、休業に該当します。よって、年間休日数
としてのカウントも難しいと言えるでしょう。
|この休日の付与方法については労使間協定で合意済みだとします。
上記の合意内容が定かではありませんが、例え、就業規則内で、休日の定義に
ついて本件の適用を認めるような規定があったとしても、何かしら問題が生じた
際は、実態にて判断がされる繊細なケースでございます。
正確な判断にはより詳細な情報が必要となります為、所轄の労働基準監督署
へ状況の詳細をご説明の上、ご相談されることをお勧めいたします。
投稿日:2025/11/28 15:05 ID:QA-0161262
相談者より
ご回答ありがとうございます。
質問のような付与方法では休日でなく休業扱いとなる旨、理解しました。
ということは、休みを付与した従業員には休業手当の支給が必要となるわけですね。
投稿日:2025/12/01 08:50 ID:QA-0161301参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
・ 事前に特定していない休日であっても
・ 労使協定に基づき、一定の要件を満たすなら「年間休日数」に算入できます。
ただし、
・ 就業規則には“年間休日●日”の表記が必要
・ 計画性・公平性が担保されていること
・ 実際の年度末集計で“年間休日数が●日以上”になっていること
が絶対条件です。
2.法的根拠:労基法は「休日の事前特定」を必ずしも要求していない
労働基準法第35条(休日)は、
「毎週少なくとも1回の休日」
または
「4週4日の休日」
としか規定していません。
つまり、
休日を事前に特定せよ
年間休日は特定日に固定せよ
とは どこにも書いていません。
したがって、
・法は「休日日数の確保」を目的としており
・ 休日の“日付の特定”までは要求していない
という行政実務が確立しています。
3.就業規則で「年間休日数」が確定していれば、中身(付与日)は変動してOK
就業規則には
「年間休日数:105日」等
「所定休日は会社が勤務割表で別途定める」
「繁閑による変更がある場合がある」
「変更手続きは労使協定による」
等と記載しておけば、
実際の付与日はシフト表の確定時に決めても適法です。
→ サービス業・小売業・飲食・物流などでは極めて一般的な運用です。
4.御社のような「突発的に5名だけ翌日休みにする」運用は可能か?
ここが今回の核心です。
結論としては、
・ 原則として可能
・ ただし、以下の要件を満たすことが必須
5.年間休日に算入するための“必須要件”
(1)年間休日数が就業規則で定められていること
例:
「年間休日105日とする」
「休日は会社の勤務割表による」
「繁閑による付与は労使協定に基づき行う」
これで法的にOK。
(2)労使協定で「休日の柔軟運用」を明確にしていること
御社は「労使間協定済み」とのことなので条件を満たします。
協定例:
会社は業務運営上必要な場合、所定休日を特定せず付与できる
公平性に配慮する
年間休日数は○日以上となるよう調整する
(3)年度末の実績として、各従業員が「年間休日数以上」取得していること
最も重要なチェックポイントです。
→ もし105日と定めているのに
→ 年度末に社員Aが103日しか休めていなければ
→ 労基法違反(休日不足)扱いとなる。
したがって、
「突発休日の付与」は認められますが、
年間実績が基準を下回ると違法扱いになるので要注意。
(4)公平性・平等性が担保されていること
休日の付与を突発で決める場合、
同じ人に偏る
若手だけ/特定部署だけ/女性だけ に偏る
などがあると、
不利益・差別と評価される可能性が生まれます。
実務上は、
年間でだれが何日付与されたか
休日付与のルールが客観的か
全従業員に公平か
を 勤務割表で管理しておく必要があります。
5.注意点:今回のような「前日に5名だけ休みにする」は一応可能だが、次の点に注意
(1) 前日通知でも休日としての成立には問題なし
→ 休日は「労働義務のない日」を設定するだけなので
→ 前日でも成立する(判例/通達で明確)
(2)“不利益変更”と評価されないように配慮
→ 休ませることで収入が減る場合
→ 本人の希望がないなら避ける
→ あくまで「所定休日」であることが前提
(3)変形労働制ならさらに慎重
→ 所定休日の位置づけが重要な制度であるため
→ 突発的な変更は“実質的に休日変更”と評価される可能性
6.御社の運用に対する最終結論
・ 繁閑による突発的な休日付与は
・ 「就業規則+労使協定+年間休日の実績が基準以上」
・ という要件を満たせば 年間休日として算入できます。
御社が示した
「翌日の仕事量が少ない場合、5名だけ翌日を休日にする」
という方式は、
法的には許容範囲だが、
年間休日数の実績管理と公平運用が絶対条件です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/11/28 15:08 ID:QA-0161263
相談者より
詳細かつわかりやすい説明、感謝いたします。
当社の場合、労使間協定済で休日数の記載があり、全社員に平等な日数突発休を与えているので、年間休日数と各社員の年度末時点の取得休日数に未達がなければ問題ない旨、理解いたしました。
また、就業規則に年間休日数とその付与方法を詳細に記載していれば、シフト制のような毎月付与日が変動する運用も可能とのこと。
年間休日数の改定につき、前向きに検討していけそうです。ありがとうございました。
投稿日:2025/12/01 09:10 ID:QA-0161302大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
付与日を特定せずとも、日数があらかじめ決まってないと、
休日として年間休日数のカウントは不可能ということになります。
