振替休日の規定化
当社では、就業規則にて振替休日を明記しておりますが、現実としては代休が多い状況です。振替休日の徹底を図りたいと考えております。
例えば、就業規則に
①「休日出勤する際は、事前に届出するものとする。(緊急時除く)」
②「休日出勤後○週間以内の日を振替休日として届出時に指定しなければならない」
と規定し、緊急時以外の休日出勤は振替しか認めないと強制的に規定することは可能でしょうか。②で届出た振替休日に実際に休めなかった場合も手当の支給はせず、労働債権2年の時効を待つという対応も検討しています。
ご教授のほど、宜しくお願いします。
投稿日:2006/11/15 09:18 ID:QA-0006634
- *****さん
- 東京都/運輸・倉庫・輸送(企業規模 31~50人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
振替休日の付与につきましては、就業規則における規定の存在が不可欠となります。
そこで、ご相談の件ですが、
・①の事前届出制については規定上問題ございません(※併せて会社による許可制とすべきでしょう。)
・②につきましては、振替休日の付与は労働者が申し出ることによって行われるものではなく、(出来れば本人に希望を聞いた上で)会社が指定して与えるものです。
従いまして、本人が届け出るのはあくまで希望日となりますので、規定上も「会社が指定する」ことを明記することが必要です。
また、会社が命令した休日労働について振替休日しか認めないという強制規定は問題がありますので避けるべきでしょう。
尚、届け出た振替日に休めなく、かつ他の振替日指定も会社が行なわずに休日がとれなかった場合、休日労働の割増賃金を支払わないことは完全な違法行為になりますし、まして「労働債権2年の時効を待つという」のは大変悪質な行為とみなされますので決して行われないようご注意下さい。
投稿日:2006/11/15 11:35 ID:QA-0006640
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
ご回答頂いた中に、「会社が命令した休日労働」とあります。当社では、社員個人の判断で休日出勤し、事後に届出る例が多く、この場合については、どのようになりますでしょうか。
投稿日:2006/11/15 12:59 ID:QA-0032710大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
振替休日の規定化
■休日振替をさせる要件としては下記の2点が必要です。
① 就業規則に振替規程を設けておくこと(今、ご検討中の措置)
② 振替日を必ず指定すること
■実際には、業務都合で振替休日を与えない事例も見受けられますが、これは明らかな違反行為です。どうしても与えられなければ、休日振替ではなく、休日労働扱いとし、休日労働賃金を支給しなければなりません。
■以上を踏まえてご質問にお答え致します。
Q,1 最初に申し上げた要件を就業規則に規定することにより、休日出勤はすべて休日振替しか認めないことは可能です。就業規則の改訂に必要な、労働者代表の意見聴取・労基署への提出・社員への周知などの措置はご存知だと思います。
Q..2 指定された振替休日は、本人にとっては、就業規則上保証されたレッキとした<休日>です。説明しましたように、当日の労働に対しては、休日労働賃金を支給しなければ法違反になります。これを支給しないのみならず、労働債権の時効消滅を待つという姿勢は、二重の意味で労働法の精神に反し、ご再考が必要だと思います。
投稿日:2006/11/15 13:13 ID:QA-0006642
相談者より
投稿日:2006/11/15 13:13 ID:QA-0032711大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
休日労働につきましては、基本的には「業務の都合上やむを得ない場合において会社が命じることによって発生する」ものといえます。
回答で「会社が命令した休日労働」と記述しましたのは、こうした原則を指しているだけで特に他意はございません。
勿論、人事制度上労働者からの申請による場合もございますが、御社のように「社員個人の判断で」「事後申請」というのは、悪戯に休日出勤を増やす原因となり振替休日の指定も困難となる場合が予想される上、組織上社員間の意志疎通にも差し障りが出てくるものと思われますので、「事前申請」かつ「会社の許可制」に見直されるべきでしょう。
尚、会社からの指示か労働者からの申請を問わず、「振替休日しか認めない」というのは、緊急時でなくとも業務繁忙の為調整困難となる可能性が十分にございますし、その際割増賃金を支払わなければ結果として法令違反となってしまいます。
実際には振替休日で多くを対応するとしましても、規定上ではそうした限定的な定めをして自らの選択肢をも狭めるのは避けることが望ましいというのが私の見解です。
投稿日:2006/11/15 13:41 ID:QA-0006643
相談者より
丁寧なご対応ありがとうございました。今後の規則整備に反映させて頂きます。
投稿日:2006/11/15 14:16 ID:QA-0032712大変参考になった
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