退職予定者の有休消化期間での副業
いつも参考にさせていただいております。
自己都合で退職する社員が有給の残を消化するのですが、最終出勤日から約半月の有休消化(出社無し)期間が発生します。
次の就業先が決まっているため、有休消化中に次の就業先で仕事をしたいとの申出がありました。
当社の基本的スタンスが以下のとおりです。
1有給は買取はしない
但し、会社が引き継ぎなどで出社を依頼した場合を除くを基本としています。
2副業については就業規則で原則認めている
禁止制限する条件としては
①労務提供上支障がある場合
②事前に会社の承認を得ていない場合
③会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
④競業により企業の利益を害する場合
社員の言い分としては、
1有休を買い取ってもらえないので全て消化したい
→労働者の権利なので取得は断れないと思っています
2副業がダメなら、副業が認められない理由を教えて欲しい
→①は当社で勤務しないので問題ないはず
②は事前に申し出ている
③普通の会社なので問題ない
④競業関係のない全く別の業種(地域も違う)
※退職者は結婚のため相手に会わせて転居をするため、当社での継続勤務が出来ないための退職です。
転職先の会社で2重就業が認められているかどうかは当社では把握していませんが、当社側としては認めて退職日を有休消化完了日とする必要があるのでしょうか?
また、その際社会保険などはどのように処理したらよろしいでしょうか?
退職日まで当社の社会保険適用?
転職先での雇用発生前日で抜く?
転職先との調整も必要なのかも知れませんが…
以上、よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/19 10:27 ID:QA-0152492
- ひでやんさん
- 滋賀県/食品(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、特に拒否される理由がございませんので、有休取得完了日で退職とされるべきです。
そして、社会保険等の処理に関しましても、転職後の件を御社側で考慮される必要性まではございませんので、被保険者資格喪失届等も通常の退職時における手続処理で差し支えないものといえます。
投稿日:2025/05/19 10:57 ID:QA-0152496
相談者より
早速にご回答いただきありがとうございました。
今更ながらにわざわざ副業を承認する必要も無さそうですし、退職日は有給完全消化(予定)の日付として処理をします。
有給(休日)に何をするかは労働者の自由の範囲と考え、その期間に別の仕事をしても不問とするスタンスを退職予定者にお話ししておくこととします。
揉めているわけではないので理解してくれると思います。
(どうしても副業の承認が欲しいと言うようであれば、会社で用意している副業の申請書を出してもらって承認するようにします。)
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/05/19 11:56 ID:QA-0152505大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
まず、退職日については、社員側に決定権(労働契約解除権)がありますので、
該当社員が年次有給休暇消化を完了する日を退職日と決めているのであれば、
会社は、拒否をすることは原則できません。
有給休暇を消化した上で退職することを認め、早めに退職願等、正式な書類を
該当社員より受領するようにしてください。
副業については、会社が拒否する合理的な理由があれば、承認しないことも
可能ではあります。しかし、本ケースのような場合、会社が承認しなくとも、
自己の判断で副業する可能性が極めて高く、退職が確定しているのであれば、
規程違反として、懲戒対応することも現実的には難しいかと存じます。
なお、退職にともなう手続きは、貴社における退職日にて手続きをすれば
問題ございません。退職願等に記載された退職日をもって、
社会保険を喪失することになります。事務的に手続きを踏めばOKです。
また、転職先との調整に、貴社は関与する必要はありません。
仮に、転職先会社の規則に反することが生じた場合でも、それは
転職先会社と退職者の問題であり、貴社には関係ないことです。
投稿日:2025/05/19 11:23 ID:QA-0152501
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
当社では有給を全部消化できる日を退職日として退職願を提出してもらい、そのまま処理するようにいたします。