突発的な休日ということですが、
有給であれば、問題ありませんが、パートさんなど無給の場合、
休業手当が発生してしまいます。
また、突発的かつ日数が決まっていないのであれば、
休日ではなく、休暇の扱いとなります。
投稿日:2025/11/28 15:59 ID:QA-0161270
相談者より
ご回答ありがとうございます。
当社の場合、付与する突発休の日数は労働協約に記載されており予め定めておりますので、休日としてのカウントは可能ということですね。
投稿日:2025/12/01 09:15 ID:QA-0161303参考になった
プロフェッショナルからの回答
賃金全額負担
以下、回答いたします。
(1)労働基準法の「休日」の特定に関しては、次のような通達があります。(昭23.5.5. 基発682号、昭63.3.14 基発150号)
※ 法35条は必ずしも休日を特定すべきことを要求していないが、特定することがまた法の趣旨に沿うものであるから就業規則の中で単に一週間につき一日といっただけではなく具体的に一定の日を休日と定める方法を規定するよう指導されたい。
(2)こうしたもとで、「会社主導のもと突発的に付与する休日は年間休日数として計算できるものなのでしょうか?」とのことですが、会社の故意・過失又は信義則上それらと同視すべき事由によって労務の提供が不能になったことから(民法第536条第2項)、賃金全額相当の支給が必要になるという考え方もあろうかと思われます。
(債務者の危険負担等)
第五百三十六条
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
投稿日:2025/11/28 19:17 ID:QA-0161276
相談者より
「会社の故意・過失又は信義則上それらと同視すべき事由によって労務の提供が不能になったことから(民法第536条第2項)、賃金全額相当の支給が必要になるという考え方もあろうかと思われます。」
→やはり休業という扱いとなると、従業員へ相当する手当支払いの必要性があるのですね。
ご回答、ありがとうございます。
投稿日:2025/12/01 09:23 ID:QA-0161307参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
翌日の仕事量からして15人出勤させれば現場を回せる場合、残りの5人を翌日休日にするというのは、その日は本来は勤務予定日(労働義務のある日)であったわけですから、休日ではなく会社都合による休業ということになりますので、労基法第26条に基づく休業手当の支払いが必要になります。
したがって、年間休日数としての計算は不可能ということになります。
ただし、有給休暇を取ってもらうことは可能ですが、会社から指定するのではなく、あくまで本人からの申し出に基づくものでなければなりません。
投稿日:2025/11/29 08:21 ID:QA-0161278
相談者より
本来労働義務のある日に会社都合で社員を休ませた(有給でなく)場合、手当の支払いが必要になってしまう件理解しました。
また、その場合年間休日数としてのカウントは不可とのこと。
ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/12/01 09:28 ID:QA-0161308参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、単に休日としてカウント可能になるかという事でしたら、可能といえます。
但し、休日の内容に関しましては、法令上就業規則の絶対的必要記載事項とされていますので、こうした特別な与え方の休日についても事前にきちんと就業規則に定めておかれる事が不可欠です。
投稿日:2025/11/29 13:37 ID:QA-0161292
相談者より
休日としてのカウントは可能だが、付与方法や休日の内容に関しては事前に就業規則に詳細を記載しておく必要がある旨、承知いたしました。
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/12/01 09:33 ID:QA-0161310参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
会社休日に有給休暇を使う派遣社員 派遣契約書の「休日」には”派遣先... [2024/06/27]
-
休日の振替について 休日の振替についての質問です。弊... [2024/07/05]
-
休日出勤で代休を取った時の割増賃金について 休日に取引先からの急な要請で休日... [2025/12/04]
-
限定社員の休日について 年間の休日日数が正社員と限定社員... [2025/02/25]
-
所定休日の定義と振替休日について 弊社の法定休日は日曜日で、年間休... [2025/01/22]
-
休日カレンダー(休日の配置)の決定に労使協定は必要か? 次のような内容を就業規則で定めて... [2024/05/27]
-
会社休日の夏休みを通年利用の休日もしくは特別休暇に変更可能か 当社では、夏季休日を「休日」とし... [2025/01/17]
-
屋外労働者の休日について 工事業の会社です。1日の所定労働... [2024/07/23]
-
休日出勤について 当社は法定休日を日曜日としていま... [2024/06/12]
-
代休の取り扱いについて 弊社では、毎週火・水曜日を休日と... [2025/07/29]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
休業手当の計算シート
休業手当の計算例を示したシートです。
任命書
従業員に特定のプロジェクト・チームのリーダーなどを任せる際の任命書です。