期間満了の契約社員に対する1ヶ月延長時のリスクについて
いつもお世話になっております。
今回、1年の契約期間が満了予定の契約社員に対し、業務繁忙のため満了月の翌月から1ヶ月間の短期契約の提示を検討し、当人に了承頂いています。
この場合に、「1年の契約を期間変更の覚書で1年1ヶ月に伸ばす」対応と「新たに1ヶ月の短期契約を締結する」対応とで、契約社員にとってどちらがリスクが少ないでしょうか?
雇用保険・失業保険の受給に対する影響も含め、ご教示頂けますと幸甚です。
よろしくお願いします
投稿日:2025/06/09 13:11 ID:QA-0153701
- ゴンザレスさん
- 東京都/食品(企業規模 1001~3000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
延長するのであれば、新たに1ヶ月の短期契約を締結するということになります。
有期契約というのは、その期間については絶対ですので、
安易に短縮、延長はできません。
雇用保険・失業保険については、トータル年数(3年以上かどうか)と、新しい契約の更新条項によって離職理由等が変わってきます。(更新しないのか、更新する可能性があるのか等)
投稿日:2025/06/09 14:56 ID:QA-0153710
相談者より
ご回答ありがとうございました。
安易に期間延長で対応すべきでないこと理解致しました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:48 ID:QA-0153753大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
【前提】
現契約は「1年間の有期雇用契約」で、満了月で終了予定。
繁忙により、さらに1か月間の延長(合計1年1か月の勤務)が見込まれており、本人の同意も得られている。
1.2つの選択肢の比較
A案:契約期間の変更(覚書等により1年→1年1か月に延長)
メリット
雇用契約が一貫して継続される。
会社都合・労働者都合の判断に一貫性が出やすい。
契約満了による雇止め時の説明がしやすい(「期間満了」)。
リスク・デメリット
実質的に契約更新を繰り返すことにより、「通算5年ルール」による無期転換申込権の発生条件の一部(反復更新実績)が強化される可能性がある。
契約期間の変更理由が明確に合理的で、かつ本人同意が書面で確認できない場合、「実質的な更新」や「雇止め回避の意思あり」と評価される懸念あり。
B案:新たに1か月間の契約を締結する(再契約)
メリット
初回契約と明確に区切られるため、「雇止め」トラブル時にリスク管理がしやすい。
雇用保険上は連続勤務として扱われる(ただし詳細後述)。
リスク・デメリット
再契約の内容によっては「形式的に分けただけ」とみなされ、更新と同様に扱われる可能性あり。
契約間にブランクがあれば、継続性が切れ、雇用保険の取り扱いや通算契約期間に影響が出る場合あり。
2.雇用保険・失業給付への影響
共通事項(A案・B案ともに)
雇用保険加入条件(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)を満たす限り、1か月間の契約でも引き続き加入対象です。
失業保険の受給資格(直近2年間に通算12か月以上の被保険者期間)は、どちらの対応でも確保されます。
A案とB案の違い(給付制限等への影響)
項目→契約延長(A案)→新契約(B案)
雇止め時の受給条件→明確な「期間満了」→受給可能→「実質的な更新」なら同様
給付制限(3か月の待期等)→原則なし→原則なし
雇止め時の会社都合判断→通算1年1か月の契約満了として整理→「反復更新」と評価されると、会社都合とみなされる場合あり(要注意)
3.実務上のおすすめと留意点
【雇用保険やトラブルリスクの点で有利なのは?】
契約社員にとっては、「契約延長(A案)」の方がリスクが少ないと考えられます。
理由:雇止めの際の失業給付上の不利益が発生しにくく、契約の継続性が評価されやすいからです。ただし、将来的に「無期転換申込権の判断材料」にされるリスクはあります。
【会社側のリスクを抑えたいなら】
「新たな1か月契約(B案)」の方が防衛的です。
「今回限りの契約」であることを明記すれば、無期転換への布石を回避しやすくなります。ただし、再契約の連続があると、実質的には「更新」と判断される可能性があります。
4.実務対応のポイント
A案の場合(契約延長)
覚書には延長理由(業務繁忙による短期延長であること)を明記。
「今回限りの延長であり、契約満了後は更新しない」旨を記載しておく。
B案の場合(新契約)
雇用契約書の記載を明確に。「業務繁忙対応のための短期契約」「1か月のみで再契約予定はない」等。
契約の継続性が切れないように、1か月の契約が前契約の終了直後から始まるよう調整する。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/09 14:57 ID:QA-0153711
相談者より
ご回答ありがとうございました。
それぞれの事例で詳細に解説・ご助言いただき大変参考になりました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:49 ID:QA-0153755大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
まず、契約社員側のリスクについては、結論、変わりません。
実質、契約期間が1ヶ月間、延伸されたことには変わりない為です。
但し、契約期間満了の理由は、1年満了時点と更新後で、
整合性をとられた理由が望ましいかと存じます。
離職票の離職理由に関係する為、社員が不利な理由に変更されますと、
トラブルに発展する可能性がございますので、事前に擦り合わせてください。
