本人同意があれば、就業規則に定めのない降給はできるか?
腰痛のため、通常業務ができない従業員がいます。軽易な作業への転換を考えていますが、当社の賃金制度では、降給は規定されていません。この場合、本人同意があれば、降給することはできるでしょうか?
また、降給に同意されない場合、片道2時間ぐらい通勤にかかる転勤を命じるほかないのですが、こういう提示は認められるでしょうか?
投稿日:2013/09/22 00:30 ID:QA-0056201
- *****さん
- 大阪府/医薬品(企業規模 1~5人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
・就業規則で定める基準に達しない労働契約は、無効とされる可能性がありますので、
(労働契約法12条)、合意後に必ず、就業規則の変更もしておく、必要があります。
・通勤時間2時間だと、恣意的な転勤と取られる可能性もあり、腰痛の悪化についても、配慮する必要があります。これについては、本人によく説明することです。
・医師の診断をもとに、休職制度があれば、休職も検討する必要があると思われます。
投稿日:2013/09/22 08:48 ID:QA-0056202
相談者より
ご回答ありがとうございます。
早急に就業規則の変更手続きをしたいと思います。
休職制度は、私傷病の場合、3か月の欠勤の後ということになっています。出勤は毎日しているので、適用できないように思います。「その他特別の事情による」休職もありますが、この件の場合、あてはめるのは無理でしょうか?
投稿日:2013/09/22 14:42 ID:QA-0056205大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
労働契約法の手続きにより就業規則を変更の上、変更措置適用
従業員の処遇に関しては、 就業規則に基づいて行うのが原則です。 就業規則は、 会社・従業員間のルールブックです。 但し、 規則に記載されている以外の事態は起こり得る訳で、 その際には、 就業規則の当該関連規定の趣旨に則り、 合理的な措置することが必要です。 措置の合理性を担保すること、 今後発生が予想される類似の事案に対する一貫性の確保のため、 同規則の追加、変更、削除を行っておくことが大切です。 ご質問に戻ります。 本人の健康状態を勘案し、 軽易作業への転換は、 会社にととって必要な対応です。 同時に、 軽減化に伴う降格、 減給も合理的措置です。 事案の性格上、 本人同意ではなく、 労働契約法第10条の手続きにより就業規則の変更を行い、 当該従業員にも従ってもらうことになります。 「 降給に同意されない場合 」 という事態は起きなくなりますので、 「 片道2時間ぐらい通勤にかかる転勤を命じるほかない 」 ことも必要なくなります。
投稿日:2013/09/22 11:08 ID:QA-0056203
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、文面内容ですと通常業務が出来ないのは当人の私傷病が原因のようですので、当人の自発的な同意を得た上で降給を伴う軽作業への転換をされる分には差し支えございません。
一方、片道2時間もかかる通勤ですと、業務自体が軽減されるとしてもさらなる健康悪化が懸念されますので、そのような無理な提示は避けるべきです。ちなみに、軽易作業等を無理に創出してまで勤務してもらう必要はございませんので、現状適当な業務がなければ安全配慮義務を守る上でも一旦休業してもらうのが妥当な措置といえるでしょう。
投稿日:2013/09/22 11:21 ID:QA-0056204
相談者より
ご回答ありがとうございます。
3か月の欠勤の後、休職できる旨の規定があるのですが、集金はしているので休職を命じることはできないように思われます。この場合、会社が休業を命じるとしたら、休業補償など必要なのでしょうか?
投稿日:2013/09/22 17:59 ID:QA-0056206大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事頂き感謝しております。
ご質問の件ですが、現実に軽易作業への転換が可能であれば休職を命じる事は難しいといえるでしょう。但し、会社は慈善事業ではございませんので、当人の為に敢えて軽易作業を創出してまで勤務させる義務は無いという事です。
休業手当(現行賃金の6割補償)の必要性も同様で、軽易作業へ転換可能にも関わらず休業させる場合には補償要、そうでなければ補償は不要となります。
投稿日:2013/09/22 22:31 ID:QA-0056207
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件2
休職事由について、現状では休職させられないということになります。
私傷病については、〇ヵ月欠勤以外に、
労務提供不完全なときという自由を追加検討すべきでしょう。
休職は、解雇猶予措置ともいえますので、
労働契約を果たせないわけですから、
腰痛が、治癒の見込みもなく、
通常業務ができずに休職対象でなければ、
解雇規定を確認して、解雇も検討することになります。
実務的には、
あくまで医師の診断をもとにということですが、
通常業務ができない以上、
本人ともよく話し合い、まずは、
しばらく休んで、通常業務ができるまで、治療に専念してもらうことです。
生活保障としては、
年休か傷病手当金を活用が考えられます。
投稿日:2013/09/23 12:22 ID:QA-0056208
相談者より
大変参考になりました。どうもありがとうございました。
投稿日:2013/10/08 22:54 ID:QA-0056428大変参考になった
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