今更、副業の許可申請を出してもらって承認手続きをする必要も無いと思いますので、有休消化中の退職日前に就業することになっても、当社としては特に処分することもなく不問にする旨は口頭で伝えておこうと思います。
ありがとうございました。
投稿日:2025/05/19 16:29 ID:QA-0152518大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
有休消化中の他社就業→原則認めざるを得ない(規定・法的に制限困難)
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 有給休暇中の「副業(実質的には次の会社での就業)」について
(1) 基本的な法的スタンス
有給休暇中も労働契約は継続しており、就業規則は引き続き適用されます。
よって、「副業」となる行為に対しては、就業規則に基づく判断が必要です。
(2) 就業規則との整合
相談内容に記載された貴社の副業規定((1)~(4))に照らすと、社員の主張通り、今回のケースは「原則として問題がない」ように見えます。
特に、
1.有休中で業務なし → 支障なし
2.事前に申出あり → 条件クリア
3.信用棄損行為なし → 問題なし
4.競業関係なし → 問題なし
つまり、会社側が「副業禁止に当たる」と明確に言えない場合、拒否は難しいと考えられます。
(3) 貴社側の選択肢
有休を全て消化させ、副業(次の勤務先での仕事開始)を認める
もしくは、「副業は就業規則の趣旨に反する」として禁止し、退職日を前倒しして有休を一部放棄するか買い取る
ですが、後者の対応は、
有休の買い取りは原則不可(労基法違反リスク)
労働者の同意を得ないと不可能
となるため、実務上は「有休中の就業を認める」ことが現実的です。
2. 退職日と社会保険の取り扱い
(1) 社会保険の適用関係
退職日=最終的な「雇用契約の終了日」
有給消化中も雇用契約は継続しているため、有休消化最終日が退職日となる
よって、その日まで社会保険・雇用保険ともに貴社で適用
(2) 社会保険資格喪失日
資格喪失日は退職日の翌日(=有給消化終了の翌日)
転職先の社会保険加入日は、原則として「採用日(出勤日)」から適用
(3) 注意点:2重就業の可能性と保険適用の調整
有給中に転職先で出勤し報酬を得ると「2重就業」となり、社会保険の資格取得要件に該当する可能性がある
ただし、実際には「週20時間以上かつ31日以上の見込みがある場合」などが条件となるため、転職先が「社会保険加入を初日から行うかどうか」によります
社会保険は「原則二重加入不可」なので、転職先が社会保険加入日を「有休終了翌日」に設定してくれることが望ましい(事前に調整が必要)
3. 実務上の対応まとめ
項目→回答
有休消化中の他社就業→原則認めざるを得ない(規定・法的に制限困難)
有休消化中の社会保険→当社での加入継続(退職日=有休終了日)
社会保険の資格喪失日→退職日の翌日
転職先との調整→「有休終了翌日から雇用契約開始(出勤)」にしてもらうのが理想
4. 補足
社員に「副業(次の会社での就業)が就業規則に照らして問題ない」ことを確認のうえ、書面で申出を受け付けておく(例:副業届、届出受理書など)
転職先に「当社での社会保険適用は○日まで」であることを伝えるよう、本人に促す
社内的には、「有給中の副業は就業規則で認めている場合に限り認可される」旨を運用ルールとして整理
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/05/19 11:48 ID:QA-0152504
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
当社では有給を全部消化できる日を退職日として退職願を提出してもらい、そのまま処理するようにいたします。
今更、副業の許可申請を出してもらって承認手続きをする必要も無いと思いますので、有休消化中の退職日前に就業することになっても、当社としては特に処分することもなく不問にする旨は口頭で伝えておこうと思います。
※その後の調整(確認)で、
①転職先が2重就業できないこと(どうやら認めていないらしい)
②当社での有休消化が転職先の就業開始までに完了する
ことが分かり調整できましたので、特に問題ないことになりました。
ただ、今後も同様ケースの参考とさせていただきます。
ありがとうございました。
投稿日:2025/05/19 16:33 ID:QA-0152519大変参考になった
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回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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