今後の会社側の対応としては、以下の方が望ましいと感じます。
>新たに1ヶ月の短期契約を締結する
覚書書に、延長される1ヶ月間の契約内容含め、必要事項が漏れなく記載されて
おれば良いですが、ただ単に延長するだけでは足りませんので、
作成の際は、専門家でないと、難易度はやや高いものと思われます。
例えば、契約終期時における延長可否などの記載等、新たに短期契約として、
労働条件通知書を作成された方が、漏れなく適切に明示可能かと思案します。
投稿日:2025/06/09 15:16 ID:QA-0153718
相談者より
ご回答ありがとうございました。
それぞれの事例で詳細に解説・ご助言いただき大変参考になりました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:53 ID:QA-0153758大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、既に1ヶ月間の短期契約の提示で同意されているという事でしたら、そのように契約書を作成され取り交わす義務がございます。文面内容を拝見する限り、敢えて1年1か月の契約書として書き直すメリットもないものといえるでしょう。
そして、雇用保険の手当受給に影響が生じるのは自己都合退職になる場合ですので、こうした契約内容の相違によって生じるものではございません。
投稿日:2025/06/09 21:46 ID:QA-0153740
相談者より
ご回答ありがとうございました。
詳細なご説明をいただき大変参考になりました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:56 ID:QA-0153759大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
どちらでもたいした差はなさそうに思います。簡易なのは1カ月の有期雇用でしょう。
「延長」と選んだ場合、再延長などが発生して、事実上の無期雇用だったという認識を申し立てられる可能性がより高いかも知れませんが、法的にどこまで差があるかは弁護士など専門家のご確認をお願いいたします。
社保関係も契約更新ではなく、期間なので、影響は無いでしょう。
投稿日:2025/06/09 21:54 ID:QA-0153741
相談者より
ご回答ありがとうございました。
1ヶ月の契約締結の方が良いということで理解致しました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:57 ID:QA-0153761大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
どちらの対応であっても、契約期間が1ヵ月延長されたことに変わりはございませんので、どちらがリスクが少ないか否かといった問題にはなりません。
この場合は、新たに1ヶ月の短期契約を締結することで、対応すればよろしいでしょう。
雇用保険・失業保険に関してはトータル年数が重要になりますので、今回の1年の契約期間が1回目の契約期間ということであれば、影響はありません。
投稿日:2025/06/10 06:58 ID:QA-0153747
相談者より
ご回答ありがとうございました。
1ヶ月の短期契約で問題ない、と理解致しました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:58 ID:QA-0153762大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
労働基準法
以下、回答させていただきます。
(1)「1年の契約を期間変更により1年1ヶ月に伸ばす」場合には、労働基準
法第137条(その経緯、趣旨等)により、労働者は、当該労働契約の期間の初
日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、
いつでも退職することができると考えられます。
(2)一方、「新たに1ヶ月の短期契約を締結する」場合には、労働者が自ら退
職するうえで「やむを得ない事由」が求められます。
(3)以上を踏まえれば、労働契約の確実な履行(無用なトラブルの回避)とい
う観点からは、「新たに1ヶ月の短期契約を締結する」ことの方が良いよう
に思われます。
(参考)労働基準法
第百三十七条
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定める
ものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者
(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一
部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措
置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当
該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使
用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
投稿日:2025/06/10 07:11 ID:QA-0153748
相談者より
ご回答ありがとうございました。
詳細なご説明をいただき大変参考になりました。
頂いた回答を参考に検討させて頂きます。
投稿日:2025/06/10 08:59 ID:QA-0153763大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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